Daydream | 背徳的✳︎感情論。








「リーダー!」


俺は呼びながら部屋の中を探し回った。



静かな午後。


リーダーの家。



何回電話かけても出ないから、痺れがキレて、俺は直接乗り込んだ。




リーダーが俺を避けてる理由は分かってる。

俺がラジオであんなこと言ったから、俺が怒ってると思ってるんだ。


俺に怒られると思って、それがイヤで隠れてる。






KAMINARI

大野さんの誕生日に、メール送ろうと思ったらアドレスが変わってて送れなかったんすよ

教えてもらってないんですよ

だから俺はそこまでの人間なんですよ

変わったらもう教えてもらえないんですよ

寂しいですけどね。せつないですよ

でも俺はそこまでの人間なんです

変わってもまぁ教えなくていいかなってっていう

KAMINARI









「いるんだろ? どこだよ!」


リビングにも寝室にもトイレにも、彼の姿はない。


となると・・・



「リーダー!!」


俺は勢いよくバスルームのドアを開けた。


ほら、

空っぽのバスタブの中に、カラダを丸めて隠れてるリーダーを見つけた。


「どこに隠れてんだよ、リーダー」

俺は呆れて笑った。

「ニノ・・・」

リーダーがゆっくり身体を起こして、上目づかいで俺を見た。

「ほら、早く出て来てよ」

「だって・・・怒ってるんだろ?」

彼は情けない声でそう言って、口を尖らす。

「怒ってませんよ」

「だって・・・」

ブツブツ言って、リーダーはバスタブから出ようとしない。


俺はちょっとため息ついてから、風呂の中に入って行って、バスタブを跨ぐとリーダーの隣に座った。

リーダーが気まずそうに俺から離れようとする。

「俺、ホントに怒ってないから」

「ホント?」

俺の言葉に、リーダーが窺うように俺を見た。

「ホントだって。メアドなんか知らなくても、あなたと連絡とる方法はいくらでもあるんだから」

だろ?って笑って彼を小突いた。


リーダーがホッとした顔して、

「ニノ~」

甘えた声で俺の肩を抱く。


「でも、俺が傷ついたことには変わりないけどね」


ちくりと、冷たい声でそう言うと、リーダーは一瞬固まって、俯いて俺から離れた。


その顔が可笑しくて、俺は声を立てて笑った。



「冗談ですよ」

俺が言うと、

「ホントに忘れてただけなんだってば」

リーダーが俺の肩を揺すった。

「分かってる。怒ってない」

「ホント?」

「ホント」

「ホントにホント?」

「ホントだってば」

しつこくリーダーが俺の顔を覗き込むから、俺は彼の唇に ちゅ ってしてやった。

途端に照れて、リーダーは俯いて顔を隠した。

そんな彼を俺はまた笑った。


「でも今度、なんか埋め合わせしてもらおうかな」

急に思いついてそう言うと、リーダーがばっと顔を上げて俺を見た。

「埋め合わせ?」

「そ。俺を傷つけたんだから」

当然でしょ?って笑うと、彼はまた目を伏せた。


リーダーをからかうのって、なんでこんな楽しいんだろ・・・


俺は彼から顔を背けて笑った。


「分かった。んじゃ今度、釣りに連れてってやる」

「ヤダよ、俺、船乗れないもん」

「いいじゃん。ちょっとくらいなら大丈夫だろ?」

「大丈夫じゃない。だいたい、俺への埋め合わせなのに、なんでリーダーのやりたいことやんなきゃいけないんだよ」

「いいじゃんか~」

リーダーが笑いながら、釣りのジェスチャーをする。

彼がそうすると、俺たちが入ってるバスタブが船に見えてきた。

リーダーもそう思ったのか、バスタブの端に座り直して、舵を切るフリをしながら俺を見た。


「揺れるからしっかり掴まって」


「はいはい」


「いつか、本物の船でニノと釣りに行きたいなぁ」

「いいよ、コレで。俺は本物の船には乗れないから」

楽しそうなリーダーを笑って、俺はリーダーの肩に掴まった。




俺たちはバスタブの船に乗って、遠い星の海に心を飛ばす。


小さなこの船は、不安定でゆらゆらするけど、リーダーの操舵ならきっと大丈夫。









眩しいほど輝く天の川を昇りながら、二人で釣り糸を垂らす。

「ね、何が釣れんの?」
リーダーに尋ねると、
「さぁ?」
って彼は笑った。

二つ浮かんだ小さな浮きはどこまでも流されて、いつの間にか見えなくなった。

「ニノっ、引いてるよ!」
リーダーが大声で叫ぶと、船は大きく左右に揺れた。
天の川が激しくうねって飛沫を上げる。
力いっぱい竿を引くと、リーダーも俺を手伝って竿を掴んで引っ張る。

波間から巨大な銀の魚が跳ねた。

ざぶんと大きな飛沫を上げて、その身体が沈むと、俺の釣竿の糸がぷつりと切れた。

「あーあー」
残念そうなリーダーに、
「あんなデカイの、釣れなくて良かったよ」
笑って言って、彼の肩に凭れた。
「疲れたよ~」
呟く俺の頭を撫でて、彼は再び舵を握った。





俺たちは天の川をどんどん昇ってく。


大きな白鳥が、羽を広げて俺たちに手を振ってる。

「俺らのファンかな」
「かもな」

俺たちは笑い合って、手を振り返した。



「どまで行こうか」

「どこまでも。このままずっと」


二人なら













狭いバスタブの中で目が醒めた。

隣には、同じように窮屈そうに身体を縮めてリーダーが眠ってる。


夢か…


光の海の中にいる、綺麗で、どこか切ない夢だった。

何億光年も、遥か彼方の遠い夢。



でも

リーダーはちゃんと俺の隣にいる。





その前髪に触れると、彼は口をむにゃむにゃさせた。

俺は笑って、彼の髪をそっと指で梳いた。




ずっと

このまま

側にいられますように




夢の記憶に残る、天の川の光に


俺は願いを込めて


目を閉じた

















fin



















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| 壁 |д・) こ、


こーゆーのってどうですか?(笑)



ちょっと違う雰囲気で書いてみました。

基本 こう言うのが好きなんです、私。

そんなエロい人間じゃないんです、私。



って前フリしといて(笑)


予告でっす。。。





明日0時に ひとつお話をアップするんですけど

あの

ちょっと

アレなので

朝になったらアメ限記事へ移行します。


ので


アメンバさんじゃない方で読みたいと思われる方は

深夜のうちにお越しくださいm(_ _ )m



アク禁になったらゴメンナサイ←











以上


月魚でした!





今週も頑張って乗り切りましょう!