発行:新潮社(新潮新書)/2006年
ジャンル:日本再発見、教育
ご存じ歌手であり、最近では作家としても活躍の万能唄い手、さだまさしさんの日本への篤い気持ちが書かれた本です。
20年間、広島の日に長崎で唄い続けてきた、彼の想いも綴られています。
そのバトンは、石垣島出身のBEGINの皆さんがつないでくれているようですね。
[目次]
はじめに
第1部 生命の行方
第1章 「生命」は誰のものか?
第2章 家族が壊れたのはなぜか?
第3章 子育ては国育て
第2部 心の在処
第4章 神さまは本当にいますか?と聞かれたら
第5章 教育とは何だろう?
第3部 情の構造
第6章 「惜しまない」から始めよう
第7章 コミュニケーション不全への処方箋
第4部 義の崩壊
第8章 二束三文の正義
第9章 想像力はどこへ行った?
第10章 徴兵を許すのは誰か?
第5部 時間の秘密
第11章 未来はどこに続くか
さださんが、「美しい」日本を愛するからこそ投げかける、熱い言葉の数々を紹介します。
「この国がどんどん魅力を失いつつある理由について、考えることが多くなりました。国の魅力とは、実はその国に住む「人の魅力」ではないかと思うのです。この国に暮らす人々が魅力的であれば国そのものが魅力的になりますし、人々に魅力がなければ国にも魅力がなくなります。つまり「国は人」といえるかもしれません。」(25頁)
「もしかしたら若い世代は、「抱きしめてくれる」という親の愛に飢えているのかもしれない。「抱きしめられる」という安心を求めているのかもしれない。(中略) 今こそ子供たちを強く抱きしめてあげて欲しい、と願います。親の一番の仕事は子供を愛することと、それを子供に伝えることなのですから。」(32頁)
「「勝ち組・負け組」という無慈悲で差別感のある言葉が違和感なく社会に拡がる様を見れば、まさに「自分さえよければ」という「社会」の底をはっきりと覗く気がします。(中略) どれほど日当たりが良く豊かな場所で暮らしていても、心にとげが刺さったようなきまりの悪い思いで過ごしている限り、人は不満顔になります。笑顔が曇るのです。」(41頁)
「また職人になることは格別大変なことではありません。日本の「職人の世界」はかなり洗練され、システマティックに完成されていますから、多くの「職人」は「才能不要」と答えます。誰でもある程度我慢して習い、続けて努力してコツを覚えれば、凡人でも「職人」になれるのだと言います。(中略) 専門職というシステムが洗練され、細やかに伝承されてきたことによって、受け継ぐ者の「気持ち」さえあれば、才能とは無関係に誰でも一人前になれる「段取り」を職業が培ってきたというのです。」(57頁)
「生まれてきた以上、おまえが何者かを確かな刀で大地に刻んで死ね。それに価値があるか無いかは自分で判断するな、後世の評価に任せろ。親が子供に伝えるのはそれだけでいい、と思います。」(58頁)
→さださんの「マグリットの石」という名曲を連想しました。
「子供が悪さをして「叱られる」と身構えているときにどれほど叱っても無意味です。それは「本人が分かっていることを偉そうになぞる」だけなのです。一番効くのは「ばれていないだろう」と高をくくっている悪さを発見して、いきなり首根っこを押さえつけることです。そのことによって、子供は自分の心との落差に向かい合います。」(61頁)
「ぼくはこの十年以上、ずっとコンサートで訴え続けてきました。「日本人が日本語が下手になったら、この国は終わる」と。」(85頁)
「今の日本人に一番欠けてる言葉は、「惜しまない」ではないかと思う。みんな、何故色んなことを惜しむんでしょう。」(110頁)
「もちろん、惜しまないでいるのはとても大変です。とにかく出し続けるわけですから。いつも自転車操業のようになる。常に仕入れないと新しいものを出せないので、敏感なアンテナが必要だし、いつでも勉強なんだという緊張感を持ち続けないといけない。もっとも惜しまないという以前に、自分の「全力」とはどのくらいかを自分で知っているのかな、と疑問に思ってしまうような人もいますね。」(113頁)
「自分は恥をかいたけれども、しかるべきときに堂々と頭を下げられた。オレはきちんと謝罪ができるんだ、と思うのと、ああ、誤っておけばよかったな、つまらない意地張っちゃったな、と思いながら過ごすのと、どっちが心の財産になるでしょう。」(116頁)
「我々人類共有の財産として、使っても減らないものが二つあるんです。そしてそれは、産まれたときに赤ん坊が両の掌で握りしめてきたものでもあります。「勇気」と「元気」です。(中略) 「勇気」と「元気」は減らないだけじゃなく、使えば使うほど増えるんですから。」(118頁)
「日本は本来感謝の国だったはずです。生かされている感謝、目の前に食べ物がある感謝、今ここに雨が降ってくれる感謝、ここで火が燃えていてくれる感謝、この服を着ていられる感謝、服を作ってくれた人に対する感謝・・・といった具合に。」(160頁)
「国際人というのは、外国語が堪能な人だと勘違いされているみたいですが、全然違う。日本という国と文化をきちんと外国に説明できるのが国際人です。(中略) 残念ですが、英語が喋れるというだけで、日本のこともよく知らず、日本語の下手な日本人が多すぎる。」(177頁)
「ネイティブ・アメリカンのナホバ族に伝わる言葉に、こんなものがあります。「地球環境は先祖から受け継いだものではなく、子孫から借りているものである。」」(191頁)
さださんの音楽を聴き始めたのは、受験生の頃でした。実は音楽から入ったのではなく、当時大阪・MBS毎日放送で放送されていた、ラジオ番組がきっかけでした。
唄に関しては、最初は彼の唄は暗い、というイメージがあったのですが、実はそうではないことを知りました。
さださんの本気が、少しでも伝われば良いなと思います。
参考にマグリットとは、「イメージの魔術師」と呼ばれるベルギーの画家、ルネ・マグリットのことです。
- 本気で言いたいことがある (新潮新書)/さだ まさし
- ¥735
- Amazon.co.jp
生かして頂いて、ありがとう御座位ます。
最後に、あなたの貴重な"数分"を募金のために使わせてください。
☆クリック募金★
http://www.dff.jp/
http://clickbokin.ekokoro.jp/
ありがとうございます