(5年生の話)

 

 

買いだめのために勝手に出かけるうーちゃんを、

私は毎回あの手この手で

必死に止めましたが

いつも結局

止めることはできませんでした。

 

 

今思えば、

うーちゃんが買いだめに走ることを

私はもっとおおらかな気持ちで

見てあげればよかったかも

しれません。

 

一緒に選ぶのを

嫌がられるなら、

せめてお店の前まで一緒に行って、

お金だけうーちゃんに渡して、

気の済むように買い物をさせて

あげればよかったかもしれません。

 

でも、

あの頃の私は

必死になって

うーちゃんの買い物を

止めようとしていました。

 

そうしないと

うーちゃんはもう普通の精神状態に

戻れなくなるんじゃないかと

思っていました。

 

どうしても買い物に行きたがる

うーちゃんの顔は、

まるで正気を失っているかのようでしたから。

 

 

 

出かけるうーちゃんのあとを

こっそりつけることも考えましたが、

万一ばれて

うーちゃんが外で暴れたり

大声を出したらと思うと

やはりそれもできませんでした。

 

 

 

 

しかしどうしても

うーちゃんの行動が気になる私は、

ある日うーちゃんのバッグに

こっそりGPSを忍ばせました。

 

 

その日学校を休んだうーちゃんは

また午前中から買い物に

行ってしまいました。

 

 

GPSで動きを見ていると、

うーちゃんは

まず一番近いスーパーに向かいました。

そしてそのスーパーに30分近くいました。

 

それから

今度はさらに家から離れたスーパーに移動し、

そこでさらに20分ほどいて、

その後うちに帰ってきました。

 

 

その一部始終を

私は画面上でずっと見ていました。

位置情報が正確でなく

地図上のスーパーの上を

うーちゃんのマークが

行ったり来たり揺れていました。

 

ふらふら動く地図上のうーちゃんのマークが、

以前一緒にスーパーに行ったときの

うーちゃんの姿と重なりました。

 

 

摂食障害になったあとも

まだ私と買い物に行っていた頃、

うーちゃんは

ヨーグルトや低カロリー食品を選ぶとき、

商品を手に取って

カロリー表示を食い入るように

長い時間かけて見ていました。

 

商品を手にとってはじっと眺め考えこみ、

また別の商品を手にとっては

同じことをしていました。

そうやって、私や周りの人に目もくれず、

お目当ての棚から棚へと移動し、

長い時間をかけて

真剣に商品を選んでいました。

 

 

 

今一人で出かけたうーちゃんが、

自分の希望に合うダイエット食品や

低カロリー食品を探し、

店内をさまよっているんだなと思うと、

地図上で揺れ動くマークが

うーちゃんそのもののように思えて

涙が止まらなくなりました。

 



 

 

 

この頃のうーちゃんは、

痩せは改善されてきていましたが、

摂食障害に伴う問題行動が

次第にひどくなり

5年生の3学期には

入院することになります。

 

入院中もいろいろありましたが、

それらについては

またのちほどにして、

うーちゃんの様々な問題行動を、

思い出し思い出し

しばらく綴っていこうと思います。