タイトルや予告から、同時期に上映してる作品に比べるとかなり軽くて薄っぺらな感じがしますが、なかなかにおもしろい作品でかなり楽しめましたぁ(何箇所か、笑いを堪えるのに苦慮したぐらいでした)。
ハンサムとぶさいくの両極をテーマに人の持つ本音と建前、裏と表、誰もが抱くコンプレックスとの戦いなどいろんな要素がギュッと詰まった作品に仕上げています。
「人は顔じゃない、心だ」なんて言いますが、容姿の良し悪しが社会の中で少なからず有利不利を生んでいるのは疑いようもなく、こうした個人の抱えている問題をコミカル且つ真剣に取り上げていることは「実に興味深い」です(ガリレオ風に)。
この物語の原作、脚本は、今作に出演している森三中の大島の夫で放送作家をしている鈴木おさむで、今や超売れっ子の放送作家&タレントです。さすがに笑いのツボを心得ていて、ストーリー展開の中での強弱や押し引きが上手いなぁって感心させられます。
監督の英勉は失礼ながらまったくの知識がなく初めての鑑賞となりましたが、脚本の良さ、キャストの個性を上手く映像に出せていたように思います。これからの活躍が期待されるところです。
キャストには以外にも今作が初主演となる谷原章介とドランクドラゴンの塚地。谷原章介はTVに映画にと引っ張りダコで、二枚目もコミカルも何でもこなせるオールラウンダーですね。塚地も芸人の枠を超え、持って生まれたセンスを開花させて「間宮兄弟」「キサラギ」とどんどんステップアップしていますね。
ヒロインの北川景子は「モップガール」を見て依頼、個人的に注目している女優さんになりました。今作ではピュアな可愛い女性を演じていますが、ちょっとコミカルな部分が少なかったのが残念ではありました。
その他のキャストでは、森三中の大島がとってもよかったです。ぶさいくな娘という役柄ではありますが、前向きでとっても心のキレイな人は可愛く見えるんだなって思わせてくれます(鈴木おさむさんもそんなところに惚れたのかな)。
ブラザー・トムもいい味出してましたし、佐田真由美は、トップモデルとしてのオーラがムンムン出ていてとってもよかったです。
同じ類の作品に『ナッティプロフェッサー』や最近では『カンナさん大成功です』なんかの作品がありますが、この手の作品は、やっぱり好き嫌いが大きく分かれるように思います。
なんてったって、基本は、DMC(デトロイト・メタル・シティ)同様に頭空っぽにして大いに楽しじゃおうって感じですから。そんな中にも、ちゃんとしんみりする場面もあったりして、しっかりエンターテイナーな作品となっています。なので、デートにもいいですし、ラブコメやお笑い好きにはお勧めですね。
それとこの作品の主題歌になってる「マイレボリューション」。今聴いても色褪せない名曲ですが、劇中では80年代、90年代のJ-POPが随所に散りばめられていて、30代、40代にはたまらない演出になっています。
最近はほんと日本映画が元気ですが、なんだか量産体勢に入ってるがごとく次から次に新作が大量に上映されていますね。たくさんの作品が生まれて活性化するのは良いんですが、日本映画も洋画同様、決して興収的には喜んでいられないという現状があるようです。でも、質のよい作品を作れば必ず見てくれるはずです。どの作品もそれぞれに思い入れが詰まった力作ではあると思いますが、いつも高い理想のもとで作品作りをしてもらえたらなぁって思います。
今度、「洋服の青山」に行ったら「ハンサムスーツ」を試着してみようと思います。
