1944年のリトアニア。戦禍で両親を亡くしたハンニバル少年は、幼い妹ミーシャと2人で山小屋に隠れ住んでいた。ある日、残忍な逃亡兵グループが山小屋を乗っ取り、か弱いミーシャは彼らに殺されてしまう。その後、心を閉ざしたまま孤児院で成長したハンニバルは、やがて脱走し唯一の親類を求めてパリの叔父のもとへと向かう。しかし、すでに叔父はこの世を去り、未亡人の日本人女性レディ・ムラサキが、ハンニバルを温かく迎える。ハンニバルは彼女のもとで高度な教育を受けると共に、次第に心の奥底に封印されていた復讐の情念を目覚めさせていくのだった
「羊たちの沈黙」で有名なハンニバル・レクター博士の若き日の物語。
あのハンニバル・レクターはいかにして出来上がっていったのか?
戦禍で両親を失う前は、裕福な家に育ち、優しい両親の庇護の下、妹と二人で何不自由なく暮らしていた少年ハンニバル。この時点では、彼はごく普通の、妹想いの優しい少年だった。そんな彼の生活は戦争で一変した。残忍な逃亡兵たちに妹を"食われ"、彼だけは生き残った。が、後に一連の殺人で彼に疑惑を持った警視が言っていたように、少年ハンニバルは妹の死と共に死んだ。今の彼はモンスターだと。彼もまた、戦争で家族を殺されており、戦争犯罪人の検挙を使命としていた。どんな気分だっただろう?自分たちが作ったモンスターに涙と鼻水こぼして命乞いをした挙句、むごたらしく殺されるって。ハンニバルは完全に楽しんでいたように見えた。殺された連中をひとかけらも気の毒に思わなかった。だが、彼はなぜか子供には手をださない。彼は生まれながらの異常者ではなかった。愛情が彼をあのような行為に走らせた。彼も若き日はひとかけらの慈悲くらいはあったようだ。戦争中、ユダヤ人の子供たちを密告して収容所送りにした男が自白剤で話していたとき、「子供たちがナチに連れていかれたとき、警察は何していた?」との問いかけにかの警視は何も答えられなかった。そんな男にハンニバルは十字架を口に含ませてやっていた。
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