大幅な加筆修正
線を幾重にも重ね、よくできた、感動したっ、自分をほめてやりたい、褒美を取らせてつかわす、といった塩梅のあみだくじを、結局下から始めてしまい苦笑い
人と違って、選択肢がないので二択にしているのに
厭世的であるのも暇人の特権である
日記的な、あまりにも日記的な
チャリ撤去の憂き目にあったので、取りに行く
久々に逆方向の電車に乗り、たまには時間を無駄に使うのもいいだろう、と何とはなしに自分に言い聞かせながらとぼとぼ歩く
もうちょっと歩けば、以前自分の働いていた店
前好きだったあの子は、まだ働いているのだろうか
想い出は追うべきではない
係員に、ありがとうと言うべきかを迷いながら、この川べりで男二人で花火したよななんて苦笑して
冬だってもうすぐ終わるんだろう
日向ぼっこをする猿
猿がこれ見よがしに日向ぼっこをしていた
視線に気づいたのか、こちらを睨め付ける
見て欲しくないんなら、最初から目に付くところに座るな、というと
それもそうだな、と言うような目でにこりと笑った松井
嘆息するために呼吸はしたくない
とりあえず透明になる努力をしてみた
頭の中を「無になる、無になる」という、まるで逆効果の呪文が駆け巡り、妄想に現を抜かす
あれやこれやに関わることは止めにして、半日を無効にする数式を組み立て上げた
論理が理性を凌駕する、退屈が無為を加味する
吐き気を覚えながら、役目は終えた、と胸を撫で下ろす
現実がほっといてくれない
親の仇みたいに降る雨
昨日は何故か、小学生の頃のことを思い出していた
給食の、袋に入れられた食べ物であることを放棄した林檎とか
必ず一年に一枚は教室のガラスを割る、鬼籍に入った同級生とか
雨が降ると、極端に水捌けが悪いため、校庭と区別のつかなくなる砂場とか
しかも、「雨のせいで」思い出している、という感覚だった
雨にまつわる記憶だけではないし、雨が降ると昔を思い出す習性があるわけでもない
まあ、雨が降ると憂鬱になるので、そのせいで少し郷愁に浸ってみたかったのだろう、と一人で納得
「言い訳は嫌いだけど」と言って始める言い訳
ひどく場違いな居場所で感じる無力感
相変わらずだね、と言われてるみたいだった
「自分はこんなもんじゃない」と思いたいけれど、「過去も、現在も、未来も自分はこんなもんだろう」と気づいている
人生、と言う名のチキン・レース
箱男
何時からか、僕は箱をかぶっていた
箱をかぶっていても、周りの人は、偏見なしに付き合ってくれたし何も不満はなかった
しかし、ある日箱無しだったら、人は自分をどう扱うのだろう、という好奇心が頭をもたげてきた
「箱」という存在が、遠慮を生んでいるのではないか
確かに、箱の外の世界は、広大無辺で、どんな言葉を吐いても、耳を傾けてくれる人がいる
だが、箱の中の狭さが妙に愛おしく思える日がある