小学校1年のとき
2時間目も中ほどだったろうか
木造校舎のガラスが
突然ガタガタし始めて
地震が起きた
なぜそうすることを
覚えていたかはわからないが
とにかくみんな机の下に隠れた
ガラスは次々割れたり
ひびが入ったりして
泣いている子もいた
となりのクラスの男の先生が
自分の生徒を引率しながら
うちの担任(たぶん1年目の女の先生)に
大きな声で指示しながら
教室を出てすぐの非常口から外へ出た
その時私の隣に座っていた子が
いないのに気がついた
そのこは靴が片方脱げたので戻ったのだ
男の先生はすぐに校舎に戻って
そのこを抱きかかえるようにして
出てきた
そのこは泣いていた
片足から血が出ていた
家の湯沸し(今で言う給湯器のようなもの)が
ひっくり返り
後に弟の母校になる大学は
餅のようにペシャンコになり
4階建てが平屋のコンクリートの
塊りと化していた
あれから何十年たっても
こうして覚えているあの日の記憶
ここ数日続く余震
うちの甥っ子ちゃんたちも
何十年たっても
この記憶をとどめることになるのだろうか
今日 福島と仙台に
桜前線が到着したそうだ
時に記憶の差し替え
ということがあると聞く
せめて 被災した皆さんの
恐ろしい水の記憶と桜の記憶が
差し替えられたらいいのに