冷たい手手が笑った ゆっくりと左右に揺れて 離れがたい日差しの午後 でも その手が冷たいことを 知った日から 私は時間を浪費して あなたのぬくもりを 奪っていたのかもしれない 触れてしまった あなたの夕暮れに 気づかぬふりをして おろした手に 行き場のないことを あなたは知っているにちがいない あなたの心のくぼみに もう一度触れられたら ぎゅっと握って訊ねてみよう あとどれくらい笑って いられるのかと