本『オンチの葉っぱ ららららら』&『俳句ステップ!』&「俳句をつくろう』 | かわのむつみ(河野睦美)ブログ〈折々の記〉

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塾講師のかたわら、童話創作。「やまのうえのともだち」で、小学館おひさま大賞。日本児童文学者協会会員。作品に「こぶたのタミー」シリーズなど。

おおぎやなぎちかさんのご本、三冊をご紹介

『オンチの葉っぱららららら♪』(文研出版)は、歌の得意な2年生の女の子、しおりが、主人公。

音楽の時間、ともだちに、

「しおりちゃん、かぜひいた?」「めっちゃ、オンチだったよ!」

と言われます。

きゅうにオンチになっちゃったなんて、なぜ?

もしかして、きのうキツネの木のそばで、お姉さんにもらった葉っばのせい? 

しおりは、おもわず、その葉っぱを、同じクラスのまこちゃんの机の上に…。

すると…。まこちゃんも、○○オンチに! 

なるほど、オンチはオンチでも、いろんなオンチがあるんだなあ~と、

そのユニークな発想に、驚き。

つぎは、だれが、いったいどんなオンチに? ラストはどうなるの?

子どもたちが楽しめることまちがいなしの1冊です。

 

 

俳人でもある、おおぎやなぎさんは、

かわせみ句会という俳句の会を主催されていて、私もお仲間に入れてもらっています。

この3月には、ひさびさにリモートで句会がひらかれ、自分のへぼっぷりにはがっかり。

もっとちゃんと勉強せねば! というわけで…。

 

おおぎやなぎさんの俳句にかんする本もご紹介。

 

『俳句ステップ』(佼成出版社)は、

俳句をならっている3年生の女の子、七実とそのクラスメイトの早知恵の

ふたりが主人公。俳句の成り立ちや、名句を盛り込みつつ、

はからずも、盗句をされてしまった、してしまった二人の気持ちの揺れが

見事にもりこまれています。登場人物の気持ちに寄り添いつつ

いつの間にか、俳句もスッテプアップできそう!

 

『俳句をつくろう』(国土社)は、物語ではなく

子供向けの実践編ともいえるもので、俳句のルールや、特徴を、イラストつきで説明しているものです。

「ような」や「ごとく」を使わずに表現する、『鈴なりのリンゴ』とか、『どんぐりまなこ』なんていう

ありきたりの表現を使わない、などなど、俳句以外の創作でも、肝に銘じなければ…

と、あらためて思った箇所がいくつもありました。

 

(それにしても、おうぎやなぎさん、次々に新刊を出版され、

読ませていただくのが追い付けません!)