『Into The Wild』
実話をもとに俳優ショーン・ペンが監督・脚本した作品。
エンドロールが流れ終わり、劇場を後にしても、MAXになった鼓動がなかなか静まりませんでした。これぞ"傑作"と言わしめる溢れるパワーを感じる作品に出会えたことに感謝です。そして、とにかくショーン・ペンはすごい映画を撮ったもんだなぁって思いました。
まったく何の不自由もない裕福な家庭で大学の成績も優秀。明るい未来への道筋は付いているはずなのに何もかも捨て自分らしく生きるための旅に出ます。
決してハッピーエンドとはいえないこの作品ですが、常に前向きで真っ直ぐで潔い様がまったくジメっとした感覚を持たせません。逆に主人公や旅の途上で出会う人やモノにどんどん惹きつけられれていきます。
幸せってなんだろう
自由ってなんだろう
自分らしくあるってなんだろう
いろんなことを大いに考えさせてくれます。
人の数だけ幸せや自由や自分らしさの定義ってあると思いますが、そんな定義のひとつであるこの作品を見せられて改めて自分に問いかけらているような気がします。
また、この作品はとてもリアルを追求している故に目を背けたくなるような生々しい場面も出てきます。雄大で美しい自然も見せてくれますし、容赦なく襲いかかる厳しい自然の姿も見せてくれます。
そして、そんな凄い作品の主演をつとめたエミール・ハーシュがとてもよかったです。原作のイメージはどうなのか分かりませんが、原作の主人公本人のドキュメントを見るようで見事の一言。彼はこの作品で18kgの減量をしたそうで、彼の痛々しい姿、形相は磔刑に処せられたキリストのようでした。ここまでリアルを突き詰めるのかと驚きましたが、監督や俳優の執念のようなものを見る思いでした。
音楽はパール・ジャムのエディ・ヴェダー。彼の『ギャランティード(Guaranteed)』を始め、 この作品のもうひとつの魅力は音楽にあると思います。いろんな場面に挿入される楽曲が作品をより一層魅力あるものにしています。
この作品のもとになったジョン・クラカワーが書いた『荒野へ』は是非読んでみたいと思っています。