マリオ・ブルネロ J.S.バッハ無伴奏リサイタル | 翡翠のブログ

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マリオ・ブルネロ J.S.バッハ無伴奏リサイタル しらかわホール

 

 

プログラム
J.S.バッハ
無伴奏チェロ組曲  第1番  ト長調  BWV1007<チェロ>
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番  ト短調  BWV1001<チェロ・ピッコロ>
無伴奏チェロ組曲  第4番  変ホ長調 BWV1010<チェロ>
無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ  第2番  ニ短調  BWV1004<チェロ・ピッコロ>

 

アンコール

①J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調 BWV1006 より ガヴォット
②J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012 より ガヴォット

 

マリオ・ブルネロは、1986年チャイコフスキー国際コンクールで優勝された方だそう。今回の演奏会では、バッハの無伴奏チェロ組曲をチェロで、同じくバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータを日本初披露となる4弦のチェロ・ピッコロで演奏という内容でした。

 

チェロで演奏された無伴奏チェロ組曲第1番は、ずっと自分も好きで練習している曲でもあるのですが、まろやかで優しく、でも軽やかで、これこれ、これがチェロの音色なのよ!となる演奏でした。今、読んでいる無伴奏チェロ組曲についての本にあるように、ずっと単なる練習曲だと思われていたのが、カザルスが弾いて、その素晴らしさを知らしめたということですが、その通り、弾き方でこんなに豊かになるのだなあ、私の練習曲とは全然違うなあという音楽でした。

 

第4番は、これまであまり聴いたことがなかったのですが、同じ6曲構成でも第1番とは雰囲気も大きく変わり、ピッチカートの部分や重音の和音が良かった。最後のジーグもカッコよく、おお!と心が躍る感じでした。

 

一方、無伴奏ヴァイオンのためのソナタとパルティータ。

ピッコロ・チェロは少しサイズが小ぶりで、通常5弦、ド・ソ・レ・ラの上にミの弦がある古楽器。バッハの無伴奏チェロ組曲は、バッハの手によるオリジナルの原譜が残されておらず、演奏楽器の指定もわからないのですが、第6番はピッコロ・チェロを想定して作られたらしい。

が、マリオ・ブルネロの使用している4弦のチェロ・ピッコロは、ヴァイオリンと調弦が同じでオクターヴ低い音なのだそう。

と予習をして臨んだものの、あまりよく差異がわからない。演奏を聴いた限りでは、なんとなく低音は通常のチェロの方が深みがある気がしました。高音はよく鳴っているかも。しかし、楽器の違いによるのか曲の違いによるのか、私のつたない視聴経験ではわかりませんでした。技巧はこちらの2曲の方が難しいのかな?ヴァイオリン向けということで。旋律と伴奏を同時に1本で弾いたりもあったし。音色の違いを求めてピッコロなのか、ヴァイオリン向けの技巧のためにピッコロの方が良いのか、そこも正直わからなかったのですが、ヴァイオリンのように技法難易度が高く、私の好きなチェロの音色でもあるという美味しいどこ取りといえるのかもしれません。

 

アンコールもピッコロと通常チェロで2曲もやってくださり、とっても楽しめた演奏会でした。

加えて、しらかわホールは、名古屋の宗次ホール、岐阜のサラマンカホールと並んで、コンパクトだけれど美しく、音もいい、演奏会に行くのが楽しみになる素敵なホールです。コロナの影響なのか、今年の1月に「経営状況や今後の維持・修繕費等を勘案し、2024年2月29日をもって閉館」というアナウンスが出ましたが、なんとかならないものだろうか?惜しすぎる。中日劇場も無くなって名古屋の文化の火がしぼむ。寂しさ大です。

 

しかし、客席の入りは半分とまでは言いませんが、2/3は無いような。せっかくの素敵な演奏会なのに。しかし実は私自身も、今日の演奏会をためらう要因がありました。今日、同じ日に名古屋の別の会場、愛知県芸術劇場のコンサートホールで、ミッシャ・マイスキー バッハ「無伴奏チェロ組曲」 全曲演奏が開催されているのです。中京テレビ主催名古屋クラシックフェスティバルの公演情報を見て、最初、「ええ!それはないでしょう?名古屋で同日に、チェロの無伴奏組曲演奏会を重ねるなんて!どちらかずらしてくれよ!なんで重ねるの?東海テレビと中京テレビでケンカしてるの?」と、ショックでした。1週間ずらしてくれれば両方聴きに行くのに。1日ずらすだけでも。そりゃあ、同日に演奏会が重なることは、ままあることだけれど、どちらもチェロ、バッハ無伴奏組曲って客層かぶりすぎでしょう?!

結局、迷った末、両方を聴きたかったので、今日はマリオ・ブルネロで第1番、第4番を聴き、ミッシャ・マイスキーは2日間で今日、2日が第1番、第4番、第5番、明日、3日が第3番、第2番、第6番なので、明日行くことにしました。でも、やっぱりずらしてほしかったのが本音です。