名フィル 定演 バーンスタイン | 翡翠のブログ

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今日は名フィル、名古屋フィルハーモニー交響楽団の第460回定期演奏会〈オーデン『不安の時代』/バーンスタイン生誕100周年記念〉に行って来ました。

 

プログラム
バーンスタイン: スラヴァ! (政治的序曲)
バーンスタイン: ミュージカル『ウエスト・サイド物語』からのシンフォニック・ダンス
バーンスタイン: 交響曲第2番『不安の時代』*

 

川瀬賢太郎(指揮/名フィル指揮者)
小曽根真(ピアノ)*

 

今回のプログラムはバーンスタイン生誕100周年を記念した内容。今年はこの演奏会以外にも幾つか同様なバーンスタイン特集のコンサート開催案内をみました。

レナード・バーンスタイン (Leonard Bernstein)は、ユダヤ系アメリカ人の作曲家、指揮者、ピアニストで、カラヤンと並ぶ20世紀後半のスター音楽家の一人とみなされているのだそう。社会的なメッセージを発信する活動も行い、1985年8月には広島で、被爆40周年を悼む「広島平和コンサート」を開催されています。またベルリンの壁崩壊のあった1989年のクリスマスには、ベルリンでベートーヴェンの交響曲第9番を指揮し、この時第4楽章の「歓喜の歌」の“Freude”を“Freiheit(自由)”にして演奏したのだそうです。

 

開演前のロビーコンサートは、名フィル ヴィオラ・セクション9人によるラヴェル[吉田浩司編]:ボレロ。順にメロディを演奏していくのですが、1人1人音色は楽器の違いもあってか異なるものだなと楽しめました。

 

政治的序曲『スラヴァ!』(Slava! A Political Overture)は演奏時間は約4分と短い曲ですが、政治的な演説と群衆の歓呼や拍手が効果音として曲中で流されるというユニークで面白い、モダンアートのような、実験のような曲でした。最後に団員が"Slava!"と叫んで終わります。

 

シンフォニック・ダンスは、ミュージカル『ウエスト・サイド物語』中の主要な曲を集めてオーケストラ用組曲に編曲したもので、

1.プロローグ (Prolog)
2.サムウェア (Somewhere)
3.スケルツォ (Scherzo)
4.マンボ (Mambo)
5.チャチャ (Cha-Cha)
6.出会いの場面 (Meeting Scene) 〜クール (Cool) 〜フーガ (Fugue)
7.ランブル (Rumble)
8.フィナーレ (Finale)

から成ります。

ウエスト・サイド物語は映画と劇団四季による舞台を観たことがあり、音楽も大好き。なのでこの組曲は場面が想起されてすごく良かった。演奏中に楽団の方が指を鳴らしたり、「マンボ!」と叫ぶのも面白い。川瀬賢太郎の指揮はまるでミュージカルで踊っているかのよう。エンターテインメントとして楽しい面白い演奏でした。

 

最後に交響曲第2番『不安の時代』。

文豪シリーズの今期定期演奏会、今回のレナード・バーンスタインの交響曲第2番『不安の時代』は、英国の詩人、W・H・オーデンによる詩『不安の時代』に触発されて作曲されたのだそう。ですが、この詩集、絶版なのかネット書店の販売値が非常に高くて手が出せません。詩の内容は「第二次世界大戦末期のニューヨークで暮らす4人の人間の孤独を描いたもの」だそう。

その詩から生まれた曲はバラエティーがあって、寂しげだったり暗かったり激しかったり。ピアノの独奏は世界的ジャズ・ピアニストの小曽根真さん。華やかで艶のあるカッコいいピアノでした。途中の楽章では、コントラバスが1人、ピアノの横に移動して、オケをバックにピアノトリオのジャズのようでした。

 

ソリストアンコールは、小曽根真:MO's NAP(モーツァルトのお昼寝)。首席クラリネット奏者=ロバート・ボルショスさんが、一緒にピアノの横でソロ演奏されました。

オケのアンコールは、バーンスタイン:マンボ。ピアノの小曽根真さんも入っていただけた特別バージョン。指揮者の川瀬賢太郎さんが「会場の皆さん、マンボって言いたいですよね」とふり、まずはオケ楽団員の皆さんの「マンボ!」、次にいつものコンマスの日比さんに「マンボ!」と言ってもらい。さらに川瀬さんが、「日本中の演奏会で観客に「マンボ」と言ってもらうくらいはやられているので、同じことをしたくない」といって、ピアノの小曽根さんにも加わっていただいたスペシャルバージョンの演奏で、客席も「マンボ」と叫ぶノリノリの演奏。演奏会後に、こんなノリの名フィルは初めて観たと一緒に観に行ったクラシックに詳しい知人が言っていました。


凄く楽しいドキドキした遊園地のような演奏会でした。