片岡義男『アップル・サイダーと彼女』より
「タイニー・バブルス」
片岡氏の夏といえば舞台はやはり、ハワイ。
しかし、この大変短い小説の舞台が、タヒチなのです。
あまりの意外さと共に嬉しさを感じ、つい手が鍵盤に向かっているのです。
じつはこの一篇前の「ノート・ブック」の舞台がタヒチなのです。
ここで描かれる美しい女性は、どこの国の女性かすらわからない。
でも、その描写は必ず、美しく若い女性なのです。
片岡氏の女性を描く手法では、読者の豊かな想像力によって実際に会うことができるのです。
「タイニー・バブルズ」に登場するのは、東京の女性です。
舞台は実は、タヒチの隣の島となっているのです。
ハワイにも、タヒチにも旅行をしたことのないぼくは、
小説の中の、美しい女性に嫉妬するのです。
そして小説の中で彼女に出会い・・・。
なんてちょっと出来過ぎか(笑)。
なぜこんな感情になるのだろう。
この一篇一篇の、短かすぎるほどの短さが、理由なのではないか。