『イキガミ』
少し前に盗作問題が話題になりましたが、ここではそういうことは横へ置いておきます。
まずこの話の設定がぶっ飛んでますね。"国家繁栄維持法"なる国の法律で、無作為に選ばれた18歳から24歳までの若者を殺すことで、"生命の価値"を高め、生産性を向上させるなんて、普通ではありえない世界です。
原作は人気コミックだそうですが、まったく読んだことありません。最近はコミックが原作の映画化、ドラマ化が目立ちますが、作る側にとっては、この奇抜でエキセントリックな内容はかなり魅力的なんでしょうね。
ともすると、フジテレビの「世にも奇妙な物語」を思わせそうですが、ストーリーがしっかりしていて、キャスト陣もとてもよかったです。見ていて違和感を感じずスーッとこの作品世界に入っていくことができました。
イキガミ(死亡予告通知書)を受け取る3人の若者のそれぞれのストーリーがオムニバスのような形で展開されます。24時間という死亡宣告を受けた3者3様のドラマが悲しく切ないです。
監督は瀧本智行。失礼ながら知りませんでした。ネットで調べたら、2004年に「樹の海」で監督デビューされて、今作が3作目なんですね。
そして、キャスト陣ではまずは松田翔太。最近、TVドラマで彼をよく見るようになって、自分の中では瑛太とともに大注目している俳優さんの一人です。篤姫もそうですが、じっくり落ち着いたシリアスな演技もなかなかだなぁ~って思いました。さすが松田優作のDNAを受け継いでいますね。
2人目のイキガミを受け取る田辺翼役の金井勇太、その友人で森尾秀和役の塚本高史のバンドコンビはベストキャストだと思いました。
また、3人目のイキガミを受ける飯塚さとし役の山田孝之とその妹役の成海璃子の話はこの作品の一番ウリな場面で特に良いです。特に久しぶりに見た山田孝之の"いい加減で嘘つきでだらしないんだけど誰よりも妹想いな兄"という役はとびっきり上手いなぁって思いました。そしてその兄を慕う純粋な妹役の成海璃子もいつもながら素晴らしい。
さらに、柄本明、笹野高史という脇のスペシャリストがガッチリ作品を引き締めているところも見逃せないです。
それと音楽ですが2人目のエピソードにも使われている、主題歌、
PhilHarmoUniQueが歌う「みちしるべ」はかなりよかったです。
PhilHarmoUniQue : みちしるべ
ある日突然、"あなたの命はあと24時間です"って言われたら残された時間を自分はどう過ごすんだろう。そんなことをふと考えましたが、この作品のようにドラマチックな最期をおくれるとは到底思えない気がします。
