(5年生の話)

 

 

元々のうーちゃんは臆病で、

一人で買い物に行くことなど

できなかったのですが、

あるとき私に内緒で一人で出かけ、

お年玉を使って

たくさんのダイエット食品を

買い込んでからというもの、

しばしば勝手に買い物に出かけて

しまうようになりました。

 

 

 

最初の頃は

下校後

黙ってこっそり出かけていました。

 

買ったものはいったん

玄関ドアの外に置いておき

しばらくしてから

自室に持ち込むという

手の込んだことをして

私にばれないように

していました。

 

 

 

 

その行動は

日に日にエスカレートしていきました。

 

いつしか

私にばれないようにという

配慮はなくなり、

止める私を振り払って

出ていくようになりました。

 

 

自分が食べられるものを

ストックしておきたい、という気持ちが、

いつのまにか

「ストックしなければならない」と

いう強迫観念のようになっているのでは

ないかと思われるほどでした。

 

 

 

 

 

 

 

学校を休むことは

この頃もよくありましたが、

とうとううーちゃんは

休んだ日に

午前中から勝手に一人で

買い物に行って

しまうようになりました。

 

 

 

うーちゃんがスーパーで

知り合いにでも会ったらどうしようと

私は気が気ではありませんでした。

 

平日の午前中

小学生が

スーパーで低カロリー食品を

物色してる姿を見たら、

私だって

「あの子大丈夫かな」

と思います。

 

 

うーちゃんの摂食障害のことは

主治医の先生の助言もあって

極力内緒にしてあったので、

うーちゃんのおかしな行動から

摂食障害のことが周囲の人にばれ、

克服の妨げになったらどうしようと

不安でたまりませんでした。

 

 

何度も

学校を休んで出かけるうーちゃんを

力づくで止めようとしたことが

あります。

でも、いくら痩せているとはいえ

5年生のうーちゃんを

私の力で止めることはできませんでした。

 

 

「うーちゃん、やめて!」

「お願いだから行かないで」

「お願いだからやめて!!」

 

玄関に仁王立ちして

私が叫んでも、

うーちゃんは

全く私の言葉など聞く気もなく、

私の顔も見ず、

怖い顔をして

ただただ私を振り払って

玄関から出ようと必死でした。

 

 

うーちゃんの持っているお金が

底をつくまでになんとかしないと

大変なことになるかもしれない

と思いつつ、

うーちゃんの

問題行動はこれだけでなかったために、

私は疲れ切ってしまい

どうしたら対処していいかわからなくなって

いました。

 

 

私が一緒に買い物に行ったり

代わりに買ってきてあげれば

済むという問題では

ありませんでした。

 

この頃は

「誰にも邪魔されず

自分で選んで

希望のカロリーの

ダイエット食品を買う」、

そのことに

全身全霊を注いでいる

ようでした。