著者:司馬遼太郎
発行:文藝春秋 / 1997年 / 文庫本
ジャンル:歴史小説
徳川第15代将軍・徳川慶喜を題材にした歴史小説です。
98年のNHK大河ドラマ「徳川慶喜」の原作でもあります。
いささか改善されてはいますが、慶喜個人への評価は、決して高くないと思います。
ですが、あのタイミングで慶喜が大政奉還(1867年)を行わなければ、朝廷と幕府の戦いはもっと激しいものになっていたでしょう。
慶喜について本書では相当才覚のある人物として、描かれています。
しかし、彼は常に孤独な人でもありました。
それは彼の出自に拠るところが大きいのでしょうが、
幕末から明治における最重要人物の一人であったことには違いありません。
この本について述べますと、大変読みにくい印象を受けました。
司馬先生の作品としては、珍しく受けた感覚です。
そして、読み終えても、慶喜という人物を理解することはできませんでした。
司馬先生は坂本龍馬を主題にした『龍馬がゆく』の著者としても有名です。
その龍馬が、慶喜を評した言葉が印象的です。
ただ一人、この時代では龍馬のみが、慶喜その人を理解できたのでしょうか。
「大樹公(将軍)、今日の心中さこそと察し奉る。よくも断じ給へるものかな。よくも断じ給へるものかな。予、誓ってこの公のために一命を捨てん。」(279頁、解説より)
- 最後の将軍―徳川慶喜 (文春文庫)/司馬 遼太郎

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