個人的な人に宛てた応援メッセージです
今は大越先生の言葉を少しずつ書いていきます
●不登校前後の記憶が消し去られている子どもたち
子どもはよく、大人が何を聞こうが何も答えない、口をきかないという態度をとることがあります。
これを大人は、彼らの反抗と受け止めることが多いようですが、ことはそう簡単ではありません。
不登校や問題行動のある子どもたち、大人たちは彼らの行動の秘密を知りたくて、あれこれ聞き出そうとしますが、彼らはほとんど答えません。というより、彼らは答えようにも答えるべき内容を持っていないのです。もっと正確に言うならば、記憶にないのです。覚えていないために、答えることができないのです。
人間には受け止めたくない事実が起こると、それを受け入れたくないがために、自動的に自分の意識を閉じ込めてしまうという心理作用があるようです、これは決して特殊な子どもにだけ起きる現象ではありません。
塾生の中には、不登校前後の記憶がない子が多くいます。子どもにとって不登校というのは、それほどの恐怖だということです。
「子どもが口をつむぐのは、思い出したくない恐怖があるからです。」
「自然に勉強する気になる子の育て方」P36~38より
●自分の意見を言えない子には、まず大声で教科書を朗読させる
「カラ元気」よりもっとストレートに現れる元気のなさは、よく言われる「自分を失った状態」です。「茫然自失」と言う言葉がありますが、まさにその通りで、心ここにあらずといった表情をしています。
そして「カラ元気」と同様、自分のやることがわからない、何がやりたいのかわかりませんから、ほとんど無表情で声も小さく、自分のことを(家ではわかりませんが)他人の前ではほとんど話しません。
こういう子には「腹から声を出す」ように指導します。普通、その子たちが腹から声を出すときには、ヒステリックに怒ったり泣いたりする時だけで、ノーマルな時ではありません、そういう子を正常な状態で自分の感情を出せるように導いてやらなくてはいけないのです。
もちろん読み方や顔の表情などは、この際問題ではありません。自分の頭と肉体を使い、自分の肉声を人前で力いっぱい表出したことが重要なのです。十分とは言えなくてもこれが感情を表に引っ張り出す第一歩になります。
次の段階では、じっくりと自分の心の中を話ことが必要ですが、これが一般家庭では意外に難しいようです。たとえばご飯を食べたあとで「○○ちゃん、こっちに来て話しよう」などという誘いを、こういう子どもが素直に聞くはずがないからです。「もういい」「うるさいな」と一言言えばまだいい方で、ほとんどは無言で、すっといなくなってしまいます。
そういう子どもが私の前に来たときは、いろんな機会を捕まえて「何がしたいんだ」「アホなこと言うても聞いてやるから言うてみろ」と問いかけます。そしてその際に一番大切なのは本当にアホなことを言っても黙って聞いてやると言うことなのです。
親の価値観に合った場合は許すけれど、価値観に合わない時は頭ごなしに「駄目だ」と言ったり、難しい顔をするのでは、子どもの話を聞いたことにはなりません。
「それは駄目よ、お母さん(お父さん)の価値観と違うから」と言われ続ければすべてのことをいちいち親にお伺いを立てて「これはしていいですか、いけないですか」と許可をもらわないと先へ進めない子どもになってしまいます。(もしかしたら、そのほうが育てやすいとどこかで思っているのでしょうか)
子どもが自分で、無自覚のうちにお母さん(お父さん)とその背後にある価値観の前で自分を殺し、最終的には自分の本当の気持ちを無意識の世界に押し込んでしまうわけです。
とりわけ、好奇心の強い子ほど親の価値観と衝突しますから、何年も何年もかけて駄目にされていくのです。それを避けるためにも「黙して語らず」の心で、何を言ってもじっと聞いてやることが大事なのです。
「お腹から声を出すと 自分の感情が戻ってきます」
「自然に勉強する気になる子の育て方」P39~41より