劇団四季 ウェストサイド物語 | 翡翠のブログ

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旅行明けでなんとなくだるい一日でした。夜のドライブ時に助手席に乗っていると緊張するのか、運転もしていないのに首と肩が凝って今日は痛い。夫は今日、休みをとっていたらしいですが私は外せない仕事が、でも夕方からお出かけしたい予定があったので、早めに仕事に行き、お昼にいったん昼食に帰宅。それから仕事に戻り、少し早めに終えて帰宅、夕食の用意をして出かけました。

 

劇団四季の「WEST SIDE STORY ウェストサイド物語」。

 

ストーリーは何となく知っていて、小さいころに観た様な気もしますがおぼろげ。始まりの反目し合っているグループ同士の小競り合いは、自分が「おばさん」になったせいか、何だか可愛く感じてしまう。エネルギッシュでパワフル。

 

トニー役の田中彰孝産の歌う情熱的なラブ・ソングの「マリア Maria」素敵です。トニーとマリアの歌う「トゥナイト Tonight」も、とっても素敵。どちらも馴染み深い曲です。決闘前のリフとジェット団、ベルナルドとシャーク団、アニタ、マリア、トニーの五重奏のトゥナイトは厚みがあってとっても素晴らしい。

 

プエルトリコグループの少女達が踊る「アメリカ America」、スペイン風でカッコいい、特にアニタ役の岡村美南さん、すらっと背が高く手足も長く、踊りも声もシャープでかっこいいです!

 

第一幕の終わりは決闘の悲劇のシーン。私の中のウェストサイドストーリーの記憶はここで終了なので、これで終わり?と一瞬思いましたが、休憩の後後半の2幕へ。美しくて哀しい「サムホエア Somewhere」。そしてさらなる悲劇へ。

 

昔子どものころに映画版を観た時には、正直そこまで好みでないというか。まずウェストサイドによらず、そもそもミュージカル自体が馴染めなかったし。突然歌いだし、皆で踊りだすのについていけず、歌が入ると物語の進行が止まるので、歌やダンスが終わって早く本編が進んでほしいなんて思っていました。

そのうえ、ウェストサイド物語、ケンカ&ロミオとジュリエット、悲恋モノであまり感情移入できずでした。

 

でも、今回観て、背景となる移民と既住民間のの対立、移民間の対立、人種差別、自由と成功の国アメリカの影の部分、貧困、自分たちは差別されている、正当に評価されていない、尊厳を踏みにじられている、侮蔑されているという悔しさ、屈辱。貧困の元で、わずかなパイを取り合い、自分のパイが取られているという怒り。こういったものをとても感じました。

ジェット団とシャーク団、対立している場合じゃないよ、どちらも虐げられ、敬われず、ゴミ扱いされている、どちらもが怒るべき共通の敵は別にいるのじゃないの?って。

 

テーマになっている社会問題は、今もほとんど同じまま残っているように思います。自分と考え方や文化の異なる人間同士の怒りと憎しみの衝突がテロや民族間抗争になって、まだ全然、ウェストサイド物語の最後のような歩み寄りは遠いです。

 

しんみりしながら最後は観たのですが、それと同時に、熱くクールでかっこいい劇団四季のみなさんでした。