久しぶりに映画を見に行きました。役所広司の「Perfect Days」。  

 

シニア割引の証明にと免許証を出しやすいようカードケースに忍ばせて出かけたところ、平日だというのに窓口には長蛇の列。座れないかと思いました。順番が廻ってきて、すんなり発券してもらい、今日はレディースデイだと判明。おばさん、おばあさんたちが多かったです。

 

主人公の平山の一日一日を追っていくのですが、冒頭、仕事先へ向かう車の中で、カセットを取り出して流れた曲が、「朝日の当たる家」でした。もうここで、平山が只者ではないということが強烈に印象づけられました。英語ペラペラの元商社マンだったのではと思ったほどです。

 

小料理屋のママの石川さゆりが、お客のリクエストで歌うのも同じ「朝日の当たる家」でした。心に染み込んで涙がでました。

 

大事件が起きるわけではない、追われるわけではない、仕返しするわけでもない、日々の出来事に笑ったり困ったり、助けたり助けられたりしながら一日が終わり、平山も文庫本を閉じてメガネを外して眠りにつくのです。そしていつも通り、道を掃除する箒の音で目を覚ますのです。

 

なぜパーフェクトっていうのかなと思ったのですが、それは、世の中、不完全な人たちが重なったり補ったりしながら、ひとつの世界や日常を構成しているっていうことかなと思いました。

 

座席の前のカウンターに書いてあったメッセージ

 

 

 

特別でなくても

輝いてなくても

完璧でなくても

 

丁寧に心を尽くして生きていきたい。