「賢治」Ⅱ 宮沢賢治~「春と修羅」 | 翡翠のブログ

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今日は、「「賢治」Ⅱ 宮沢賢治~「春と修羅」」を聴きにサラマンカホールへ。

≪出演≫
ヴァイオリン:久永彩加
チェロ:紫竹友梨
ピアノ:李仁香
音楽・作編曲:小笠原彩乃
朗読:野田留莉菜(サラマンカ少年少女合唱団)
語り(旅人):後藤卓也(劇団芝居屋かいとうらんま)

台本・演出:金子根古(サラマンカホールスタッフ)

 

プログラム

ドビュッシー:夢

小笠原彩乃:心象スケッチ「序」

J.S.バッハ:主よ、人の望の喜びを

讃美歌320番:主よ、御許に近づかん

小笠原彩乃:賢治をめぐる旅

坂本龍一:Aqua

林光:ポラーノの広場

シベリウス:ロマンスOp.24-9

ベートーヴェン:Piano Trio Septet Op.20-1

D.ワイス:What Wonderful Word
小笠原彩乃:賢治をめぐる旅(reprise)
小笠原彩乃:心象スケッチ「跋」

 

朗読

心象スケッチ「春と修羅」序

春と修羅

雨ニモマケズ

岩手山

ポラーノの広場の歌

白い鳥

青森挽歌

生徒諸君に寄せる

 

アンコール

星めぐりの歌 童話「双子の星」より

 

この音楽と朗読を組み合わせたイベントは、前回、1年前にも開催され、それがとっても良かったので、今回も楽しみでした。

 

加えて、「今年は賢治が生前に刊行した唯一の詩集である『春と修羅』刊行から百年になる」のだそう。

 

 

「春と修羅」は好きな詩です。ほんの一文しか覚えていない身で好きと言うのはおこがましいですが。

 

はぎしり燃えてゆききする

おれはひとりの修羅なのだ

 

の部分、好きなのです。

 

宮沢賢治の詩や物語は、美しいけれど哀しく寂しい、「死」もよく描かれている、けれど聴いていると「死」だけでなく「生」も感じられる。

今日の公演では、一緒に合わせて演奏される音楽のせいか、一層、そう感じました。演奏された曲は、悲しみを歌うより、美しく、生命力にあふれ、かっこよく心や体が揺さぶられるような曲だったので。

 

今回は朗読に加えて、語りが入り、語り手が宮沢賢治の詩との出会い、想いを語るというものでした。小学生で賢治の詩を授業で読み、よくわからないながらも惹かれ、その後も詩と出会い、意味を考え続ける。そして東北大震災の被災者であった人たちが、その後に起きた別の地の災害の被災者に贈った宮沢賢治の「雨ニモマケズ」のメッセージを見て、岩手を、賢治を訪ねるという語りは、一層、音楽と詩の朗読に心が一緒に沿うような気持になりました。

 

今回もまた、とても素晴らしい演奏会でした。