詩を食す
一字一句 咀嚼す
腹はふくれない
満たされぬまま この食事はつづく どこまでもつづく
ハラはふくれない いつまでもふくれない
そのうち
噛むことに飽き疲れた
そんなとき ひとくちコーヒーをふくむと
不思議にほんのすこし疲れが和らいだ
また 食事をつづける
どこまでも いつまでも このまま永遠にだろうか
ある日、庭のスイセンが花を咲かせた
腹はふくれない
見上げると真っ青な空にゆったり横たわる雲
草花をゆらす風
蝶が花が軽やかに踊る
ハラはふくれない
相変わらず食事をつづける
ある日、庭の草花は枯れ
真っ黒な空落ちてきた 蝶もいない
ハラはふくれない
それでも食事をつづける
きょう、庭の花が咲いた
青い空に見守られながら
とてもやさしい風が吹いている
蝶も楽しそうに舞っている
なぜだろ
目から泪があふれ
胸がいっぱいになる
ハラはふくれないのに
胸がいっぱいになる
たくさんたくさん
いっぱいいっぱい
満たされている
そうして また 食事はつづく
雷人