後から自分で記事を探しやすいよう、2つに分けました。
浴衣読書会の課題本 幸田文 きもの
「きもの」は、とても面白く読みました。きものについての描写が多く、浴衣以外の着物も着てみたくなります。また幼少時の着物を仕立て直したという敷布団はどんなかんじなのだろう?華やかそう。非常に面白い一方で、着物についての知識があったら、もっと楽しめるのかもとも思えました。せっかく、季節や場面の折々での着物の描写、説明が、わからない、イメージできないので、もったいない悔しい気持ちでした。
物語本体については、まず、祖母のキャラクターが素晴らしく良い。さすが年の功、深みがある言葉、知恵、孫の三姉妹への愛情と厳しさなど、読んでいて、とても好きになったキャラクターでした。るつ子の二人の友人もまた、真の友情を知るものとして描かれています。
姉妹3人の書き分け、性格の違いが面白い。特に長女の結婚後の変貌は、実際には結婚前から、その素養があったのかもしれないし、それが結婚によって大きく現れたのかもしれません。次女の方が、幸せな自分にあった結婚をしたといえるのかも。
一方で、主人公である「るつ子」の結婚、結末は、なんだか宙ぶらりんというか、腑に落ちないというか。終盤、あんな急に惹かれ、結婚する展開になるとは予想外でしたし、いったい、あの後どうなったのか?私には、あまり幸せな結婚生活が続く予感がしなかったのですが、そこでぷつんと完結するとは、驚き、唖然でした。やはり作者が自分の分身として描いているからか。
物語の「きもの」についてと、雑談的に着物についてなど、色々話せて、聴けて、楽しい会でした。