ムカつくヤツは殺せ!
確かこの映画の公開時のキャッチコピーが上記だったと思う。
今の私の気分にピッタリな言葉なので取り上げさせてもらうことにする。
ビバリーは裕福な歯科医の夫と息子と娘のいる一見、どこにでもいるようなちょっと太めの主婦。
が、裏ではかなりとんでもないオバハンである。
ゴミを分別しないでだす近所の主婦、ホラー映画好きの息子を異常呼ばわりした担任、
ちょっと小太りの娘をフッた娘の元カレ、レンタルビデオを巻き戻さないで返却したオバハン等々を
次々と殺していくのだ。ビバリーはついに逮捕されるが、裁判で彼女は弁護士を解任してしまう。
新しい弁護士は…何と彼女自身、そう自分で自分を弁護するというのだ(これは判例にもある)
特筆モノなのはキャスリーン・ターナーの"怪演"であろう。
「白いドレスの女」のセクシーな悪女が、歳月を経て、水玉のワンピースに二の腕タプタプさせて
出刃包丁持ってドスンドスン殺しに走る…(脚線美は健在だったが)
歳月の残酷さを嘆くよりも、彼女の女優としての潔さに感銘を受けた。
これぞ真の女優だ!
カマトトぶっている日本の女優どもも見習え!
シートベルトを閉めないで運転する息子の友人に日頃から腹を立てていたビバリーは彼を追いかけ
彼はライブハウスに逃げ込む。ビバリーはそんな彼を火吹きスプレーで火ダルマにする。
ちょうどヘビメタバンドが演奏中だったが、消火するどころか、更にウイスキーを吹きかける。
彼はステージ上で炎と化したが、観客も誰一人として消火しようとしない。
それどころかヘビメタバンドも客も「シリアル(連続殺人)・マーマ!」「シリアル・マーマ!」の大合唱で
大盛り上がり。いつしか彼女は人気者になっていたのだ。
そして、家族のママに対する愛情も変わりなかった。法廷でシリアル・ママグッズが売られ、売り子は
何とビバリーの娘、「シリアル・ママは私のママよ」と平然と言ってのける。
殺人犯がなぜ人気者になったのか?
ビバリーが殺していったのは、たいていの人間ならムカつくタイプの人間たちなのだ。
誰にでもあるだろうと思うが、「あいつムカつく!殺してやりたいよ!」と思った経験はあるだろう。
ただ、ビバリーはそれを実行に移した。
そして、思っていてもなかなかやれない自分に代わってビバリーがやってくれたということに
人々は胸がすく思いだったのだろうと思った。
私もそうだった。
レンタルビデオを巻き戻さずに返却したオバハンの家に忍び込み、「アニー」を見ている最中に
ポークチョップで殴り殺し、死んだオバハンに向かって、「Rewind~!」(巻き戻せ!)と
吐き捨てたシーンに思わず「ブラボー!」と叫んでしまった。
愛と怒りに満ちた1時間34分でした。
- アミューズソフトエンタテインメント
- シリアル・ママ【字幕版】