今日は、名古屋能楽堂 五月定例公演へ。
開演前ショート解説:『田村』について 高林昌司(シテ方喜多流)
狂言「不腹立」(和泉流)シテ:野口隆行
能 「田村」 (喜多流)シテ:長田 郷
令和8年度の名古屋能楽堂の定例公演が始まりました。今年度のテーマは、「豊臣能楽 豊臣家の能と狂言 兄弟が愛した能楽」。昨年は、三島由紀夫、一昨年は徳川家康がテーマでしたが、今回は、大河ドラマ「豊臣兄弟!」と合わせてなのでしょう、豊臣能楽がテーマのようです。
今年度のテーマについてWebサイトによれば、
「豊臣秀吉はその晩年、能に熱中します。稽古に励み、自らも出演する宮中での禁中能を企画し、さらには自分の事績にちなむ新作、いわゆる”豊公能(太閤能)”を作らせたほど。
彼に先んじて能に関心を寄せていた弟の秀長は、天正十六年九月上洛していた毛利輝元が郡山城を訪れた際に盛大な能の宴でもてなしたことや、能役者・金春太夫安照を引き立てていたことが史料から伝わります。後の秀吉の金春愛顧は弟からの影響もあったことでしょう。」とのこと。
織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も、能が好きだったことは、これまでのテーマや解説などでも知る機会がありましたが、それぞれで好きな演目に違いがあったのだろうか、今年の定例公演が楽しみです。
今回の演目の能《田村》は、「秀吉本人が何度か舞った記録があり、また秀長が生前に後援していた金春安照が、秀吉に召された肥前名護屋城にて文禄二年四月に演じている」のだそう。
能「田村」。
清水寺で僧がの前に少年が現れ、坂上田村麿[田村丸]が清水寺を建立した謂れを語り、春の宵の桜を共に楽しむ。夜半、読経する僧の元に武者姿の田村麿の霊が現れ、観音様の加護の元、鈴鹿山の朝敵を討ちとったことを語るという物語。
「田村」は、これまでに2回ほど観たことがあります。それらは観世流の舞台で、今回は喜多流の舞台でした。舞台が清水寺の桜の季節なので、清水寺を訪れたときには、ここが「田村」の舞台かと思って、より楽しめましたし、反対にこうやって舞台を拝見すると、清水寺の風景がイメージされて、それもまた楽しい、想像イメージの相乗効果があります。また、舞いの動きがカッコ良くて、能の物語の中では勇ましい戦いを舞いながらも、その後、修羅道に落ちて苦しむというものが多い中で、明るい、すっきり感のある演目でした。
次回の定例公演も楽しみです。

