かわのむつみ(河野睦美)ブログ〈折々の記〉

かわのむつみ(河野睦美)ブログ〈折々の記〉

塾講師のかたわら、童話創作。「やまのうえのともだち」で、小学館おひさま大賞。日本児童文学者協会会員。作品に「こぶたのタミー」シリーズなど。

あけましておめでとうございます。

今年は、元旦に家族4人で初詣をしました。

 

といっても、徒歩7分ほどの場所の千葉寺(せんようじ)へ。

山門は江戸時代の創建です!

 

 

娘が幼稚園~小学生だったころは、お正月の恒例行事として

元旦に

千葉寺商店会主催のくじ引き大会が境内でひらかれていたせいもあり、私の実家に

3世代の親類が集まり、皆そろって初詣にでかけたものでした。

かなりたくさんの当たりくじがあったので、

必ず、家族の誰かに破魔矢やミカンがあたり、ラッキーっ!

思えば、ささやかな、でも世界情勢もいまのような不穏な空気は無く、

とても呑気な時代の幸せなお正月でした。

 

あれから20年以上が過ぎ、両親は他界し、

商店会は、そんなことやる時代でもなくなったのか、コロナのせいか…

とにかくいつの間にか、くじ引き大会はひらかれなくなってしまったようですが、

小さなお寺の境内は、純粋な初詣客で、にぎわっていました。

 

                ↑

樹齢1300年の公孫樹の木も健在です!

 

下の写真は、去年の、1月2日に撮った写真で、

いちょうの木の大きさが、よくわかります。

                   ↓

 

我が家も嫁いだ娘夫婦が、久々に元旦に遊びに来てくれたので、にぎやかなお正月でした!

 

皆さま、今年も良い一年でありますように…。

 

 

名を知らぬ花

 

どこから種がとんできて

いつのまに根付いたものやら

夏のおわりに

儚げな白い花をさかせる庭の草

 

名も知らぬまま

6年がすぎたある日

垣根の向こう側まで垂れ下がったその花の下に

見知らぬ女性が立ちどまり

垣根のこちらがわのわたしに

笑いかけてくれた

 

「実にみごとな仙人草ですねえ」

「え? せんにんそうと言うのですか、この花?」

見知らぬ女性とわたしは

垣根越しにしばしの花談議

 

「さんぽのついでにまた見に来ますよ」

その女性はそう言ったけれど…

 

あれから一度も会えていない

 

 

仙人草

 

キンポウゲ科のつる性多年草。

葉は羽状複葉、

夏、円錐花序をだし

白色の径2センチほどの花を

やや多数、上向きにつける。

 

名前を知ったあと

辞書で その花を調べた。

 

文字であらわされた仙人草は

あの女性が名前をおしえてくれた

花とはまるでちがう花のようだ

 

花言葉

 

仙人草の花言葉は

「あふれるばかりの善意」だとか。

なんだか胡散臭いなぁと

がっかり気分。

 

そういえば

むかし花言葉に魅了され惑わされた時期があった

 

学校の花壇にさく花の名前を調べ

ナルシストという言葉を知った十二歳の頃。

 

 

花の由来

 

花の名前は

ほぅ…と

うなずきたくなる由来が多い

 

仙人草の由来は

種のかたちがひげを生やした仙人に

見えるからだという

 

ほんの1センチほどの白い種に

仙人の姿を見た先人の想像力に脱帽だ

 

 

 

別の名前

 

実は猛毒がある仙人草

別名は馬歯欠〈ウマノハコボレ〉に

牛食わず(ウシクワズ)。

毒があるから動物も口にしないってことらしい

 

 な~んだ、

「あふれるばかりの善意」なんて花言葉

やっぱりまやかし!

 

でも、いいかもね

どっちの名前もいい……

牛クワズと仙人草は同じ花

人も花も

いくつもの性質をあわせもつ

 

蚊帳の外

 

お姉ちゃんが泣きながら帰ってきた。

おやつを食べていた僕とママは

びっくり。

「どうしたの…、何があったの?」

ママがきいても、お姉ちゃんの涙はとまらない。

「おやおや、

3人でおしゃべりして、わしは、かやの外か?」

おじいちゃんが笑いながら居間にはいってきた。

おじいちゃんは、ときどき意味不明なことばを使うんだ。

「かやの外ってなあに?」ぼくがきいたら

「そうだなぁ、3年生のハルくんにはちょっとむずかしいか?

まぁ、わるくいえば仲間はずれ。良くいえば、めんどうなことにまきこまれないですむ!ってことだな」

「ふ~ん……。つまり……。

仲間はずれにされてもいいことがあるってこと?」

ぼくは

おじいちゃんの答えをまった。

「そうだな、まきこまれたくなければかやの外で知らんぷりをすればいい。

でも、めんどうごとでも、まきこまれたい。仲間外れにされたくない…。

そんな気持ちもあるから、人はやっかいなもんだな……」

よくわからないけれど、うん、ぼく

お姉ちゃんの涙のわけは知らなくていいや。

「かやのそと、かやの外、蚊帳の外…」

かわりに、ぼくは、新しい言葉をひとつおぼえた。

 

蚊帳の中

 

昔、ほんとに

蚊帳という道具があって、

その中で寝たのだとおじいちゃんが教えてくれた。

「夏の夜も、窓はあけっぱなし。

エアコンなんてないから、外から風がはいってくるようにな。

蚊取り線香を焚いて…、部屋の中に蚊帳をつって

その中で家族みんなが寝たんだ」

おじいちゃんが、その頃の絵をかいてくれた。

まるで

大きな虫取り網につかまった小人たちだ。

「あのころは、まだ、庭にもホタルが飛んでいてな、弟たちが捕まえたホタルを蚊帳の中に放して

寝ようってことになったんだ」

おじいちゃんは、昔話をつづけてくれた。

「でも弟たちとケンカになってわしは、蚊帳の外に追い出された。

そして、縁側で何時間もすごしたんだ」

「えっ? じゃあ、蚊に刺されまくり?」

「そのとおり! だけどな、庭を飛ぶホタルは蚊帳の中のホタルよりずっと自由だろ?

蚊帳の外も悪くないもんだ……」

いつの間にか、お姉ちゃんは泣きやんでいて

「かやのなか、かやのそと。蚊帳の中、蚊帳の外…。なんだか、おまじないみたいだね……」

と、笑った。

 

 

 

先日、ふろむ同人のにしかわとよこさんの

詩集『線路わきの子やぎ』(銀の鈴社)の出版記念会が日本橋のレストランで開かれました。

当日は、日本児童文学者協会の理事長、副理事長さんをはじめ、40人のお客さまが

にしかわをお祝いしました。

 

この詩集は、長年、にしかわさんが書き溜めた詩の中から厳選した34編の詩が収められています。

タイトルの、線路わきの子やぎは、テレビでも話題になった佐倉市の京成線沿線の崖の上に迷い込んだ、子やぎを

詩に詠んだものです。

 

そのほか、『虫のうた』『生きものたちのうた』『植物のうた』『地球のひとりごと』と

ジャンル分けされた詩の数々は、きっと、どれかが誰かの心に響くはず。

 

詩人の方々からの評価も高く、また、今後子どもたちに、とても喜ばれる詩集になっていくことでしょう。

 

西川さん、ご出版、おめでとうございます!!

 

当日は、ふろむメンバー全員が、スタッフとしてお手伝い。私は、お客様のご案内やクイズ係などをしました。

会場もとても素敵でした!

 

また当日の集合写真は、作家の加藤純子さんがご紹介くださっています!

 

 

 

 

バタフライ・ガーデン

 

子どもの頃

庭に

たくさんの蝶がやってきた。

 

モンシロチョウに

アゲハ蝶に

しじみ蝶。

 

なぜ、そんなに

庭に蝶がやってきたのか

訳を考えたこともなかったけれど

ふと

「昔、うちの庭には沢山の蝶々がきたね…

不思議だねえ」

と、四歳年上の姉の前で

つぶやいた。

「お前は、いい年をして無知だねえ!」

姉がその訳をおしえてくれた。

 

モンシロチョウは

菜の花に集まってきていたのだし

アゲハ蝶を呼ぶために、母は庭に

ミカンの木や山椒の木を植えていたのだと。

しじみ蝶がやってきたのは

シロツメクサを

植えてあったから……。

 

このごろ、ウチの庭のパンジーに

昔は見たことのなかった

ツマグロヒョウモン蝶が集まってくる。

温暖化で

南に生息していた蝶たちが

北上してきたらしい

蝶には蝶の

そこにいる理由があるのだ。

 

  

 

ジューンベリー

 

ほんの二十センチほどの苗木を

植えたのは

いつのことだったのか?

 

ちっとも大きくならないので

じれったくて……たまらなかった。

やっと

私の背丈ほどになったとき

ほんの何粒が実った赤い実は、すべて

小鳥たちに先を越され、がっかりしたものだった。

 

あれから

何度も春がやってきて

いつのまにか……

苗木は見上げるほど大きな木になった。

四月には

桜と競って満開の白い花を咲かせ

六月には

無数の赤い実が枝を彩る。

 

もはや

小鳥たちも私も

その実を食べきれないほど……。

 

あれから

何度も六月が過ぎさり

父と母は逝き娘は大人になった。

 

苗木が大木になる何年もの間

いったい私は

何かをしてきただろうか……?

 

****収穫したジューンベリー**********

 

 

 

 

 

 

同人誌に、ポエム風ぷち童話を書き始めたのは20年ほど前。毎月池袋で開かれる合評会を前に、

短編童話さえも思いつかず…、それでも、手ぶらで行くのは寂しいので

短い、ポエム風作品を持っていったのが始まりで、いつのまにか、100篇以上に…。

季節ごとに少しずつ発表していこうと思っています!

 

 

 

 

 

1年あまり担当させていただいた、K新聞さんのコラムが

一昨日の掲載で任期満了となりました。

担当してくださった編集のRさんには、沢山のサポートフォローをいただき感謝でいっぱいです。

主に新刊をとりあげてきましたが、今月は最後の掲載なので、

自分の大好きな本『みどりのゆび』を取り上げました。

時代を超えて残る名作!

 

 

 

にしても

人生の後半…(というか、40才を過ぎてから)

作文も感想文も苦手だった子ども時代には全く想像がつかなかった事を

はじめてしまい、今に至っています。

 

書くことは、気楽に趣味でやっていこうと思っていたはずなのに…、

気の合う創作仲間と出会い、指導してくれる方にも出会い、運よく賞をもらい、

教材作成、カルチャーセンターの講座なども経験させていただき、新聞連載も何度か担当させていただき

運よく体がかなり丈夫なので、講座に穴をあけることなく、締め切りはきっちり守り、やってこられました。

全ては良き出会いのおかげ?

今では、

『創作』を始めたことは、意外にも正しい選択だったかも…と思っています。

つまりは、

「自分には不似合いな色の服も、ためしに着てみろ」ってことでしょうか。

 

その良き出会いの賜物。創作同人誌仲間『ふろむ』の、今年最後の合評会が終わりました。

創作に関しての仕事(集まり)は、年内はあと一回。ほっと一息です。

 

 

みなさま、メリークリスマス!

(今年は玄関先だけ、小さなクリスマス。リースも、ボックスも手作りです)

 

塾の仕事(こちらは苦手ではない分野)は、明日から本格的に冬期講習。

風邪をひかないように、もうひとがんばりせねば! です。

 

 

わたしが所属している児童文学同人誌『ふろむ』のメンバーは、

東北から福岡まで、かなり全国にちらばっているのですが、みんな

それぞれに、とても活躍しています。

とくに今年は、岩手メンバーおふたりの活躍がめざましいです。

 

田沢五月さんの『海よ光れ! 3・11 被災者を励ました学区新聞』は、全国課題図書に選出されました!

当時の子どもたちに、たくさん取材して書かれた感動作。

くじけない気持ちや、子どもたちだからこそできることを教えてくれる本です。

 

 

ちばるりこさんの『スケッチブック 供養絵をめぐる物語』は、昨年岩手で舞台化され、さらのその舞台が、

盛岡市民演劇賞大賞を受賞したそうです。良い本は、こうして繋がっていくんですね。

 

そして、田沢さん、千葉さんのほか、東日本大震災から10年を機に「みちのく童話賞」を立ち上げたメンバー作品が載っているのが、『東北6つの物語』シリーズです。

みちのく童話会の代表は、おおぎやなぎちかさんです。

6冊のセットのうち、夏に以下の3冊が発売されました。

 

        

 

『東北まつり物語』には、青森ねぶた祭、秋田竿燈まつり、仙台七夕まつり、山形花笠まつり、福島わらじまつり、盛岡さんさ踊り。東北6県の代表的なお祭りをテーマとする6つのお話。

 

『東北ふしぎ物語』には、三陸海岸のヤマセ、横手のかまくら、裏磐梯の五色沼、山形のケサランパサラン、青森の三内丸山遺跡、伊豆沼・内沼のガン。東北6県の自然や歴史の不思議をテーマとする6つのお話。


どの物語も、小学生の子どもたちの目線を通してかたられているのですが、大人にも

「わぁ、東北に行ってみたくなるわ、これ!」と思わせてくれる作品。メンバーみなさんの筆力が光っています。

 

 

 

 

 

 

沢山の方が、ご紹介記事を書いてくださいました!

どうもありがとうございました。

 

以下、一部を載せさせていただきます。

 

新刊情報! 鳥野美知子先生「魔女やしきのサーカスちょっと不思議⁉ めっちゃこわい! 10話のおはなし」 | ニュース | 公募スクール (koubo.co.jp)

 

『魔女やしきのサーカス』 : 牧野節子の部屋 (exblog.jp)

 

『魔女やしきのサーカス!』ふろむ・編(国土社) - みちのく童話会スタッフブログ (goo.ne.jp)

 

新刊『魔女やしきのサーカス!』 ふろむ・編 - 赤羽じゅんこの三日坊主日記 (goo.ne.jp)

 

『魔女やしきのサーカス』ふろむ編(国土社)~きょうは児文芸の集まり - fromイーハトーヴ ーー児童文学(筆名おおぎやなぎちか)&俳句(俳号北柳あぶみ) (goo.ne.jp)

 

魔女やしきのサーカス! : イラストレーターおしのともこブログ (livedoor.jp)

 

この他

”X”や、インスタグラムにご紹介記事を書いて下さった方、どうもありがとうございました。

 

以下、国土社さんのページです。

魔女やしきのサーカス ちょっと不思議⁉ めっちゃこわい! 10話のおはなし :ふろむ - 国土社 (kokudosha.co.jp)

 

ついでにアマゾンも…

Amazon.co.jp: 魔女やしきのサーカス: ちょっと不思議⁉ めっちゃこわい! 10話のおはなし : ふろむ: 本

今週、今年になってはじめての1週間休み。

忙しいなどと言ったらばちが当たるくらい、たいした仕事量ではないのだけれど、

なんだか日々気ぜわしく、もはやブログの更新は

優先順位の最後にしようと思ったら、ほんとうに

半年近くもいじらないで、過ごしてしまった。

 

         ブログなんて面倒ならやめればいいじゃないか! と、ときどき放棄したくなる反面

昔の自分の記事を見て、あ~こんなところにも行ったっけ! などと、懐かしんだりするわけで

なるほど、自分のメモリーのために役立っているのだ。

 

というわけで、半年ぶりの記事は

 

今年の春、出版した本

「魔女やしきのサーカス」(ふろむ・編)国土社刊のこと。

 

ふろむメンバー10人の短編アンソロジー(中学年向け)です。

4月に本ができたのに、今頃のブログ更新って、遅い!! けれど、まあ、マイペースってことで。。。

 

ありがたいことに、

メンバーそれぞれが、知り合いの作家さんや司書さんに送らせて頂いたところ、私が

のたのたしてる間に、たくさんの方が次々と紹介してくださいました。

ありがとうございました~!

 

 

そして、なんと

» こわいほん大賞 | 日販図書館選書センター (sensho-c.jp) の

 

ひやひや部門にノミネート!

 

嬉しい!! です。

自分で一票入れたい!! くらいなのですが、残念ながら投票できるのは図書館関係の方だけ。

 

図書館さま、司書さま、どうぞよろしくお願いいたします。