こんにちは晴れ

 

今日の朝ドラ『ブギウギ』は

淡谷のりこ役 茨田りつ子の『別れのブルース』

笠置シズ子役 福来スズ子の『大空の弟』の2曲を歌うだけの15分で

泣かせましたね~~~えーん

 

昭和20年の夏、広島ではもう原爆が落ちて、そのことが新聞によって全国民が知った頃

 

茨田りつ子は鹿児島の特攻隊基地にて、慰問公演を行いました。

りつ子は「皆さんが聞きたい歌を歌います」とリクエストしますと

特攻隊員たちは「別れのブルース」をといい

茨田りつ子は「別れのブルース」を歌いきりますが

舞台を降りて泣き崩れます。

 

聴いていたのは若い男の子たち

今日でも、明日にも、戦闘機にのり、戻らない人たちでした。

 

一方、北陸を慰問演奏会をしながら旅していた福来スズ子たち

泊まった旅館は、焼け出されたであろう人たちの避難所にもなっていました。

 

そこで知り合った小さな子供を持つ仲居さん

夫はもう戦死したとスズ子は聞きました。

翌日の演奏会(野外)で、スズ子はその人のために『大空の弟』を歌うのでした。

 

私は息子が2人なので

戦争で招集されるシーンや、このような若い軍人さんのシーンでは、もう号泣なのです。

絶対、絶対、戦争に行かせたくありません。

だから絶対戦争が起こってはいけないのです。

「お国の為」なんて真っ平です

自分の子供をみすみす死にに行かせられません

人殺しにもできません

どうしたら行けなくできるか、必死で考えると思います。

 

そういう目で、もう一度今ニュースで流れている紛争を見たら

もっとNO WARと思わずにいられません。

 

『大空の弟』の歌詞を載せますね

一度ご覧ください。

 

 

音符かねてより われらを苦しめた

憎い顔した 敵軍ども

日ごろ鍛えた この腕で

重い小銃 かかえこみ

ガーンと 突進しています

〇〇隊にて 六郎より

 

ラジオや 新聞に

もしや六郎の部隊の名が

書いてないかと

 

どこにどうして いるのやら

いつも〇〇部隊 〇〇方面

〇〇隊 〇〇〇ばかりなり

〇〇〇では わからない

 

姉さんも 体の弱い父さんと

いつもあなたの お話ばかり

ご親切な 隣組の皆様方の

厚い情けに守られて

なにひとつ 不自由なこともなく

暮らしています

 

これもひとえに弟の おかげと思い

姉さんは 遠い戦地を偲ぶごと

厚い感謝に 泣けている

 

 

君死にたまふことなかれ   


             旅順口包圍軍の中に在る弟を歎きて           
                                与謝野晶子       
 あゝをとうとよ、君を泣く、
君死にたまふことなかれ、
末に生れし君なれば
親のなさけはまさりしも、
親は刃(やいば)をにぎらせて
人を殺せとをしへしや、
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや。

堺(さかひ)の街のあきびとの
舊家(きうか)をほこるあるじにて
親の名を繼ぐ君なれば、
君死にたまふことなかれ、
旅順の城はほろぶとも、
ほろびずとても、何事ぞ、
君は知らじな、あきびとの
家のおきてに無かりけり。

君死にたまふことなかれ、
すめらみことは、戰ひに
おほみづからは出でまさね、
かたみに人の血を流し、
獸(けもの)の道に死ねよとは、
死ぬるを人のほまれとは、
大みこゝろの深ければ
もとよりいかで思(おぼ)されむ。

あゝをとうとよ、戰ひに
君死にたまふことなかれ、
すぎにし秋を父ぎみに
おくれたまへる母ぎみは、
なげきの中に、いたましく
わが子を召され、家を守(も)り、
安(やす)しと聞ける大御代も
母のしら髮はまさりぬる。

暖簾(のれん)のかげに伏して泣く
あえかにわかき新妻(にひづま)を、
君わするるや、思へるや、
十月(とつき)も添はでわかれたる
少女ごころを思ひみよ、
この世ひとりの君ならで
あゝまた誰をたのむべき、
君死にたまふことなかれ。

 

〈現代語訳〉

ああ弟よ、君のために泣いている。
君が死んでくれることがあってはならない。
末に生まれた君なんだから
親の愛情は強かっただろう。
親は刃をにぎらせて
人を殺せと教えたか?
人を殺して死ねと言って
二十四歳までを育てたか?

堺の街の商人の
旧家であることをほこる家の主人で
親の名を継ぐ君なのだから、
君が死んでくれることがあってはならない。
旅順の城は滅んでも、
滅ばなくても、何て事はない。
君は知らないだろうが、商人の
家の掟にそんなものは無い。

君が死んでくれることがあってはならない。
天皇陛下は、戰いに
ご自身ではお出にならず、
互いに人の血を流し、
山野の獸道で死ねと、
死ぬ事を人の名誉などと、
彼の御心が深いのならば
そもそもそんなことを思うことがあるのでしょうか。

ああ弟よ、戦いで
君が死んでくれることがあってはならない。
去年の秋にお父さまに
遅れなさったお母様は、
嘆きの中で、痛々しくも
わが子を招集されても、家を守り、
安泰だと聞く今の天皇陛下の大御代のはずが
母のしら髮は増えている。

暖簾のかげに伏して泣く
か弱くて若い新妻を、
君は忘れたのか、思っているのか、
10ヶ月も一緒に暮らさず別れた
少女ごころを思ってみなさい、
この世でひとりで生きてきた君ではない
ああまた誰を頼ればいいのか、
君が死んでくれることがあってはならない。