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遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

著者:さだまさし
発行:幻冬舎 / 2008年5月 / 単行本
ジャンル:小説

さだまさしさんの曲とは、高校生の頃からの付き合いです。
最初は深夜のラジオ、その後、曲に惹きこまれました。
ですから、かれこれ20年くらいのお付き合いになります。

さて、さだ氏(個人的にはまっさん、と呼びたい)が小説を書き、何作かが映画化されたことも知っています。
しかしその期間はずっと海外にいたため、そのような作品にリアルタイムで出逢う機会は、なかなかありませんでした。
このような経緯から、さだ氏の小説を読むのはこれが最初の作品となります。

おそらく他の作品(小説)もそうではないかと思っていますが、
今作のテーマも、やはり「家族」です。
さだ氏が家族を唄ったものは、多くあります。
小説の舞台は東京と福岡、そしてイギリスへと向かいます。
さすがにプロの作家の作品ではないので、ざっくりとした味付けがします。
でも、読んだ後、自分と家族との付き合い方について、考えさせられます。


 <目次>

 序
 第一章 東京
 第二章 ロンドン
 第三章 ボウネス
 第四章 グラスゴー
 終章  聖歌 アメイジング・グレイス


それでは、生と死について主人公が考えた一節をご紹介します。

「人は生きて、いつかきっと死ぬ。
 人生とは、おびただしい死と向かい合うことだ。そこにこそ、自分が生きていることへの答えがある。
 では、生きているとは、今生きている、という事実だけをいうのだろうか。
 生きて死ぬことの先にあるものは、誰かの記憶の中に生き続けるということではないのか。」(138頁)

さだ氏が小説を書く意味は、唄やコンサートでもまだ伝えきれないこと、今の日本の人に伝えなければいけない言葉が、彼の内部から溢れ出てくるからなのだと、それを伝えるのが彼の使命なのだと、さだ氏自らが感じているからなのでしょう。

茨の木 (幻冬舎文庫)/さだ まさし

¥680
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副題:血と海の伝説
著者:森村誠一
発行:文藝春秋 / 1994年3月 / 文庫本
ジャンル:小説

今年2011年、日米開戦70周年を迎えました。
山本五十六・帝国海軍連合艦隊司令長官を題材にした映画も公開されています。
ミッドウェイも、山本司令長官が指揮された戦いです。

森村氏には反戦作家のイメージを持っていました。
『悪魔の飽食』シリーズは有名な作品ですので、興味のある方は手に取ってみてください。
ですがこの小説に限っては、戦争に巻き込まれていった若者の姿を軸にして、淡々とストーリイが展開されています。

この小説で描かれている若者とは、日本とアメリカ双方の若者です。
二人はそれぞれの背景を持ちながら、パイロットとなり、戦闘機に乗り込む運命となります。
この二人の青年と思いを寄せる幾人かの女性の存在、そしてミッドウェイ戦場で出会い、そして戦い、最後には共に、その命を散らします。
ミステリー作家としての森村文学ではなく、このような長編作品に触れてみるものよい機会だと思います。

終章として、森村氏の戦争への想いが記されています。
そこから、一節だけご紹介します。

「主人公は作者の創作であるが、ミッドウェイの海戦は史実に基づいて書いた。ただし作者が書きたかったものは「ミッドウェイ」の忠実な記録による再現ではなく、国家の目的によって個人の可能性を踏みつぶされた若者の無念さである。」(514頁)

ミッドウェイ (角川文庫)/森村 誠一

¥630
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副題:結果と行動を生み出す1枚のチャート
著者:神田昌典
発行:ダイヤモンド社 / 2009年6月 / 単行本
ジャンル:ビジネス、経営


カリスマ経営コンサルタント神田氏の新作ですが、アマゾンのレビューなどでは賛否両論真二つの話題作です。

[目次]

はじめに
第1章 見えない、触れられない、感じられない世界の中で
第2章 論理的に正しい提案は、なぜ実行されないのか?
第3章 営業せずとも顧客が集まる、五つの新原則
第4章 全脳思考モデル クイック・スタート
第5章 発想・行動・結果を生み出すストーリーの法則
第6章 行動するための、ロジカル思考とは?
第7章 行き詰りを突破するCPS(クリエイティブ・プロブレムソルビング)
第8章 社会変革のためのマーケティング


共感した箇所のご紹介です。
「われわれは、見えなくなる世界で、見えない顧客に対して、見えない商品を提供しはじめている。言い換えれば、ビジネスは、高度に抽象化された世界に、移行しようとしているのだ。そして、その変化に誰もが対応するよう求められている。」(12頁)

「私の見解では、情報社会とは、情報を収集・整理することが付加価値となる社会。それに対して知識社会とは、収集・整理された情報から生み出された新しい気づき・アイデアを実際に、行動に移すことが付加価値となる社会だ。」(28頁)

「問題に接したときに、解決へのアプローチ法 -何を、どの順番で、どのように考えるかという思考モデル- をあらかじめ持っている場合には慌てないですむ。たとえば、数学の問題を解くときに最初の一手を知っていれば、問題はスムーズに解ける。ところが、最初の一手が間違っていたら、何をやってもうまくいかず、ストレスばかりが鬱積する。」(39頁)

「営業にとっての第一段階は、顧客への丁寧なヒアリング。顧客が何を望んでいるのかを深く理解した結果としての、提案なのである。」(53頁)

「知識社会では、顧客に新しい世界を見せることができた先駆者は、常に語り継がれるブランドになる。そのためには、今存在するものと圧倒的に違うものをつくり出していかなければならない。ライバルに勝つという小さな競争ではなく、顧客のマインドを勝ち取るという大きな競争をしなければならないのだ。」(57頁)

「本来、思考と行動はコインの表と裏である。未来を明確にイメージできるほどに思考のクオリティが高まれば、行動しないほうが難しい。しかしながらビジネスが複雑化するにつれ、思考する人と行動する人が専門化した。その結果、思考が行動へと一貫して繋がるプロセスが断ち切られてしまった。」(79頁)

「(前略)消費者向け、法人向けの営業プロセスを詳細に検討しても、購入判断において、検索は極めて重要なポイントに位置づけられるようになっている。その理由は、広告宣伝や紹介によって注意を引かれる際には買い手はまだ受け身なのに対して、検索をする際は、自ら行動するはじめの一歩だからである。「購入に興味あります」と買い手が意思表明する瞬間が、まさに「検索」なのだ。」(96頁)

「人が集まる中核にあるもの –それは真空である。
 東京の中央に皇居があり、ニューヨークの中央にはセントラルパークがあり、ロンドンの中央にハイドパークがあるように、都会の喧騒が渦巻く中央には静寂をまとった真空がある。」(138頁)

「小説家がエンディングに向けて読者を引き込んでいく過程と、ビジネスパーソンが顧客のHAPPYに向けて顧客を巻き込んでいく過程は、-思い描く未来を実現するために事実を論理的に積み上げていくという意味で、まったく同じなのだ。」(232頁)

「3.社員にとって、物語のない仕事は機械的な指示・命令でしかない。記憶されず、意味もわからない。その結果、やる気を保つことができず、常に疲労感およびストレスにさいなまれる。一方、物語がある仕事に触れると、社員は「自分にとっての仕事の意味」を感じはじめる。会社における自分の場所が安定確保され、表情が変わる。やるべき作業を記憶し、自分にとって意味もわかるので、自主的に物語を推進しはじめる。」(241頁)

「このように仕事というのは、結果だけ出せばいいと思われているが、より深いレベルでは、一人ひとりの人間的な成長が試されている場なのである。仕事を通して人は成長しているという背景を理解すれば、プロジェクトが成功する過程では、問題は避けられないことがわかるだろう。そして、むしろ問題を避けてしまうことは、一人ひとりが成長する機会を奪ってしまうことであり、長期的に見れば、組織力、企業力が育たないことになる。」(253頁)

「サッカーの名将が、私に語ってくれたことを思い出す。
「ゲームの途中で、観客は絶望的になってブーイングを始めるのですが、そのとき、私はまったく気にしないのです。ネガティブな出来事が起こっても、『あれ、どうしてかな?』と思うだけです。『勝つことは決まっているのだから、シナリオを読み違えたのかな』と考えて、勝つまでのシナリオを調整するのですね」」(262頁)

「正しさは、人を傷つけるのである。」(324頁)

「空想は知識よりも重要である –このアインシュタインの言葉を引用する人は多い。」(407頁)

「人が集まる場には、そもそも場が持ったテーマがあり、そのテーマに共鳴した人たちが自然に集まってくると考えるのである。二〇〇万人が集まるその空間にこそ意味がある。二〇〇万人は自分の意思で集まったように見えるが、意思があるのは、その瞬間に出現する空間、すなわち場であり、二〇〇万人は、ただその場に、単に引き寄せられたと考えるのである。」(418頁)
→二〇〇万人ですが、バラク・フセイン・オバマ米大統領の就任演説が、本書では幾度と例として取り上げられていて、この数字もその日ワシントンD.C.に集まった人たちのことを指しています。


ご紹介してきましたが、本書の核となる部分は他にたくさんあります。450頁を超える大作ですが決して重い内容ばかりではありません2度3度読む価値は、あると思います。読んだ人の脳と行動に変化が起きるか否かは、その人次第だと感じます。



全脳思考/神田 昌典

¥2,100
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