ハル君は実家暮らしだ。

23区内で、交通の便も良いところだ。

それなら一人暮らしをする必要もないのかなと思った。



ハル君は正式に付き合ったその週末、

私を挨拶に連れていきたいと言い出した。

私はビックリしたが、

挨拶だけだよ、そのあと出かけよう

と言われたので、

そのまま付いていくことになった。



高い塀に沿って歩いたあと、

彼はおもむろに門扉を押して開けた。

え?ここですか?

ここがハル君のおうちですか?

庭じゃなくてこれ庭園というんじゃないですか?

というか、この庭で戸建て何個建つんですか?

私はビックリして言葉なんか出せなかった。

ハル君ちっとも言わなかったじゃん。

こういう家の人は私なんか受け入れる訳ないでしょ!

人の話ちゃんと聞いてたんかな!

そんな思いを抱えながら、 

ハル君の後に付いていった。



そしてご両親とご対面。

しかし私は、

こんな複雑な思いを抱えておいて、

挨拶の時の、私のスマイルはプロ級だった。

自分でも嫌になるこの二面性、

これは長所なんだろうか。


 

頭の中真っ白になりながら、

しばらくハル君の部屋でゆっくりした。

ハル君は、

俺は本気だよ。だから最初から親に紹介した。

彼女を連れてきたのは初めてだから、

親にも俺の本気が伝わるよ。




ハル君が本気でも、

親が本気で反対すりゃ意味ない。

そう思ったけど、言葉を呑み込んだ。

少なくとも、

ハル君はコウちゃんとは全然違う。

ハル君は逃げなかったんだ。

その気持ちがあるだけでも、

私はすごく嬉しかった。