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私が見た映画たち

映画は好きだが、時間もお金もない私。

それでもめげずに見てきた映画たち。

ホメたりけなしたりと忙しい…

本ブログがキッカケでここに載った映画たちのいずれかに興味を持っていただければ、幸いに思います。

昭和27年、東京

ある名門の医院に関する奇怪な噂が広まっていた。

娘は二十ヶ月も身籠ったまま未だに出産の気配がなく、彼女の夫は密室から失踪したという。

探偵榎木津の事務所に当の医院の娘、久遠寺涼子が訪れ、失踪した妹の夫を探してくれと依頼する。

久遠寺涼子は噂は本当であると肯定した。

この奇怪な事件の真相は如何に?


「この世には不思議なことなど何もないのだよ」

主人公、京極堂のお得意のセリフである。

京極夏彦の本で初めて読んだのはこの作品だった。この分厚さに度肝を抜かれた。

この小説が映画化されると聞いたとき、2時間そこらでどうまとめるつもりかと危ぶんだものだった。

3時間でも足りないと思っている。

キャストに関しては、皆、思いの外うまくはまっていたと思う。

一番心配していた榎木津役の阿部寛も彼でよかったと思う。但し、原作の榎木津礼二郎はもっと

"すごい人"なのであるが…

映画そのものに関しては、案の定、消化不良の感が否めなかった。

あれだけの長編を映画化するのであるから、かなりの部分がカットされるのは覚悟していたが

事件の大事な部分までカットされてしまって、原作を知らない人が見たらよくわからないのではないかと

思った。


ジェネオン エンタテインメント
姑獲鳥の夏 プレミアム・エディション

富豪の家に育ったブルース・ウエインは幼き日に目の前で強盗に両親を殺される。

それがトラウマとなり親の仇への恨みも重なり、大学も辞め放浪の旅に出る。

収監されていた監獄でデュガードという男と出会い、謎の組織"影の同盟"のリーダー、ラーズ・アル・グール

引き合わされる。

そこでブルースは恐怖を克服する術、戦う術を学ぶ。

やがて影の同盟の次の標的が生まれ故郷のゴッサム・シティだと知ったブルースは街を守る決心をし

影の同盟と袂を分かつ。

ゴッサム・シティへと戻ったブルースは悪の組織と暴力がはびこり、腐敗が進んでいた街を見て、自らの使命を悟り、全身黒いコスチュームを身に纏ったバットマンとなり、巨悪と対峙する道を選ぶのだった。


ルーツ・オブ・バットマンとも言える作品。

最初のバットマンを製作したティム・バートンのとは違ったオーソドックスな造りであったと感じた。

ブルース・ウエインはいかなる過程を経て"バットマン"(コウモリ男)となったのか?

なぜコウモリなのか?

この作品でわかった。コウモリは彼自身の恐怖の象徴だったのだ。

そして、なぜ、あれほどまでにゴッサム・シティを守ろうとしたのか?

それは、愛する人を守るためだった。その点ではバットマンも一人の男であると思った。

影の同盟のリーダー役で渡辺謙がほんの少しだけ出ていた。

「ラスト・サムライ」で見た頃よりも痩せていたと感じた。

どこの国の言葉ともつかない言語をあやつり、眼光鋭いどこか不気味なラーズ・アル・グール。

登場時間が短いからこそ強い印象を与えるのは難しいだろう。

ちょい役といえばちょい役であるが、ちょい役であるから誰でもいいというわけではないと思った。


バットマンになりたてのブルースがどんな失敗をしても見捨てないアルフレッド。

そして、悪と不正がはびこる中でも真面目な警官ゴードン巡査部長、(ラストでは警部補に昇進)

後にバットマンの盟友となるゴードン警視総監だ。

悪役のイメージが強いゲイリー・オールドマンが珍しくいい人の役。

(でも、「ハリー・ポッター」でもシリウス・ブラック役だったっけ…)


ワーナー・ホーム・ビデオ
バットマン ビギンズ 特別版

大晦日。高級ホテル“ホテルアバンティ”。新年のカウントダウンパーティーまであと2時間あまり。

副支配人の新堂を始め、ホテルのスタッフはてんてこまい。

ただでさえ慌しい大晦日。そんなところに次から次へと思いがけないハプニングが続出。

はたして彼らは無事に新年を迎えることができるのか?


久しぶりに映画を見て大笑いした。会場も笑いで包まれていた。

大晦日というあわただしい一日の人間群像。舞台はホテルの内部に限られている。

三谷幸喜の真頂骨とも言える作風だと思う。この人の作品は当たり外れが多いが、私的にはこれは

当たりではないかと思う。

とにかく登場人物が多い。汚職容疑で崖っぷちの国会議員、その元愛人はホテルの客室係、コールガール

とワケありの学者、スランプ中の大物歌手、急遽、垂れ幕を書くことになり大きな字が書けないと悩む

筆耕係、新堂も別れた妻の前で見栄を張り、ホテルの宿泊客であるかのように振舞う等々…

何の関わりもなかった人物たちが次から次へと起こるハプニングの中でつながりを持っていく。

あれだけの登場人物が出る映画で関係がこんがらがることもなく、136分、退屈させなかったのはお見事


東宝
THE 有頂天ホテル スペシャル・エディション

 ニューヨークの大学で文学を教えているフラニー。彼女は他人には心を許さず常に一定の距離を置いている。そんなある日、フラニーの家の近くで猟奇的な殺人事件が発生。彼女はバーで犯人らしき人物を偶然目撃していたということで、刑事マロイが彼女のもとを訪れる。しかし、フラニーの記憶に残っていたのは犯人の顔ではなく、その手首に彫られたスペードのタトゥーだけ。だが、この事件をキッカケにマロイと関係ができたフラニーの中で潜んでいた"女"が徐々に目覚めていく。


ロマコメの女王メグ・ライアンが脱いだということ、今までにない過激な濡れ場を演じたということで話題に

なったが、それだけの映画だと思った。

この脚本に惚れこんだメグが直談判し、この役をGETしたという。

メグ・ライアンもいつまでも笑顔がステキなロマコメばっかやっているワケにはいかないもんな。

だが、人間関係にも恋愛にも何の希望も期待も持たない疲れた女という感じは出ていたと思う。

どちらかといえばフラニーの少しエキセントリックな異母妹ポーリンを演じていたジェニファー・ジェイソン・

リーの方に目がいった。この人もメジャーな映画よりインディーズ系の映画で見かけることが多いが

本人の方針なのだろうか?

最後の方で一応どんでん返し的なところはあるのだが、なぜあんな恐ろしいことを重ねていったのかが

明らかにされていないのですっきりしなかった。

それとフラニーの中の"女"が目覚めていくのが殺人事件とどう結びついているのかわからず、別々の

話のような感じがした。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
イン・ザ・カット

エロサイトからトラックバックをつけられた。

曲がりなりにも映画に関して真面目に書いている文章に、まったく無関係な、しかもくだらないエロサイト

からトラックバックつけられるなんて不愉快! 最低!

こういう奴らは社会のクズだ!皆死ね!

長野県でも指折りの企業の社長が急死。就任した新社長が何者かに殺された。

長野県警の刑事、和倉は会社の名を聞いて、自ら志願して捜査本部入りする。

容疑者は前社長の長男、瓜生昭彦、和倉とは小学校から高校まで一緒だった。

捜査で瓜生家に行った和倉は思いもがけぬ人物と再会する。

瓜生の妻、美佐子、彼女とは昔、恋人同士だったが、和倉は父の急死で医大進学を諦め、

東京の警察学校に入るので心ならずも別れたのだった…


小学校時代から互いを意識していた二人が10年の歳月を経て、殺人事件の容疑者と刑事として再会。

何十年にも渡り秘密を抱えてきた一族。そして、犯した大きな過ちに対する贖罪の日々。

昭彦もまた一族の宿命を背負った者だった。あまりにも重すぎる宿命ゆえに愛する妻にさえ心を開けない。

それ故、妻の美佐子は昭彦を理解することができずに実家に帰ってしまう。

和倉は今回の事件が刑事であった父が二十数年前に関わった転落死事件とつながっているとにらみ

執念の捜査を続ける。和倉もまた父の贖罪を背負った男であった。

瓜生役の藤木直人、和倉役の柏原崇、交わす言葉は穏やかだが容疑者と追求する者として冷たい火花が

飛び散っていたように感じた。

二人とも「静」を見事に表現していたと思う。「動」より「静」を表現するのが難しいと思う。

「静」は一歩間違えばただの「地味」になってしまうからだ。

藤木直人は「静」を表現するのがうまい役者だと感じた。彼にはオーバーアクトより「静」が合うと思った。

ラストで昭彦が打ち明けた秘密で、二人はこの宿命を背負うべくして背負ったのだと思った。

最後に父親は…まさか…と自分でした想像にゾッとしてしまった。

ポニーキャニオン
宿命

ビデオショップで働くクラレンスはアラバマという女性と出会い一夜を共にする。

その後、アラバマは意外なことを打ち明ける。その日はクレランスの誕生日でガールフレンドのいない

クレランスに勤め先の店長が頼んだコール・ガールだったというのだ。

が、そんなことはおかまいなしに一夜で恋に落ちた二人は翌日には結婚届を出しに行く。

クレランスはアラバマの荷物を取りにいくが、彼女にはタチの悪いヒモ男がいた。

その男と争いになったクレランスは護身用に持っていた拳銃で彼を殺してしまった。

しかも、アラバマのだと思って持って帰ってきたトランクの中には大量のコカインが入っていた…


このコカインが原因で流血と死闘の物語が幕を開ける。

このアラバマというヒロインがカワイイのだ。オツムはあまりよくないが、キュートでタフで愛するクレランスに

100%尽くす女なのだ。

クレランスがタチの悪いヒモ男を殺してきたとアラバマに告げたときのリアクションがスゴい。

並みの女なら卒倒するか青ざめるかだろう。

が、彼女は泣いたのだ。そして「あたしのために殺しただなんて…なんて、ロマンチックなの!」

と彼に抱きついた。おいおい…そうくるか?あんたの方が余程ロマンチックだぜ。

やがて、コカイン取引を巡って死闘となるのだが、どんなに痛めつけられてもクレランスはアラバマのため

アラバマはクレランスのためにギャング相手に必死に戦う。


流血の中の「I LOVE YOU」は普通の「I LOVE YOU」よりもロマンチックに思えてしまう。

これぞ、トゥルー・ロマンス~真実の愛かもしれない。

アミューズソフトエンタテインメント
トゥルー・ロマンス

1897年、ペンシルヴェニア州。深い森に囲まれ、外の世界から完全に孤立したひとつの小さな村があった。村人は大きな家族のように強い絆で結ばれ、ユートピアのような理想の共同体を築いている。この村には昔から奇妙な3つの掟が存在し、特に森には入ってはいけないという掟は厳しく守られてきた。

"彼ら"との協定なのだという。

村の寡黙な青年ルシアスは幼い頃から盲目だが強く賢いアイヴィーという娘と互いに惹かれあっていた。

ルシアスがアイヴィーに愛を告白し、二人は結婚の約束をした。

村人たちが祝福する中、悲劇が起こった。ルシアスが幼い頃からの友達だったノアに刺されて瀕死の

重傷を負ってしまった。ノアもアイヴィーに思いを寄せていたのだった。

ルシアスを助けるためにアイヴィーは森を抜け、町に薬を調達に行く決心をする。

娘の決心を見て父エドワードは村の重大な秘密を打ち明ける…


これは超常現象でも怪物の話でもなく、「愛」の話だった。

村の"長老"と呼ばれる人々がなぜ町を捨て、完全に孤立したコミュニティーを築き上げたのか?

その裏には悲しい過去があった。


確かに町というところは多くの人間がいて、その分、悪い人間もいたりする。

悪意も存在しているのだろう。

彼らは自分たちが味わった悲しみを二度と抱えないために、そして、次の世代も同じ悲しみを

抱えないために、小さな世界を築き、そこから出ることを禁じた。

確かにそれは愛情であろうが、だが、次の世代がどうするかというのは彼ら自身が決めるべきこと

ではないのだろうか?

それが幸せか不幸せかも彼らが決めること。

そう考えると長老たちの行動がエゴにも思えた。

ポニーキャニオン
ヴィレッジ

大戦が50年も続き、世界は大亜細亜連邦共和国とヨーロッパ連合という、2つの陣営に分断されていた。

戦いは大亜細亜連邦共和国の勝利に終わるが、人心は荒廃し、様々な公害病と荒れ果てた大地が残った。

そんな中、東博士は重い病に苦しむ妻ミドリを助けたい一心で、人間のあらゆる部位を自在に造り出す

“新造細胞”理論を構築する。それに軍部が目をつけ、博士の研究は軍の援助を受けて続けられた。

ある日、実験中に原因不明の異常事態が発生し、新たな生命体が誕生する。

そんな中、父への反発から戦争に行っていた息子鉄也の戦死の報が入る。博士は鉄也の遺体を奪い

友人の上月博士らが止めるのも聞かず、未完成の研究を使って鉄也を蘇らせてしまう。

だが、それによって筋肉の動きが活発になりすぎて、鉄也の身体は崩壊の危機にさらされてしまう。

そんな鉄也のために防御スーツの研究をしていた上月は自らが開発した防御スーツによって鉄也の

身体を守ろうとする。

一方、追っ手から逃れた新たな生命体たちは自らを新造人間と名乗り、人類を皆殺しにすると宣言。

人類VS新造人間という新たなる戦いが始まった…


70年代前半に人気を博したTVアニメ「新造人間キャシャーン」の実写化。

監督は映像クリエータの紀里谷和明氏。

私にはアニメ「新造人間キャシャーン」の記憶はあまりない。

ただ、あの頃のアニメとしては珍しく深く難しいテーマだったようなおぼろげな記憶はある。
紀里谷氏がなぜ、あの当時は地味とも言えた「キャシャーン」を映画化に選んだのかはわからない。

さすがに映像クリエーターだけあって、映像はテーマを反映して暗い感じだったけど、素晴らしかったと

思う。

では内容はと言えば、ひどく難解だった。

脇が立派すぎて主役の伊勢谷友介の影が薄かった気がする。

ただ、あんな未来は願い下げだなと思った。

鉄也も東博士も上条もブライも大切な何かを見失ってしまっていたのは確かだ。

見失っていなかったのは、ミドリとルナだけだった。

生きているのは自分たちだけではないということ。

ミドリは鉄也に「皆が共に生きる道を探しなさい」と言っていた。

そんな女性であったから、東博士にも鉄也にも人類を敵視している新造人間にさえ愛された。

最後の方で上条が父を背負って石段を登るシーンが印象に残った。

自分の罪と父の罪を背負っているように見えた。


三橋達也氏はこの映画が遺作となってしまいました。名優がまた一人この世から去ってしまった。

松竹
CASSHERN

ムカつくヤツは殺せ!


確かこの映画の公開時のキャッチコピーが上記だったと思う。

今の私の気分にピッタリな言葉なので取り上げさせてもらうことにする。


ビバリーは裕福な歯科医の夫と息子と娘のいる一見、どこにでもいるようなちょっと太めの主婦。

が、裏ではかなりとんでもないオバハンである。

ゴミを分別しないでだす近所の主婦、ホラー映画好きの息子を異常呼ばわりした担任、

ちょっと小太りの娘をフッた娘の元カレ、レンタルビデオを巻き戻さないで返却したオバハン等々を

次々と殺していくのだ。ビバリーはついに逮捕されるが、裁判で彼女は弁護士を解任してしまう。

新しい弁護士は…何と彼女自身、そう自分で自分を弁護するというのだ(これは判例にもある)


特筆モノなのはキャスリーン・ターナーの"怪演"であろう。

「白いドレスの女」のセクシーな悪女が、歳月を経て、水玉のワンピースに二の腕タプタプさせて

出刃包丁持ってドスンドスン殺しに走る…(脚線美は健在だったが)

歳月の残酷さを嘆くよりも、彼女の女優としての潔さに感銘を受けた。

これぞ真の女優だ!

カマトトぶっている日本の女優どもも見習え!


シートベルトを閉めないで運転する息子の友人に日頃から腹を立てていたビバリーは彼を追いかけ

彼はライブハウスに逃げ込む。ビバリーはそんな彼を火吹きスプレーで火ダルマにする。

ちょうどヘビメタバンドが演奏中だったが、消火するどころか、更にウイスキーを吹きかける。

彼はステージ上で炎と化したが、観客も誰一人として消火しようとしない。

それどころかヘビメタバンドも客も「シリアル(連続殺人)・マーマ!」「シリアル・マーマ!」の大合唱で

大盛り上がり。いつしか彼女は人気者になっていたのだ。

そして、家族のママに対する愛情も変わりなかった。法廷でシリアル・ママグッズが売られ、売り子は

何とビバリーの娘、「シリアル・ママは私のママよ」と平然と言ってのける。


殺人犯がなぜ人気者になったのか?

ビバリーが殺していったのは、たいていの人間ならムカつくタイプの人間たちなのだ。

誰にでもあるだろうと思うが、「あいつムカつく!殺してやりたいよ!」と思った経験はあるだろう。

ただ、ビバリーはそれを実行に移した。

そして、思っていてもなかなかやれない自分に代わってビバリーがやってくれたということに

人々は胸がすく思いだったのだろうと思った。

私もそうだった。

レンタルビデオを巻き戻さずに返却したオバハンの家に忍び込み、「アニー」を見ている最中に

ポークチョップで殴り殺し、死んだオバハンに向かって、「Rewind~!」(巻き戻せ!)と

吐き捨てたシーンに思わず「ブラボー!」と叫んでしまった。

愛と怒りに満ちた1時間34分でした。

アミューズソフトエンタテインメント
シリアル・ママ【字幕版】