発行:講談社 / 2000年12月 / 単行本
ジャンル:小説
※第22回吉川英治文学新人賞受賞作品
著者は脚本家としても著名な野沢尚氏(1960-2004)。
有名なものでは、北野武氏の初監督作品(『その男、凶暴につき』(1989))の脚本を担当されています。
本作品は、野沢氏自身が脚本を書き、氏の死後、映画として完成・上映されています(2005年、月野木隆監督)。
この作品は、まず映画(DVD)を観てから、小説を読みました。
レンタル・ショップで手にとったのは全くの偶然で、予備知識もなし。
- 深紅 [DVD]/内山理名,水川あさみ,小日向文世

- ¥5,040
- Amazon.co.jp
映像を観て興味を持って本を読んだのですが、
文字を読み進む中で、映像がはめ込まれていく、という不思議な感覚を味わいました。
主人公である奏子の心の動きというのは、やはりある程度尺の決まった映像の中で表現してゆくのには、限界があったのではないかと。
それでも、成年期の奏子を演じた内山理名さんの演技は、大変よかったと思います。
物語は、ある一家惨殺事件がベースとなっています。
事件当日、修学旅行中で被害に遭わなかった小学生の長女(奏子)が、すでに大学生となった8年後、加害者の娘(未歩)の存在を知り、素性を隠して近づいてゆく・・・。奏子はPTSD(心的外傷後ストレス障害)に、対する未歩はDV(ドメスティック・バイオレンス)に苦しんでいるなどの設定も細やかです。
とても重いテーマに取り組んだ佳作ですが、ラストではそれほど重すぎない結末が用意されていますので、小説でも映画でも、お好きなほうで楽しんでみてはいかがでしょうか。- 深紅/野沢 尚

- ¥1,785
- Amazon.co.jp
- 深紅/野沢 尚