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遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

著者:フジコ・ヘミング
出版:朝日新聞出版 / 2008年7月 / 単行本
ジャンル:クラシック、パリ

<目次>

はじめに

第1章 パリのピアニスト

第2章 とっておきの散歩道
 永遠の憧れ、モンマルトル
 絵画のような風景を愛でる、サン・ルイ島
 マレ、モダンな顔と古い顔が交錯するおもしろさ

第3章 パリの音楽家たちを訪ねて
 ラヴェル ショパン ドビュッシー
 モーツァルト サン=サーンス ワーグナー
 フォーレ ベルリオーズ サティ ビゼー
 クープラン フランク

第4章 パリはいつも音楽日和

私の敬愛する演奏家たち
 アルフレッド・コルトー
 ディヌ・リパッティ
 ジョルジュ・シフラ



ピアニスト・フジコ氏によるパリと音楽をテーマにしたエッセイ集。
散歩道、と題されているように、氏の歩いた足跡、お店も紹介されています。
本に書かれるということは、ずっと記録されるということなのですが、
きっとここに紹介されているお店は、すでに長い歴史を持っていたり、
1,2年で消えてしまうようなところではないのでしょうね。

パリ市内で部屋を見つけたという話が紹介されています。
棲家となった部屋には、前に住んでいた人が残していった古書がそのまま置いてあって、
それがなんと1890年出版の本だとか。
フジコ氏の言葉を借りるなら、ショパンの生まれた年だそうです。
ほのぼのしますね、日本では絶対起こりえないでしょう。

最後に印象に残った個所をご紹介します。

「私が子供のころにピアノを弾くと最初に感じたのは、音楽の旋律ではなくて色彩だったのね。今も音のひとつひとつに色をつけるように弾くことを大切にしているの。テクニックで弾くより豊かな色を奏でたいから」(123頁)



パリ音楽散歩/朝日新聞出版
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著者:片岡義男
発行:左右社 / 2011年7月 / 単行本
ジャンル:短編小説

<目次>

アイス・キャンディに西瓜そしてココア

追憶の紙焼き

髪はいつもうしろに束ねる

万能のティー・スプーン

鯛焼きの孤独

赤いスカートの一昨日

木曜日を左に曲がる

あとがき


この作品の中で気に入ったのは、詩が収録されていることです。
赤いスカートの一昨日、という作品の中に登場します。
片岡氏の詩はまさに、言葉の連続というか羅列です。
それをどう読むかは、読者の想像力次第。

その他、気になった個所のご紹介です。

「確かに嫌な言葉ね。嫌というよりも、貧しい言葉ね。(中略)」
「自分の乏しい体験や、あるかなきかの貧しい知識に照合させて、都合良く照合されるものが自分のなかにないと、それはその人にとって、ピンとこない、ということになる。」
「排除の言葉ね。」(「万能のティー・スプーン」より/98頁)

片岡氏の作品に登場する「コーヒー」はいつもエスプレッソでした。
それがいつか、深煎りのコーヒーという表現となり、
ついには、スター・バックスやドトールまでもが作品に登場してしまいました。
喫茶店というものは存在しても、言葉自体がほぼ死滅した今、
氏が作品に登場させるコーヒーにも、変化がみられます。

そして、そのようなチェーン展開のコーヒー・ショップが増えるにつれ、
「香りのしない」コーヒーが日本中に溢れかえっている気がするのです。
著者:平岩弓枝
発行:新潮社 / 1998年2月 / 単行本
ジャンル:小説、ヴェトナム

常々読みたいと思っていた平岩氏の作品。
続き物の時代小説にいきなり飛び込むのもいかがなものかと選んだ作品。
淡々と進むストーリィ、山場を期待していたら終わってしまった。
そうか、そういうことか。

海賊やボートピープルという今では馴染みのない言葉が、
常用なテーマになっています。
テーマは、「家族」です。
読み終わった後に、何かをじわっと感じられたら、
読んだ意味があったという作品です。


風よ ヴェトナム/新潮社
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