「あぁ~、よく寝た。」
「よく寝たじゃないわよ。私のベッドで寝ちゃうなんて、信じらんない。」
「いいだろ別に、減るもんじゃないし。」
ルナが目覚めた時間は4時、3時間近く寝ていたことになる。
「それにしてもよく寝てたわ、昨日もしかして夜更かしでもしたの?」
「ちょっと調べてただけだよ。」
「そう、今日は早く寝なさい。」
「おう、そうする。」
ルナが寝ていたとき、藍も実は寝てしまっていた。
PCのある机の上で、よく学生が授業中に居眠りしているような格好で、
ルナが起きる数分前に目覚めた。
「ふぁ~。」
「なんだ、藍があくびかぁ?珍しいな。」
「わ、私だって人間よ、あくびくらいするわ。」
「まぁそうだけどさ。」
「う、うん///。」
「それにしても、最近変な夢を見るなぁ。」
「へぇ、どんな夢?」
「よくわかんないんだけど、建物とかが全くないようなところで、
人がバトスピしてるんだよ。しかもバトルフィールドで。」
「バトルフィールド?今はルナの家にしかないはずでしょ?」
「だから変なんだよ。それだけじゃなくて、勝ったカードバトラーが負けたカードバトラーのカードを奪うんだ。」
「なにそれ、この世じゃ犯罪よ。ルナはバトスピのことしか頭にないからそんな夢をみるのよ。」
「そうかもな。でもバトスピで犯罪なんて許せなくてな。」
「うん、そうに違いないわ。私もそれは同感よ。みんなで楽しくやるべきだわ。」
「だよな、そんな非道なことをする奴ら、俺が倒してやるっつうの。」
「そうね、ルナの強運なら、そんな敵も倒せるかもしれないわね。」
「なんか棘がある言葉だな。」
「なんの話かしら?」
そんな話をしていたらもう5時だ。ルナは帰りの支度をし、車に乗って自宅に向かう。
「今日は楽しかったよ。」
「ほとんど寝てた人がよく言うわ。」
「料理、また作ってな。」
「え?・・・わ、わかったわよ///。」
「じゃ、次遊べる日を楽しみにしてるぜ。じゃあな。」
「うん。またね。」
ルナは自宅につくと、すぐ自分の部屋に向かった。
藍は、部屋に戻ると、考え事をしていた。
バトスピのことや、ルナのことではない。夢のことだ。
「ルナも同じような夢を見ていたのね。」
藍もほとんど同じ夢を見ていたのだ。
しかも藍の夢では、ルナは極悪非道の相手とバトスピで勝負をし、負けてしまっていた。
向こうの世では負けた者は勝った者にデッキをとられてしまう。
ルナのカードがとられてしまう!!そう思った瞬間。藍の夢から覚めた。
「偶然ではない気がするわ。」
次の日、ルナはまた同じような夢を見た。
「考えすぎか。」
最近ルナは新弾の情報を調べたり、新しいデッキ構築を考えたり、
バトスピのことばかり考えていた。
「本当にあんなことがあるなら、俺はますます負けられないな。」
それはもちろんカードを奪われたくないっていうのもあるだろう。
しかし、ルナの場合、ただカードが奪われただけなら、また買えばいい。
本当の理由は、相手のことを許せないから、そんなことをする奴らをほってはおけないからだろう。
「たまには気分転換でもするか。」
そういってルナは部屋を出た。
藍はその時、近所の本屋にいた。
「え~っと、ルナが好きそうな料理は~。」
ご機嫌な藍は、今度ルナと遊ぶときに出す料理を練習するため、レシピ本を眺めていた。
「あれ?藍じゃん。」
「ほぇ?うわぁあああああああああ!!!!!!!!!!!」
そこに現れたのはもちろんルナ。気分転換に読書でもしようと思ったのだろう。
「レシピ見てたのか、ごめんな、邪魔して。」
「びっくりさせないでよ・・・もう。」
「勝手にびっくりしただけだろ。どれどれ~、肉じゃがかぁ。庶民的だな。」
「庶民で悪かったわね、まだこれくらいのものしか作れないのよ。」
「でも一回は食べてみたいかも、藍が作る肉じゃが。」
「えぇ!?///ちょ///何言ってるの!?」
「今度行くから練習しといてな。」
「ほぇ?」
「じゃあな。」
「ちょっと、待ってよぉ~。」
藍は、肉じゃががのレシピが載ってる本を買いルナの後を追った。
「今日は車じゃないの?」
「ちょっと気分転換に散歩だ。歩きでここまで来るのは初めてだけどな。」
「両親の許可は得たの?」
「藍の料理食べたらな、俺もいつまでも使いに頼ってるわけにはいかないと思ってな、
外出ぐらいさせてくれって言ってきた。」
「そう。」
藍はなんだかうれしそうだ。
「これからどうするの?」
「藍は予定なかったのか?俺は気分でここまで来たから、別に予定なんてなかったよ。」
「私は料理の練習しようと思ってたから。」
「じゃあ俺も料理やってみようかなぁ・・・」
「え?ルナが?絶対ダメ。失敗する。」
「失敗は成功のもとじゃんか。」
「まぁそうなんだけど・・・」
「いいだろぉ、手伝いくらいさせろよ。」
「仕方ないわね。・・・///」
藍の顔がなぜか赤くなる。
「おい、熱でもあるのか?顔赤いぞ?」
「違うわよ!!ただ・・・ルナと一緒に料理なんて・・・なんだか、新婚・・・」
「なに?聞こえねぇぞ。」
「ななななんにもない~!!」
「相変わらず変なやつ。じゃあ藍の家まで行こうぜ。」
「う、うん。」