チェロ | 翡翠のブログ

翡翠のブログ

日々の徒然をつづっています。コメントは承認後公開させていただきます。

テーマ:

憧れだったチェロを習っています。演奏会とか楽団とか、全然表で弾く予定はみじんもなく、ただただ弾きたくて習っています。

 

楽器演奏の経験は0ではなく、小学校の低学年のころにピアノ。これは両親の希望だったように思います。父は娘にピアノかフルートをやってほしかったらしい。しかし、あまり練習しなくて、父の転勤のタイミングで辞めてしまい、家にあるクラシックのレコードを聴くくらい。

中学校の部活でブラスバンド部に入り、アルトサックスを始めました。ブラスバンドは、とっても好きで、高校もブラスバンド部が盛んなことが選択の理由の一つでした。毎日毎日、盆と正月以外は練習があって、文科系だけれどノリは体育会系でした。合わせて市の日中友好親善団のメンバーになって、中国で演奏会もしました。高校時代には、エレキベースも弾いていて、コピーバンドで文化祭に演奏したりしていました。大学時代には、ジャズ研に入って、ウッドベースを弾いていました。

卒業後は、演奏する機会は無くなって、ジャズやクラシックを聴きに行ったり、CDを聴くくらいでしたが。子どもが、そろそろ手がかからなくなってきて、ふと、また自分で演奏したい気持ちになって、弾きたい気持ちになったのがチェロでした。低音の響きが好きなのだと思います、私。

 

レンタル楽器で習い始めて、しばらくした時に弦楽器のフェアがあり。普段よりたくさんの楽器を実際に見て、試奏もできますとのご案内をいただき出かけました。居並ぶヴァイオリンの数と種類にはかないませんが、チェロも何台か並んでいて、スタッフの方が試奏してくださり、私にも自分で弾き比べてみてくださいと弾かせてくれました。弾いちゃったらもうダメですよね。何台か弾き比べてみると、一台一台音色が違いました。私のギーコギーコでは違いは少しですが、スタッフの方が弾き比べてくださると、より音色の違いが鮮明になる感じでした。同じ価格帯のものを比べているので、良し悪しというわけではなくて、個性というか好みというか。私はドイツという国が好きなので、当初選ぶのだったらドイツ製のが良いなあと思っていました。ドイツ製には素晴らしい楽器があって、天井知らずですから。ただ、その時たまたま並んでいたものの個性だったのかもしれませんが、ドイツ製のものは明るい軽やかな音色で、弾いた中ではルーマニア製のものが一番、しっとりした優しい音色で好みでした。特に低音の音色が深みがあって、私の好きなチェロの音という感じでした。


ということで可愛い私のチェロです。
シモン・ヨーゼフ Simon Joseph ルーマニア

Simon Joseph(Simon József)は、東欧ルーマニアの工房。飴色の美しいボディです。

 

弓は、アリー・フランス Ary FranceのCPI。こちらのメーカーは1974年創業のフランス名門メーカーで、20人以上の優秀な職人が年間20トン以上ものヘルナンブコ材から、およそ7000本の弓を生産しているのだそうです。最初に勧められた弓は、ちょっと躊躇するお値段だったので、もう少しお値打ちのこちらにしたのでした。それ以来、私にギコギコされている、可愛い子たちです。
 

今日、レッスンに行きましたら、ちょうどお試しの楽器と弦が複数台あり、何台が試し弾きしつつレッスンできました。時々、あるのです。もちろん気に入って買う人が出るのを期待してのことでしょうけれど、買う予定のない私も弾かせてもらえました。

 

始めに75万円のチェロに、40万円の弓!弓が40万円と聴くと驚きますよね。楽器は見るからに作るのに手がかかりそうだから、値段に納得しますが、弓、こんなにシンプルなので40万円かと。しかし、このチェロと弓の組み合わせ、すっごく音が鳴る感がありました。何もしてなくても、音階でも音が良いのですよ。音が鳴りすぎて、ちょっとの音程のずれも目立つくらい。オペラのテノール歌手かという響きでした。
次に60万円のチェロに5万円の弓、こちらは、コントロールしやすい、素直な優しい感じの音色。先生は、こちらの楽器の方が面白みがあって好きとのことでした。で、この組み合わせで弾いてみてから、弓を変えてみましょうかと提案されて、先ほどの40万円の弓と組み合わせたら、優しい音ながらも鳴りが、響きが、豊かさが増しました。おお!やっぱり、お値段の違いの意味は確かにあるんだ、という納得でした。

 

そういえば、今年の初めにチェロの駒が少し歪んでしまい、工房に修理に出したときのこと。販売もされている工房だったので、ちょうどそのときにあった弓を何本か弾かせていただけたのですが、その中の一本が、140年ものの逸品で、確か160万円くらいだったか、お値段にびびって、弾くのがためらわれる、それどころか持つものふるえるドキドキ具合でした。私の楽器では楽器が負けます・・・。
それよりもう少しお手頃というものを何本か弾き比べさせていただき、一番好み(140年ものより、むしろ今の私の腕には合う感じ)のものに、おいくらくらい?と尋ねると、それでも60万円、それがお手頃! 楽器の世界、恐ろしい世界・・・。私の使っている弓は、楽器の1/10という庶民の入門用なので、次には楽器の1/2程度を目指そうかと、そのとき一瞬思いながらも手は出せていません。

とりあえず、楽器より、まずは練習だよねと、今日もギコギコするのでした。憧れの曲の一つがこれです。
「バッハの無伴奏チェロ組曲 Bach Cello Suite No.1 in G( Suiten für Violoncello solo)」