実際に起きた未解決事件を題材にしたサスペンス映画。

 

そして、最後まで事件は解決しません。

 

 

被害者は生きたまま焼き殺された21歳の女子大生。

 

捜査の途中で浮上した被害者の男性関係ばかりが注目されてしまう。

 

奔放な女性は殺されて当然なのか?

 

「彼女は優しい子。彼女の男性関係がどうであれ私にとっては大切な友だち。」

「彼女がなぜ殺されたのか?それを問うているなら、答えは簡単。彼女は女だから殺されたの。」

と言う被害者の親友の言葉が胸に突き刺さる。

 

何人の男と寝ようが関係ない。

彼女は理不尽に焼き殺された。

彼女は被害者でジャッジされる立場ではない。

 

最後まで事件が解決しないのは

そもそもの題材が未解決事件なのと、

 

誰が殺したか?

ではなく

女だから殺されてしまう社会の問題提起なのかな?

 

映画は事件を追う刑事ヨアンの成長の物語でもある。

 

ヨアンはチームのボスが引退し、次期ボスに昇進した。

ヨアンは説明されなくても、インテリなんだろうなという雰囲気。

チーム内では若く、小綺麗で、部屋も綺麗に片付いている。

趣味はサイクリングで生活の慣習もキッチリしている。

 

チームで馬鹿話をする時にもヨアンは薄っすら笑うだけで、

馬鹿話に加わることはない。

 

チームの刑事は気さくで仕事熱心で悪い人ではないけど、

自然とミソジニーに染まっている。

 

殺された被害者に対しては、

最初は可哀そうな被害者と思っていたが、

捜査が進み男性関係が明らかになると、

同情はできない的なミソジニー発言も飛び交う。

 

結局、未解決のまま3年が過ぎ、

事件の捜査関係者に新たに女性検事と女性刑事が加わり、

新しい風が吹く。

 

女性検事も女性刑事もクレバーなインテリタイプで

ヨアンとは気が合いそう。

 

女性刑事のセリフもなかなか痛烈。

「同僚の3/4は差別主義者。」

「事件を起こすのも、取り締まるのもほとんどが男。」

 

フェミサイドは世界各地で起こっている。