春に向かう季節の雨
トタンの屋根をたたく 風が窓をゆらす
雨粒の降りたところで 音が異なり
様々な音階の 雨音がする
雨のノイズ
不要な音をすいとっていく
動くざわめき 話し声 車の音 鳥の声さえも
雨の揺らぐピンクノイズに すべてが消えていく
長靴を履いてくれば、よかったと思いながら
傘をさし 外に出た
雨樋から 勢いよく落ちる雨は
大きな水たまりにジャボジャボ
コンクリートのタイルに落ちる雨はパチパチ
トタン屋根の音が、一番いい
トントンテンカタン、トントンテンカタン
屋根から落ちて 花壇の煉瓦に躍る雨
跳ね返って ミルククラウンの弧を描く
水たまりには、まるでコンパスで描いたかのような
正しい円が、小さい波紋を描く
わたしの植えた 花の上や芽の上に
雨が降る
滑らかな葉の上にコロコロの水玉が滑り落ちて 土に吸い込まれる
雨の音は わたしの中を通り過ぎる
頭のてっぺんから、すべての淀みを消すかのように
雨のしずくは わたしの中を流れ過ぎる
頭のてっぺんから、すべての塵を洗うかのように
降るたびに、洗われてゆく
わたしの中を通り過ぎる雨
乾いたこころに浸み込み 大地は潤い
いよいよと 時を待つ
たねは、感じる
土の中から、陽の温かさを
冬の寒さが終わるという 冬の寒さの記憶
もう、春がくるのだ
天空からの使いに すべての身をゆだね
わたしは 今日も 雨を聴く
ヒマラヤ杉の発芽
花壇に飾りに置いておいたシダーローズから自然発芽
