副題:結果と行動を生み出す1枚のチャート
著者:神田昌典
発行:ダイヤモンド社 / 2009年6月 / 単行本
ジャンル:ビジネス、経営
カリスマ経営コンサルタント神田氏の新作ですが、アマゾンのレビューなどでは賛否両論真二つの話題作です。
[目次]
はじめに
第1章 見えない、触れられない、感じられない世界の中で
第2章 論理的に正しい提案は、なぜ実行されないのか?
第3章 営業せずとも顧客が集まる、五つの新原則
第4章 全脳思考モデル クイック・スタート
第5章 発想・行動・結果を生み出すストーリーの法則
第6章 行動するための、ロジカル思考とは?
第7章 行き詰りを突破するCPS(クリエイティブ・プロブレムソルビング)
第8章 社会変革のためのマーケティング
共感した箇所のご紹介です。
「われわれは、見えなくなる世界で、見えない顧客に対して、見えない商品を提供しはじめている。言い換えれば、ビジネスは、高度に抽象化された世界に、移行しようとしているのだ。そして、その変化に誰もが対応するよう求められている。」(12頁)
「私の見解では、情報社会とは、情報を収集・整理することが付加価値となる社会。それに対して知識社会とは、収集・整理された情報から生み出された新しい気づき・アイデアを実際に、行動に移すことが付加価値となる社会だ。」(28頁)
「問題に接したときに、解決へのアプローチ法 -何を、どの順番で、どのように考えるかという思考モデル- をあらかじめ持っている場合には慌てないですむ。たとえば、数学の問題を解くときに最初の一手を知っていれば、問題はスムーズに解ける。ところが、最初の一手が間違っていたら、何をやってもうまくいかず、ストレスばかりが鬱積する。」(39頁)
「営業にとっての第一段階は、顧客への丁寧なヒアリング。顧客が何を望んでいるのかを深く理解した結果としての、提案なのである。」(53頁)
「知識社会では、顧客に新しい世界を見せることができた先駆者は、常に語り継がれるブランドになる。そのためには、今存在するものと圧倒的に違うものをつくり出していかなければならない。ライバルに勝つという小さな競争ではなく、顧客のマインドを勝ち取るという大きな競争をしなければならないのだ。」(57頁)
「本来、思考と行動はコインの表と裏である。未来を明確にイメージできるほどに思考のクオリティが高まれば、行動しないほうが難しい。しかしながらビジネスが複雑化するにつれ、思考する人と行動する人が専門化した。その結果、思考が行動へと一貫して繋がるプロセスが断ち切られてしまった。」(79頁)
「(前略)消費者向け、法人向けの営業プロセスを詳細に検討しても、購入判断において、検索は極めて重要なポイントに位置づけられるようになっている。その理由は、広告宣伝や紹介によって注意を引かれる際には買い手はまだ受け身なのに対して、検索をする際は、自ら行動するはじめの一歩だからである。「購入に興味あります」と買い手が意思表明する瞬間が、まさに「検索」なのだ。」(96頁)
「人が集まる中核にあるもの –それは真空である。
東京の中央に皇居があり、ニューヨークの中央にはセントラルパークがあり、ロンドンの中央にハイドパークがあるように、都会の喧騒が渦巻く中央には静寂をまとった真空がある。」(138頁)
「小説家がエンディングに向けて読者を引き込んでいく過程と、ビジネスパーソンが顧客のHAPPYに向けて顧客を巻き込んでいく過程は、-思い描く未来を実現するために事実を論理的に積み上げていくという意味で、まったく同じなのだ。」(232頁)
「3.社員にとって、物語のない仕事は機械的な指示・命令でしかない。記憶されず、意味もわからない。その結果、やる気を保つことができず、常に疲労感およびストレスにさいなまれる。一方、物語がある仕事に触れると、社員は「自分にとっての仕事の意味」を感じはじめる。会社における自分の場所が安定確保され、表情が変わる。やるべき作業を記憶し、自分にとって意味もわかるので、自主的に物語を推進しはじめる。」(241頁)
「このように仕事というのは、結果だけ出せばいいと思われているが、より深いレベルでは、一人ひとりの人間的な成長が試されている場なのである。仕事を通して人は成長しているという背景を理解すれば、プロジェクトが成功する過程では、問題は避けられないことがわかるだろう。そして、むしろ問題を避けてしまうことは、一人ひとりが成長する機会を奪ってしまうことであり、長期的に見れば、組織力、企業力が育たないことになる。」(253頁)
「サッカーの名将が、私に語ってくれたことを思い出す。
「ゲームの途中で、観客は絶望的になってブーイングを始めるのですが、そのとき、私はまったく気にしないのです。ネガティブな出来事が起こっても、『あれ、どうしてかな?』と思うだけです。『勝つことは決まっているのだから、シナリオを読み違えたのかな』と考えて、勝つまでのシナリオを調整するのですね」」(262頁)
「正しさは、人を傷つけるのである。」(324頁)
「空想は知識よりも重要である –このアインシュタインの言葉を引用する人は多い。」(407頁)
「人が集まる場には、そもそも場が持ったテーマがあり、そのテーマに共鳴した人たちが自然に集まってくると考えるのである。二〇〇万人が集まるその空間にこそ意味がある。二〇〇万人は自分の意思で集まったように見えるが、意思があるのは、その瞬間に出現する空間、すなわち場であり、二〇〇万人は、ただその場に、単に引き寄せられたと考えるのである。」(418頁)
→二〇〇万人ですが、バラク・フセイン・オバマ米大統領の就任演説が、本書では幾度と例として取り上げられていて、この数字もその日ワシントンD.C.に集まった人たちのことを指しています。
ご紹介してきましたが、本書の核となる部分は他にたくさんあります。450頁を超える大作ですが決して重い内容ばかりではありません2度3度読む価値は、あると思います。読んだ人の脳と行動に変化が起きるか否かは、その人次第だと感じます。
全脳思考/神田 昌典

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