映画レビュー | ライジング

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脈略のない乱文・乱筆の嵐.....そう雷神goo

いよいよ暮れも押し迫ってきました。

とはいってもまだまだあったかいですね。スキーシーズンだというのに、雪が降らなくて経営者もスキーヤーやスノーボダーもヤキモキといったところでしょうか。それにしても、12月も後半に入って、例年こんなにあったかかったかなぁと、ついつい温暖化を疑ってしまいますが、これが結構的を得てたりしそうなのが悲しい。


それはそうと、映画のレビューが中途半端になっていた記事を消すのももったいないのでまとめてアップすることにしました。


『レッドクリフ part1』



今やアクション系の作品ではハリウッドでも第一人者となったジョン・ウー監督の最新作。

ゲーム、人形劇、マンガ、書籍などあらゆるジャンルで今なお生き続ける”三国志”の物語。日本で、中国の歴史といえば、真っ先に"三国志"を思いだすくらいメジャーとなっている馴染み深いというかすごく魅力ある題材で、今回は、三国志の中でも最大のクライマックスとなる”赤壁の戦い”に焦点をあて、英勇達のガチンコ勝負を描いています。


広大な土地に人馬、武器がぶつかり合う姿は迫力満点。

ふんだんにCGを使って、三国志の規格外のスケールを存分に描いています。中でも戦の陣形"八卦の陣"は美しいほどです。


俳優陣はウォン・カーウァイ監督作品でもお馴染みのトニー・レオン、金城武のツートップという布陣で、孫権役のチャン・チェン、孫尚香役のヴィッキー・チャオと今作で俳優デビューとなった小喬役のリン・チーリン。

トニー・レオンの周瑜は自分が持っていたイメージとちょっと違ったのですが、軍師らしい堂々とした演技はさすがと思いました。孔明役の金城武、これもちょっとイメージが若干違ったんですが、彼ももうベテラン、卒なく孔明をこなしていましたが、どちらかというとトニー・レオンのほうが孔明って感じがしたりします。

それとこの作品で一番目を引いたのがリン・チーリンです。彼女の演じた小喬は姉とともに絶世の美女とされていますが、まさにど真ん中の美しさで、中国の女優さんの懐の深さを知ることになりました(ちなみに彼女は台湾出身のモデルさんなんですね)。


この作品の上手いところは、三国志の醍醐味である豊富な人材を絞り込み、ストーリーもプロローグでの説明を入れ展開も複雑になりすぎないように分かりやすく描いたところに成功の一端を見たように思います。

それと、細かなところに気を配って人物設定がされているところにジョン・ウーのエンターテナーたる部分を感じました。(周瑜が地獄耳だったとか音楽に精通していたとか、張飛は大声だったとか)


ただ、この作品いろいろと突っ込みどころが満載なのも見逃せません。

三国志演義から乖離してる部分や話が前後したりしてて、アレって感じのところが随所にあって別の意味でおもしろかったですね。

あと、どうも気になったのが、劉備役です。人の良いおっちゃんって感じでかなり浮いていたように思います(漢王の末裔だし、もちょっと気品有る武将って感じがよかったような・・・)

そういう部分を差し引いても、十分楽しめる次のパート2が待ち遠しい作品であることは間違いないです。



『私は貝になりたい』


ライジング-私ハ貝になりたい

主演のSMAP中居くん、これでもかってくらいにあらゆるメディアに出てで宣伝しまくってましたね。


その清水豊松を演じた中居くんは頭を丸め、体重も落とし満身創痍で挑んだこの作品は、日本の美しい四季の彩りとは裏腹にどんどん不条理の渦に呑みこまれていく戦争が生んだ悲劇です。


豊松の心の変化、絶望から希望、希望から絶望へと移り行くあまりに過酷で悲惨な心情を見事に演じきった中居くんはほんと素晴らしかった。

そして、その豊松の無実を訴えるために店を1人で守りながら献身的に活動する房江(仲間由紀恵)の姿に心打たれました。

それと印象に残ったのが、大西三郎役の草薙剛、矢野中将役の石坂浩二の両名でした。

大西三郎(草薙剛)が発する「嫌な時代に生まれて嫌な事をしたものです」という言葉にはたくさんの思いが詰まっていて胸を締め付け、又、矢野中将(石坂浩二)が発した、上官である自分1人の責任であって部下には何の罪もないことを訴え、戦争アメリカ軍がハーグ条約を破って軍需工場や軍事施設以外の民家を爆撃し、原爆まで投下したことを非難する下りはとても実直で、潔い、覚悟のできた発言に感服しました(実際、このハーグ条約はいまなお破られ続けています)。


戦争に勝者は居ない。戦争で誰も幸せにならない。そんなことをしみじみ思わせてくれる深い作品です。たぶん、戦後生まれで戦争の過酷さ恐ろしさを知らない自分らにとって、こういう作品を観てもどこか遠い昔で漠然と分かったような気になってるだけだろうと思います。でも、知ることは大事です。あの時、何があったかを日本国民として知らねばならないんですよね。


『その日のまえに』


ライジング-その日のまえに


ここ最近ほんとに多くなった余命少ない主人公をめぐるお話。この作品もそうですが、残りの人生をどう生きるか、周りの家族や友人はどう受け止めるか。その部分をどういうふうに描くかというところが最大のテーマでありますが、さすがは大林宣彦監督という演出でした。


原作は重松清さんの同盟小説ですが、ちょこっと立ち読みした程度で、ちゃんと読んでませんが、大筋はそのままなんですが、宮沢賢治をシンクロさせファンタジーで色づけしたやわらかな感じの作品になっています。


実をいうと永作博美と原田夏希が出てたからという理由だけで鑑賞を決め、正直、作品自体はあんまり期待してなかったんですが・・・(失礼極まりない発言ですネ)。


やっぱり永作博美は良かったです。っていうか、彼女の際立っていました。演技が演技に見えてこないんですね。どっぷり感情移入してしまって、後半のほうは彼女を見るたび彼女がしゃべるたびに涙が出て困りました(今年一番泣いた様に思います)。原田夏希は、前作の”イエスタデイズ”がとっても良くて、彼女の透明さに惹かれて今作も期待してましたが、脇なので出番が少なかったのですが、存在感はバッチリでした。

あと夫役のウンナンの南ちゃんはお世辞にも上手いとは言えないですが、どこか朴とつとした普通さが逆に味となってて永作博美とうまく絡んだように思います。


この作品も突っ込みどころは満載なんですが、それをひとつひとつ指摘したところでそれは個人の見解によりますし、自分の中で消化すればいいかなって思ってあえて詳細を書くのは控えます。


音楽は、宮沢賢治の「永訣の朝 抄」に曲を付けたクラムボンの歌はとっても物悲しくて哀愁漂う良い歌でした。原田夏希とクラムボンの原田郁子が歌っています。


きっとこの作品は好みがかなり分かれると思います。何度も繰り返される場面や音楽に退屈をするか、その意味を自分なりに受け止められるか、これが最大のキーポイントですね。