話を一旦大学進学の時まで戻そう。




家から電車で3時間のところの大学を選んだ。

ここなら間違いなく一人暮らしになる。

そして私の思惑通り、

家を出ることになった。



チカやヒロのことがどうでもよくなった訳ではない。

でも父さんも母さんも快く賛成してくれた。

まるで私が進学するのが必然みたいだった。

チカはバイトばかりで帰宅が遅くなっていて、

ヒロは友達の家に入り浸りだったから、

私が出ることを嫌がらなかったが、

羨ましがられた。

もうじき自分たちも出る。

だから姉ちゃんは先に出ていいよと言ってくれた。

サキだけが、本当に寂しそうに、

今でも泣き出しそうな顔だった。





母がかなり稼いでいたので、

私は学費を全て払ってもらい、

潤沢な仕送りをもらい、

何不自由ない一人暮らしをスタートさせた。

全てが新鮮で、全てが楽しかった。

たくさんの友人にも恵まれた。

そして、初めての彼氏もできた。

相変わらずバイトもして、

講義に出席してレポートを出し、

サークルで青春もたっぷり謳歌した。




私の人生の歯車が、

ようやく噛み合うように動き出した。

全てが順調だった。