京都薪能 光源氏の夢 2 | 翡翠のブログ

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第73回京都薪能 光源氏の夢 二日目

 

二日目プログラム

観世流能 「須磨源氏」 ( 前シテ ) 浦部幸裕 ( 後シテ ) 河村晴道
観世流能 「野宮」 ( シテ ) 青木道喜
大蔵流狂言 「ひめあらそい」 ( シテ ) 茂山千之丞
金剛流能 「土蜘蛛」 ( 前シテ ) 廣田泰能 ( 後シテ ) 豊嶋幸洋

二日目の今日も源氏物語にちなんだ演目が並んでいます。

 

今日は朝から雨が降っていて、旅行前の週間予報では曇りだったのにと、上がることを祈る1日。会場の決定告知では予定通り屋外とあり、嬉しいけど大丈夫か?と思いながら会場へ。5時に上がる予報も止まず、傘をさしながらドキドキ。ギリギリ開演の6時にやみました。

 

晴れてくれたおかげで「須磨源氏」の光源氏はまさに謡の言葉通り、天からさす光の元になりました。4月に京都観世会館の定機能で観たばかりでしたが、この演目はシテとして光源氏が登場するのですごく楽しみでした。同じ美青年、美少年でも平家物語の平家方のシテの面が苦しそうだったり悲しそうな表情なのに対して、今日の須磨源氏は優しげで気品あるお顔に見えました。

 

「野宮」の六条御息所はしっとり、六条御息所は好きなキャラなので、この描き方は嬉しい。もちろん演目としては葵上、スペクタクルで大好きですが。ただ、この「野宮」の演目は美しくはあるのですが昨日の「半蔀」と同様、物語の盛り上がり、動きはあまり無いので、途中で少しぼーっとしてしまうところがあるのは否めませんでした。なかなか私の鑑賞レベルが上がりません。

 

「土蜘蛛」は、それ時代が面白い演目なのに加えて、昨日と見比べながら楽しめました。ラスト少し前にまたポツポツしてきましたが、土蜘蛛との熱い戦いを演じ切ってくださいました。昨日が観世流、今日が金剛流のせいか、セリフや後半の土蜘蛛の動きなど少し違うような気がしました。たとえば昨日や、以前に観たものは、頼光が土蜘蛛を切った刀を「蜘蛛切」と名を変えようという言葉があったのですが今日は無かったですし、巣からの土蜘蛛の登場や戦いの動き、最後の負けた時の動き、結末の消え方など。流派の違いなのか小書きの違いなのかわかりませんが、、見比べられたのは面白かったです。

 

京都薪能って良いなあ。なんといっても背景も雰囲気もいい。

今回、ぎりぎりまで雨が降っていたので、会場のスタッフの方々が、ずっと客席の椅子をふいてくださったり、舞台も開演前に水をふいたりしてくださっていました。また演者の方々も、舞台には水が残っていたと思うのですが、そんなことを感じさせない面白い楽しい、いつも通りの舞台をやってくださりました。土蜘蛛の糸が、おそらく空気が湿気っているため、いつもより飛ばしにくいようにお見掛けしましたが、それでもそれを超えて舞台を作り上げてくださったように思いました。

今後も開催が週末に重なった時は、ぜひまた観に来たいです。