名フィル 定演527 運命に怒る | 翡翠のブログ

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今日は、名古屋フィルハーモニー交響楽団の第527回定期演奏会
〈運命に怒る〉へ。

出演
川瀬賢太郎(指揮/名フィル音楽監督)
佐藤晴真(チェロ)*
山本友重(コンサートマスター/特別客演コンサートマスター)

 

プログラム
▊ ベートーヴェン[シュルホフ編]:ロンド・ア・カプリッチョ ト長調 作品129『失われた小銭への怒り』
▊ グルダ:チェロ協奏曲*
▊ ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67『運命』

 

出演者一覧

 

たぶん、普通だったら後半のベートーヴェンの交響曲第5番「運命」を聴きに行く演奏会だと思うのですが(そして、もちろんそれも聴きたかったですが)、今回、もう一つ、私のお目当てはチラシにも写真の載っている佐藤晴真さんです。今年の名フィル定演の中でも、すごく楽しみだったプログラムです。

 

ベートーヴェンの『失われた小銭への怒り』は、プログラムの解説に寄れば実際には近年見つかった自筆譜から、ベートーヴェンが付けたタイトルは「カプリッチョ風ハンガリー曲」で、副題は別人の筆跡らしいのだそう。運命や第九をイメージすると、だいぶ雰囲気が違う。

 

グルダのチェロ協奏曲は、初めて聴きました。こちらは名フィルがポストしてくださったリハーサル風景ですが、本番も指揮の川瀬さんとチェロの佐藤さんは、普段よりはカジュアルっぽいシャツの恰好。

 

舞台配置図。二度と無い舞台配置とのこと。配置代えの時に、ドラムのセットが舞台にすべって出てくると、客席も「おお!」となる感じ。チェロにマイクが置かれ、コントラバスにもマイクスピーカーが付き、ジャズっぽい舞台に。

加えて事前に名フィルのXでのポスト「この奏者に注目」がチェロ以外の奏者、打楽器、コントラバス(ジャズベース)、ギターを紹介してくださっていて、気になって。

 

 

 

佐藤晴真さんはもちろん、紹介された奏者もすごくて、かっこよくて、たまらない演奏でした。ジャズっぽかったり、ロックっぽかったり、「何、これ、これもクラシックなの?」という部分と、クラシックらしいところが混ざっていて、面白かったです。

第3楽章のチェロソロは、引き込まれるような、とびきりのカッコ良さで。第4楽章は、スペインのフラメンコっぽい、アランフエス協奏曲っぽさもあって、これまたカッコ良い。一転、第5章はパレードのような、ノリノリの楽しいマーチでした。

指揮の川瀬さんと、チェロの佐藤さんの組み合わせだからこそできた演奏という気がしました。

 

ソリスト・アンコールのマーク・サマー:Julie-O(ジュリー・オー)もまた、すごくカッコ良い曲で、チェロのソロリサイタルで聴けるような曲でした。

 

後半は、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」。これもまた良かった。少し早めにテンポで詰める第1楽章、ゆったりめの第2楽章。ラストの第4楽章は輝くばかりでした。

今回の定期演奏会のテーマは「運命に怒る」ですが、実際には怒っていないプログラムだと思います。「失われた小銭」も軽やかだったし、チェロ協奏曲もカッコ良く楽しかったし、「運命」は、感情、熱情は熱さを感じるけれど決して怒ってはいない、そこには喜びも感じられる、「歓喜」というサブタイトルでも合っていると思える。日々の生活で、つらいことや、へこむことがあっても、ベートーヴェンの第5番や第9番を聴いたら、生きていて良かったと思えるし、明日も生きたいと思える、そんな演奏でした。

 

チェロを聴きに行く日は、ブローチもチェロ。