(5年生の話)


 

 

うーちゃんと妹のゆうちゃんと

一緒に3人で買い物に行くと、

買ったはずの物が

しばしばなくなっていることが

ありました。

 

 

私は元々かなり抜けているので、

初めは私が、

買ったものを

スーパーのカゴに置き忘れたのだろうと

思っていました。

 

 

 

 

あるとき、夕方にまた3人で

スーパーに行きました。

 

妹のゆうちゃんが、

 

「お腹空いたー。

 ご飯の時間まで待てないから

 サンドイッチ買って」

 

と言うので、

食材と合わせて

ゆうちゃんが食べるサンドイッチも

買いました。

 

車で来ていたので

ゆうちゃんは、

車に乗ったらすぐに

サンドイッチを食べると言って

嬉しそうでした。

 

 

会計を済ませ

車に乗り

出発しました。

 

 

「ママ、サンドイッチどこ?」

 

「え?? あるでしょ。

 さっき持ってたよね。」

 

「ないよ。ない!

 えー、なんで?

 お腹空いてるのにー」

 

と、ゆうちゃんは不機嫌に

なりました。

 

うーちゃんは、

 

「サンドイッチなんて

 知らないよー」

 

と言ってそれっきり無関心の様子でした。

 

私は車を止めて車内を確認しましたが、

結局サンドイッチは見つかりませんでした。

 

 

 

 

その数日後、

また3人で買い物にいったとき、

ゆうちゃんが、

 

「今日の夕ご飯、

 アジの開きにして!」

 

とリクエスト。

 

早速アジの開きを買って

家に戻りましたが、

帰って買い物袋を見ると

アジの開きだけが

なくなっていました。

 

 

 

 

2回連続して

ゆうちゃんの食べたい物がなくなったので、

ゆうちゃんは怒り出しました。

 

 

 

 

うーちゃんの仕業に

違いありませんでした。

 

うーちゃんが食べ物に関して

複雑な感情を持っていることは

わかるので、

少々のことは目をつぶってきましたが、

2連続は無理です。

 

 

 

レシートを見て

確実に買っていることを

確認しました。

そしてうーちゃんを問い詰めました。

 

 

 

うーちゃんはずっと黙っていましたが

とうとう白状しました。

 

 

「アジの開き、

 車に乗ったらすぐに取って、

 車の外に置いた」

 

「ゆうちゃんが

 アジの開きを食べるのを

 見たくなかったから」

 

 

 

羨ましいからか。

自分も食べたくなるからか。

 

 

 

正確にはどんな気持ちか

うーちゃんに確かめませんでしたが、

うーちゃんの複雑な感情は

伝わってきました。

 

 

 

ゆうちゃんは、

うーちゃんの告白を聞いて、

 

「わかった。

 もういいよ。

 ママ、なんか別の物を作って」

 

と言って、

それ以上はうーちゃんに

何も言いませんでした。

 

 

 

 

 

駐車場にポツンと置き去りにされた

アジの開きのパック。

 

 

きっとサンドイッチも

置き去りにされたんでしょう。

 

 

想像すると少し笑える光景ですが、

こういうことが度重なると

ゆうちゃんだって

許せないときがくる。

 

私は親だから

うーちゃんの摂食障害を

最大限理解しようと努力するけど、

ゆうちゃんには

そこまでの努力はさせたくない。

 

それに、

今はうーちゃんのことが大好きな

ゆうちゃんが、

こういうことの繰り返しで、

うーちゃんのことを嫌いになっては

困る。

 

困るというより、

せっかくの姉妹が

嫌いあってしまうのは

不幸だと思いました。

 

 

ゆうちゃんはこの時

まだ小学2年生でしたが、

摂食障害の姉を持つ妹としては

精一杯の対応をしてくれて

いました。

 

これ以上の我慢をゆうちゃんにさせたくは

ありませんでしたが、

そんな気持ちとは裏腹に、

うーちゃんの摂食障害に起因する

問題行動は、

その後その矛先が

ゆうちゃんに向けられ、

さらに私とゆうちゃんを困らせるように

なっていきます。