私が子供の頃
まだ北海道の中央部と
北九州たりには
たくさんの炭鉱があった
今や火力発電くらいにしか
使わないであろう石炭も
その当時は学校や家庭の
日々の暖房につかうものとして
当たり前のように家にあった
我が家も石炭小屋と称して
燃料手当が石炭の現物支給で
配られてきていつも雪のチラつく中
石炭を取りに行っていた
そして時々テレビで
炭鉱の事故が報じられると
坑内から担ぎ刺される遺体に
取りすがって泣く家族の姿に
子供ながらにかわいそうだと思ったものだ
学生の頃
北海道の炭鉱町の近くに
住むことになった私は
単発のアルバイトで炭住(炭鉱住宅)を
尋ね歩いて選挙のアンケートを
10件とるというバイトをしたことがある
簡単に考えていた私だったが
いざ尋ねてみると炭鉱の人は
ほとんどが深夜の作業で
朝帰ってきて日中は寝ている
という生活パターンだと知り
大変な思いをした
きれいな海が見える場所で
結婚式を挙げ 好きな人に告白をし
炭住では子供が生まれる
何と平和なやさしい穏やかなシーン
ラブストーリーは視聴率がよくないらしい
物語もちょうど折り返し
たぶんこの幸せなシーンが
ラストまで訪れることはないだろう
(幸せはくることなくラストになってしまうかもしれない)
たぶん私が想像した通りに
物語が進むのだとしたら
これから待っているのは地獄である
どうしようもない 夢も希望もない
残酷な現実である
いづみさんが船の中で
崩れ落ちて号泣した姿が
それを物語っている
一瞬の幸せのなんとはかないことか
あと3回(だろうか)
旨がつぶれて号泣しないように
端島の行く末を
心してみることにします