今日も早速お題に行ってみましょう。本日付日経新聞朝刊3面、「大和ハウス 国内最大級 物流施設、800億円で千葉に」という記事から気づいたことを書いていきます。
記事の内容ですが、大和ハウス工業が国内最大規模の物流施設を千葉県流山市に建設することを伝えています。インターネット通販の普及で大型物流施設の需要は今後拡大すると見込んで、約800億円を投じて2018年度に開業予定とのことです。
大和ハウスといえば個人住宅メーカーのイメージが強いかもしれませんが、2001年に子会社の大和団地と合併して以来、実態は不動産開発を本業とするディベロッパーになっています。ですので今日の記事のような案件にも関わってくるのですね。
それでは、いつものように財務諸表の数字を見てみましょう。同じく不動産開発大手の三菱地所と、直近の第1四半期の損益計算書を比べてみます。
| 単位:百万円 | 大和ハウス | 三菱地所 |
| 売上高 | 693,689 | 223,847 |
| 売上原価 | 543,260 | 166,734 |
| 売上総利益 | 150,429 | 57,112 |
| 販管費 | 91,253 | 19,848 |
| 営業利益 | 59,175 | 37,264 |
| 経常利益 | 59,578 | 33,877 |
| 純利益 | 41,972 | 26,849 |
| 売上原価率 | 78.3% | 74.5% |
| 売上総利益率 | 21.7% | 25.5% |
| 販管費率 | 13.2% | 8.9% |
| 営業利益率 | 8.5% | 16.6% |
| 経常利益率 | 8.6% | 15.1% |
| 純利益率 | 6.1% | 12.0% |
| 経営レバレッジ | 2.54 | 1.53 |
大和ハウスの経営が好調なのは知っていましたが、第1四半期だけで三菱地所の3倍以上の売上高を上げていたとは、私も数字を見るまで知りませんでした。しかし、売上高では圧倒している大和ハウスも、利益率を比べると軒並み三菱地所の後塵を拝しています。つまり費用が多くかかっているということです。これは一体どういうことなのでしょう?
どんな商売でも売上高が大きくなればスケールメリットが働いて原価率は下がるのが道理です。しかし、これは昔の大量生産時代の話。社会が複雑になり、顧客のニーズが多様化した現代では、売上向上には多様なビジネスを展開する必要があります。ビジネスを多角化すればそれだけ細かい仕入・購買活動が必要になり、調達ロットを増やせない分、仕入単価は高くなります。以前に取り上げたセブン&アイHDでも同じ現象が見られましたね。
大和ハウスのHPを見ると、同社が手掛けている事業は住宅、店舗、商業施設、医療・介護施設、環境エネルギー、農業、パーキング、リゾートホテル、フィットネスクラブ、ホームセンター…と実に多岐にわたっています。対して三菱地所の方は、住宅、ホテル、オフィス等、ディベロッパーとしてオーソドックスな事業展開となっています。
例えるなら、大和ハウスは積極的に新事業に乗り出す「狩猟型」、三菱地所は手慣れた分野で確実に稼ぐ「農耕型」の事業展開、と言えるでしょう。どちらが良いかは一概には言えませんが、もし社員として働くとしたら、大和ハウスの方が面白そうではありますね。
それでは、また!!
※本稿のデータ出所
http://www.daiwahouse.co.jp/release/pdf/20150807-1.pdf
http://www.mec.co.jp/j/investor/irlibrary/tanshin/pdf/kes201601.pdf