その人を初めて知ったのは


ナックスのモーリーダー(森崎博之)が


彼について熱く語っていた


同じ道南の人ということもあって


親近感もあり その人の名前が出ると


つい目をとめてしまう そんな人でした

 

 

彼のやっていることが


無謀であることはわかっているつもりでした


空気の薄い高山でボンベもつけずに


昇ることは死と隣り合わせだと


無理だと思ったら 戻って来いよ


たぶん仲間も家族も


そして何より彼自身が一番わかっている


そう思っていました


カメラ片手に私たちの代わりに


その頂からの景色を見せてくれる


たぶんどんな高名な登山家の方でも


やらないことを彼はやりぬこうとしていました

 

 


でも彼は生きて帰ってきませんでした


死んでもなお 彼を責め続けるコメントは止みません


あんなの登山家じゃない・・


そう彼は登山家なんかじゃなかった


スポーツのように装備万全で


誰かが昇ればそれが自分のステイタスみたいな


チームはあっても最後は1人の山の愛好家

 

 

 

 

1953年に初めて人類が


エベレスト登頂に成功したとき


(ネパール出身のシェルパの方だったそうですが)


ボンベはあったのか最新鋭の機材はあったのか


それでも人は世界一の頂上にたどり着いた

 

 

 

 

結局 彼はそのこだわりゆえに


命を落としました


でも彼は何の後悔もなかったのではないか


個人的にはそう思います


一歩家を出た時から


二度と帰らないかもしれないという


覚悟をもって進んできた道です

 

 

 

 

技術も必要 でも心も必要


そこに山があるから


彼は登り続けた


モーリーダーの言葉を借りれば


彼はエベレストより高いところにある


星になった

 

 

 

 

合掌