シリーズ(テスト)の最後に採血について。
病院やクリニックでも、時々しますね。真っ先に出てくるのが、白血球です。正常では3500~9000です。多くは骨髄で作られ、寿命は1~2週です。白血球は主に免疫を担当しています。
何を見ているかといえば、少ないと骨髄の低形成を考えますが、多くは増えます。この時にその分画も調べます。
幼弱化ー「左方移動」といいますーがあれば細菌などの感染が多いです。好酸球が増えれば、アトピーや喘息などのアレルギー疾患か、寄生虫の感染です。
また異形リンパ球が見られると、伝染性単核球症「別名Kissing disease エプスタインバール ウイルスの感染で青年に多い」の可能性が出てきます。
長く続く高熱や扁桃炎や首のリンパ節腫脹があります。
増殖性疾患である白血病では数十万になることもあります。
ただ単に感染や炎症でCRP「炎症タンパクで肝臓で作られる」とともに上がるだけではないですね。白血球の増減について何となくわかりましたね。その分布は流血中よりも血管壁や組織内(マージナル白血級)に多い。
次に来るのが赤血球ですが、ヘマトクリットやヘモグロビンと一緒にして、赤血球の大きさやヘモグロビン濃度もついでに見ます。数などが少ないと骨髄の低形成や白血病をまず考え、その次に溶血やその原因を考えます。多いと「多血症」を考えます。
血小板は少ないと「紫斑」というような出血が見られます。白血病でも減ります。出血があると血小板「動脈性が多い」の異常か、凝固因子の問題か考えます。この時PTやFeやフェリチンやハプトグロビンが参考になります。
個人的印象では、フェリチンと悪性腫瘍との関連を感じます。このように単純な血算でも多くのことが判ります。ということは以下の種々の酵素もいろいろの臓器の異常を示唆しているということです。
GPTがわずかに高値だけで、所見と合わせ、強く疑いCTを紹介して、頭部すい臓がんを見つけてあげたこともありました。異常値があれば、何でも疑っていくべきですね。
特殊な抗体を含め、わかっている病気のフォローをしている事がありますが、時には全身のチェックも必要だと思います。