雨上がりの午後

晴れ渡ったいつもの散歩コース

今日は5㎞の道のりをゆっくりと歩いた

 

途中のベンチに腰掛けて煙草をプカリしながら

目の前の景色を眺めた

私は観光名所や絶景をみたいわけではない

ただ何となくにある普通の自然が好きなのだ

誰の視線も気にすることなく

ただひとりでいることが私のリラクゼーション

 

子供の頃に見た風景って

雲は白くて山は緑だったのに

今見ると違うんですね

白いとばっかりに思っていた雲には様々な影があり

空の青と混じりあう部分もある

緑の山には黄色や赤や白や黒が存在しながら

深みのある緑を作っている

 

当たり前の話なんですけど風景って立体だった

子供の頃にはなんであんなに平坦な景色に見えたんだろう

 

物事の深みを知るってことが

大人になるって事なら

大人もそんなに捨てたもんじゃないな

 

 

 

世間では雲を白いという人が素直な正直者と言われるけど

そんなの嘘っぱちだって知ったから

大人になれてよかったと思っている

たとえば人の心の中が白一色だったら逆に気持ち悪い

黒いものや青いものに入り混じって

その白さの輝きがあるんだって知ることが出来たから今の自分がある

 

ずっとずっと苦しかった

みんなが心に不純物がないように振舞うから

自分の心を隠して生きなきゃいけなかった

 

あなたたちは今、自分の心を隠して大人になったけど

私は、心を曝け出すことが平気になった

色んな色にまみれながら守った白は簡単には染まらない

 

人の心が単色であるはずもなく

薄っぺらい平坦であるはずもない

それを善人ぶるから、本心を見失うのだ

今更、常識やモラルに頼って心を清いものにみせようとしても無駄だ

あなたは自分に嘘をつき続けている

欲望や嫉妬や恨みつらみの中から絞り出された白だけが

本当の白なのだ

 

 

 

ひとりでボーと空を眺めることは、凄く寂しくてたまらない

でも、雲の複雑な白さが分かるようになっただけでも

生きててよかったって思っている

 

自分に嘘さえつかなければ

本当に美しいものは汚れることもない