部屋にあるカレンダーを揺らし、
読みかけの小説のページをめくり、
ストライプのシャツを躍らせる。
そんな春の風を感じたときなんだかちょっと優しくなったような気がした。
昨日の自分よりほんの少し。
いつもの朝だけど
いつも通る道だけど
いつも会う人だけど
それぞれのシーンが
とってもやわらかく感じられる
心がふわふわしてる
ただそんな気がしてるだけかもしれないけど
春に吹く風には
幸せを運ぶ魔力があるんだろうか
夢や希望を抱いて
それが叶わぬことであっても
風がそっと吹き抜ける
どんなに苦しくて
くじけそうになっても
風が頬をなでる
それだけで
あなたは
全ての扉を開け
包み込んでくれる
熊木杏里 / 春の風