とまり木は
鳥が止まるのを
待って過ごす
鳥は
空を飛びたいと
願って過ごす
一つのかごに
二つの夢が背中合わせで
棲んでいる
とまり木は
そんな鳥の悲しみを
受けとめるために
体を堅くしている
鳥が空を飛んだら
かごに残った悲しみで
溺れてしまうかもしれないのに
とまり木は
鳥の自由を喜び
あてのない
ただの木に還る
それでも 空の先に
昔の形のままで
とまり木は待ち続ける
とまり木の空は
どこにあるのだろうか