著者:堀義人
発行:東洋経済新報社 / 2002年3月 / 単行本
ジャンル:ビジネス
グロービス代表の堀氏の著書です。
京都大学卒業後、住友商事入社、社内留学でハーバード・ビジネス・スクールへ留学、卒業後帰国、住友商事復帰、グロービス創業、そして10年の月日。
氏の半生を描いた自叙伝です。
[目次]
はじめに
第1章 ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)への留学
第2章 吾人の任務
第3章 創業と歴史
第4章 グロービス・ウェイ
第5章 MBAを創る
付録:コラム集
共感した箇所のご紹介です。
「HBSで一番びっくりするのが、ケース・メソッドという学習方法である。(中略)
ケース・メソッドとは、自らを経営者の立場におき、自らが分析し、戦略立案する手法である。ノウハウや知識を学ぶことだけでは習得できない「考える力」を養うことに主眼をおいている。教材は「ケース」と呼ばれる実際の企業事例である。ケースにはある企業のその時点での状況、たとえば会社の業績や、市場の動向、競合他社の状況などがありのままの事実として記述されている。(中略)
限られた情報しかない状況、情報が錯綜した状況でも、いかに仮説の構築と検証を行い、的確な分析と判断ができるかが問われ、試されるのだ。「自分たちがこのケースの主人公ならどういう意思決定をするか」をテーマに経営環境を分析し、どのような戦略をとるべきかについてディスカッションしていくスタイルである。」(17頁)
「僕はこのケースを通して、さまざまなことを学んだ。次々に出てくる経営の危機。それに冷静に対処する経営チーム。常に経営環境を的確に分析し、行動計画のオプションを挙げて、意思決定して、詳細な計画を立案する。それらをチーム間で役割分担する。常に自らの意思決定が間違っている可能性と、自らの考え通りに進まないリスクに対して、コンティンジェンシー・プラン(代替オプション)を用意する保守的な心構え。成功への強い意志。チームスピリット。」(28頁)
「「サービス保証」という制度も導入した。つまり、受講生が修了基準に見合う出席(3分の2以上出席、2回レポート提出)をしたにもかかわらず、期待にそった効果が得られなかったと受講生が判断したら、無条件で受講料相当額を返済するという制度だ。」(77頁)
「グロービスに多少関わった多くの人が、僕に言うには、「グロービスっていい意味で青臭いね」である。何人かに同じことを言われた。どうやら理想に突き進んでいく姿が青臭いらしい。確かに僕らは青臭いのだとも思う。」(115頁)
「グロービスで要求される時間管理というのは、チャイムが鳴るまでに席に着くようにとか、1分でも遅刻たら叱られるという次元とは違う。一番重要視されるのが、自らの健康管理をしながらも、アウトプットを最大化させて、他人に迷惑をかけない時間管理である。
一番問題なのは、やると言ったのに期限までに終わらない、ミーティングの時間に遅刻するなど、他の人に迷惑をかけることである。アウトプットが期限どおりにできなかったりすると、その時間掛ける人数分の時間が浪費される。それが一番大きな資源の浪費である。」(129頁)
「休みも自分で管理して、仕事のアウトプットも自分で管理する。当然健康の管理もして、家族も大切にしてほしいと思っている。それでもきちんとグロービスの業務が回転するように頭を使って設計するのが経営者の役割だと思う。タイムマネジメントとは、自らの健康管理、ファミリーサービスも含めて、アウトプットの最大化をはかるということである。」(130頁)
「僕は常日ごろから「自らの内にあるエネルギーを爆発させる」と言っている。一番重要なのは、自分がやりたいと思う気持ちを爆発させることである。自らが楽しいと思うことをワクワクしながら考えて、自主的に行動する。上長は、そのエネルギーを会社のビジョン、戦略に従って、後押しをする。そうすると個人エネルギーが組織のエネルギーとなって、前向きでポジティブな会社となる。」(132頁)
自分が何をやりたいのか、これを捜し求める堀氏の苦悩が、第2章で描かれています。
HBSから戻った後の商社での”逆カルチャーショック”など、読みものとしては興味深いです。
ただ後半の、グロービス創業後の部分は、この会社に興味がある方が読めばよいでしょう。
ぼくは大学一年の時に、住友商事出身の国際ビジネスマンで何十年と海外を飛び回って活躍され、その後教授として学問ではない”ビジネス”を教えて下さる方に出会いました。
その方のご著書と比較してはいけないのですが、堀氏のこの本は残念ですが、物足りなさを感じました。
追記:昨年10月に大阪で受けたセミナーで話されたことは、すべてこの本に書かれていました。
事実、受講生向けの無料セミナーが一般に公開されたというセミナーのスタイルでした。
その面では、この本が販売されていたことは、戦術として正しいのでしょう。
グロービスという会社、そして経営大学院というものが、日本でどのように評価されているか、ぼくには体感できません。
ですので、あくまで氏個人の印象と、彼が描く自身の任務とは何か、ということに絞って読んでみたつもりです。
グロービスをもっと知ることで、また違う読み方もできるかもしれません。
思い出すのは、堀氏ご自身の印象です。
もっと若くエネルギッシュな方を想像していましたが、確かに若いのですが、スマートな紳士という印象でした。
吾人の任務 MBAに学び、MBAを創る/堀 義人

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