昨年ビートルズがAIを駆使して最後の新曲と言う触れ込みでNow And Thenを発表し大いに話題になった。楽曲そのものはずっと前からファンには馴染みの曲だったし驚きはなかったが「AIをビートルズが最初に使った」事にとても大きな歴史的意味があると思ってる。
おそらく現代音楽は大きな転換期に入りここから一気にAIを駆使した流れになっていくと思われる。
既に沢山のソフトが開発されてAIで作る音楽はとんでもなくクオリティーが高い。以前のようなぎこちない機械的な感じではなく人間が作ったとしか思えないまで技術が凄い勢いで進歩している。

音楽を芸術・作品たらしめたのは「楽譜の時代」から始まりその後「録音再生の時代」を経てきた。レコードCD、そしてデジタル配信、サブスクリプションがそれだ。ビートルズは録音再生時代の最も重要なアーティストでありそのビートルズが声だけとは言えAIを使ったという事は録音再生の時代を自らの手で終わらせたとも言える。
そして録音再生の次に来るものは音楽そのものを聴く側がAIで作業出来る「操作の時代」。
様々な事が考えられる。
スマホでの簡単リマスタリング。声の変換。自分の嗜好する曲のAI検索。古い楽曲を現代風にする。等考えたらキリが無い。
聴く側はメリットしかないように思う。
しかしアーティスト側はどうだろう。
激しいAIとの戦いになるか融合して行くか・・・
恐らく融合するしかないと思う。AIを使った楽曲も増えて行くはず。
ただアーティストの権利をどのように守るのかをもっと真剣に議論しないと手遅れになる。
命を削って作った音楽がサブスクでタダ同然で扱われAIの登場でその音楽をおもちゃのように操作される・・・
「心配し過ぎ」と言うかも知れないが法整備しなければ損をするのはいつもアーティスト側ばかり。

AIによって聴く側のライブラリーは圧倒的に増えるはず。楽しみも多くなる。
しかしアーティストをしっかり守らないとミュージシャンを目指す人が増えないだけでなく良質で健全な音楽が日の目を見なくなる。
それを思うと危機感しかない。
そしてもう
時間がない。