本は自腹じゃないと身につかない


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毎日コンビニに寄って商品チェックしたり
立ち読みするのが趣味な私は
本屋さんに行くのも大好きで
お昼時なんかもしょっちゅう行っては
立ち読み三昧。

「買えば?」
なんて言われそうだけど
結構本読むスピードが早いヒトだし
そんなにアサッテな内容の本を読んでいる訳でもないから
大体の内容は分かるので
普通のハードカバーぐらいなら
ものの20分もあれば大体読めてしまう。
むしろ
こんなのいちいち買っていたら
財布がもたないってもので。

そんな中でも
“これは!”
という本は当然買い求める。
それも
1回本屋さんで一通り通読した後で
知識を取り纏めるために
買い求めてはまた熟読。
殆ど予習と復習の世界だから
1回目に立ち読みで分からなかったことも頭にスイスイ入る。

ある時
同じようにして買おうと思った本があったんだけど
少々お値が張るし
仕事で使おうとしていたものだったから
領収書切って買おうと思った。
それを当時の上司に相談したところ窘められた。
「キミね。本は自腹で買うから身につくんだよ。」

ふ~ん。
そんな言いぐさよく耳にするけど
私はそうは思わない。
そんなこと言ったら私なんて滅多に買わないから
一つも身についちゃいない。
どうしても情報整理をしたい内容については
流石に本屋さんで書き写す訳には行かないから買うぐらいで
知識や考え方なんて
その場で吸収してしまう。
きっとこんなこと言う人に限って
家中本だらけで
そのくせ殆ど読んでないに決まっている。

間違いない。

学生時代は沢山参考書や問題集買っては
殆ど広げたことはない。

間違いない。

でも
そう言われればしょうがないから
自腹切って買ってコツコツと仕事で使っていた。
すると
ある朝出社すると
私の机の上からその本が消えていた。
普段から整理魔の私は
本が1冊無ければすぐに反応してしまう。
「あれ?何処行ったんだろう?」
少しその辺キョロキョロと探していたら
前述の上司が少しバツ悪そうにこっちを見て言った。

「あぁゴメン。借りてるんだ。悪い悪い。」

“あっそう...。”
少し憮然とした私は
適当な愛想打ちながらすぐに返してもらった。

おほほ。
上司さん。
借りて読んでも身につかないから
幾ら読んでも時間の無駄じゃありません?

今日もまた遅くまで仕事。

はぁ
ヤレヤレ。
いっそこんな遅くなったし
何処かでハメ外して帰りたくもあるけど
中途半端な時間過ぎて
ラーメン屋ぐらいしか思いつきもしない。

でも
独りで深夜ラーメン屋に入る習性を持ち合わせてない私は
そんな願望もありつつ
深夜まで営業している近所のスーパーに寄って
ハイエナの如きダンピング商材を漁ってから帰る。
安いのよね
この時間って。
生鮮が何でも5割引って。
大トロ5割引よキャ~!
ヒラメも5割引よキャ~!
ウニにイクラも
ブリもハマチもキャ~!

キャ~!キャ~!キャ~!

結局簡単なお惣菜だけ買って店を出た。
こんな時間に刺身なんか食ってられっか!

いいのかなぁこんな生活の連続で。
今日もまた言われちゃった。
「浮舟さん(仮)はいつもスイスイ仕事しちゃってますね。」
てやんでぇい!べら棒めぇ!
こちとら今日もアップアップだったんだぞい!
マジ切れるかと思ったぐらい。
何度もそんな絵面が目に浮かんだよ。
うぅ。。。と唸りながらも必死で堪えて
堪えて堪えて
それでも何とかモチベーション維持してたというのに
何だかヘラヘラしてたように見えちゃうんだなぁ。
何でなんだろう?
もっと労わられたい。。

家に帰って着替えると
無性にお腹が減ってきた。
コタツに潜り込んで
買って来たお惣菜とビールで
録っておいたビデオ鑑賞。
はぁ~あ
こうした時間が
空しいような
案外充実しているような。
ただ
ただ
情け容赦なくまた明日がやってくる。

昼間
学生時代の友達からケータイに着信。
「ちょっと逢おうよ。」
何だか少し気が立っている模様。
やれやれ少しまた面倒なことに巻きこまれそうかなと思いつつ
「イイよ」と安受けあい。
だけど仕事が手を離せないもんだから
家まで来てもらって
そのまま近くのカフェに行った。

で一体どうしたのさ?と聞けば
何だ何だの痴話話。
彼氏との別れ話だった。
要は彼氏と大喧嘩して又わかれようと決めたらしい。
そう
“又”。
このカップルは二人とも友人で
友人同士がひっついたという誠におめでたいカップルで
その意味では傍から見ていると何にも楽しくないカップルで
勝手に幸せしてりゃイイじゃんとも言いたくなるんだけど
そこはそれ
二人とも共通の友人なんだものだから
何か遊ぶとなると必ずセットでついてくる。
「ホントはポテトは要らないんですぅ」
って言いたくもなるんだけど
付いて来るものは仕方なし。
捨てる訳にも行かない。

そのバリューセットな二人は
しばしば大喧嘩をしては別れ話を持ち掛けて来る。
内心
「べつに別れればイイじゃん」とも言いたくなるんだけど
まぁそうとも言えず
何よりも別れることで周囲がギクシャクしてしまう。
そこで周りでも気を遣って取り成してあげるんだけど
でもきっと
元々バリューセットな二人は
きっと単品で商売出来ないから
放っておいても別れやしないのかな?なんて気もする。

ともあれ今回も又わかれ話を持ち掛けて来た。
聞けば
トリビアにもなんないどうでもいいような喧嘩の種だったんだけど
今回という今回は彼女ご立腹だったみたく
色々な彼氏の悪口を聞かせてくれた。
それは価値観から生活態度に及び
果てはセックスのことまで洗い浚いご披露してくれた。
曰く
あんなこと要求されただの...
こんなことしてやっただの...
そんなことが大好きだの...。

あの~
ごめんなさい。
どうしてもアナタ達のその絵面が頭に浮かんじゃうんだけど。
リアル過ぎて
聞いている方が赤面してしまうんですけど。。。

つくづく思う。
女は一旦怒ると見境ない生き物だよね。
そんなことバラしてもしょうがないと思うんだけど
もう何もかも言いたくなってしまうんだろうね。
だけど思う。
両親と友達のセックス話なんて聞きたくないよ~。
アイドル歌手のトイレと同じで
夢にでもとっておいて下さいよ~。
これから先
私はアナタ達見る度にそのシーン思い出しちゃうじゃんかさ。

言うだけ言うと彼女は機嫌が収まったんだか
話は
世間話に飛び
友達関係に及び
最後は「やっぱり仲直りしよっかなぁ」で収まった。
やれやれ
いつもこうなるには決まっているんだからさ。
彼女を駅まで見送って帰り道
通り過ぎる恋人達を見ては
さっきの友達の話を思い出し
絵面が脳裏を掠めてた。

あぁ~
ホント勘弁して欲しいよ...。

ふと
駅前の
赤いマックの看板が目に入った。

まったく
とんだバリューセットだよ...。

ネットの友達に初めて会った。
それまでメールとかではお喋りした仲だったのだけど
たまたまあるイベントがあって
そこで一緒に参加するってことで
初めてご対面することになった。

立食パーティで
最初は
「どの人だろう?ドキドキ。」
なんて独り喋りしながら(笑)
キョロキョロ探していたんだけど
私は名札もつけていたから
何処かであっちから見つけてくれるものとタカを括って
そのウチに他の人と話すのに一生懸命になって
そんなことすら忘れていたある頃
「浮舟さんですか?」
と横顔の辺りから声がした。
“ウン?”
と振り向いたそこには
結構大柄な女性が立っていた。
“誰だっけ?”
と想像を巡らす暇もなく間髪入れずに
「私が○○です!」
とのお言葉。
あぁ
あなたでしたかぁと
内心呟きつつ
声でもデュアルに返事したんだけど
それにしてもゴツイ人だった。
ちょっと怒られるかもしれないけど
女子プロレスラー?
と突っ込み入れたくなるような
結構ガタイのイイ
ある意味『女泣かせ』のガタイのイイ女性だった。

そこから延々会話が始まったんだけど
彼女
とても私に会いたかったらしく
聞きもしないことを色々教えてくれた。
プロフィールやら今何処に住んで居るやら。
ごめんね
特にそういうことまでは興味ないんですけど。
内心そう呟くんだけど
流石にこれはデュアルでは言えない。
うんうん聞くしかなかった。

そのウチに
昔からのメンバーの1人が仲間に加わって3人で会話になった。
あれこれ他愛のない話をしている内に
その3人目に加わった人が
「あ、折角だから記念写真撮りましょうか。」
と言って
ケータイ取り出して写メールしようとした。
すると先程の女性が急に露骨な拒否反応を示した。
「あ!写真は止めて!」
「え?マズイですか?」
「ネットに載ったりする?そしたらマズイから勘弁して。」
“え?どうしてまた?”
「ネットに乗るとまたストーカーにつきまとわれて困るのよ。」
ストーカー??

ふ~ん・・・。

聞けば
彼女はストーカーに追われ易い人らしい。
そして今も別のストーカーに追われているらしい。
何でもホームページにアクセスしている男達から
つきまとまわれていて困っているらしい。
しかし。。。

何処をどうみても
女子プロレスラーか女性自衛隊員のような彼女
言っちゃあ悪いんだけど
アナタをストーカーしても
アナタ投げつけれるんじゃない?
そもそも
そんなにストーカーしたくなるような雰囲気ではないと思うんですけど
そんなあなたでもストーカーされるんだから
ネットってホントに恐い世界なんだね。。。
ある意味関心して
ある意味心底恐くなってしまった。
ネットのストーカーに許容範囲はないのだろうか。。。?
ネットのストーカーはそんなに困っているのか。。。?
私は国際貢献する前に日本政府はやることがあるんじゃないかと
一瞬考えてしまった。

政府要人関係者の皆さん
日本の男性は
こんなガタイのイイ女性をストーカーしなきゃイケナイほど
困っているんだって。
これはイケナイよ。
これは日本の将来暗いよ。
もっとストーカーしたくなる女性居るでしょう?
そんなに困っているんだよ
日本男児は。

それは匿名性と顔が見えない付き合いが特性の
ネットならではの世界かもしれないけど
顔見たらストーカー止めたくもなるでしょう?
それとも
ガタイみたらストーカー止めたくなるでしょう?
それとも女性なら何でもイイのかい?
ストーカーさん
アンタ投げ返されるどころか
押し倒されるよ。
自分の身を省みた方がイイよ。
危険だよ
彼女をストーカーするのは。

結局写真撮影は中止になって
歓談は続けられた。

それにしても
ネットは恐ろしい世界だね。。
つくづく...。


今の家に引っ越してから初めての冬は
皮下脂肪の薄い私には結構過酷な季節のようで
毎日PCで作業していると
体が凍てついてしまうほどの辛い思いを強いられる。
それが夜であれ昼であれ
毎日ぶるるぶるると
ケータイのバイブのように震えながら作業してる。
暖房の一つでも入れればイイと思うのだけど
生憎エアコンのある部屋はリビングで
書斎的兼寝室のこの部屋には何の暖房設備もない。
電気ストーブでもあればと思うのだけど
これまではコタツ生活だったので元々持って無く
今更買う気も起こらないまま
ひたすら部屋で厚着して耐えている。
時折気を失いそうに寒くなるもんだから
夜更かしする時にはいつも暖かい飲みものやお酒が欠かせない。

それにしても
温かい飲み物は偉大だよネ。
ちょっとホットな紅茶を入れて飲むだけでも全身ポカポカ。
考えてみればそんなの基本的な生活の知恵の筈なのに
いつしか暖房を入れる生活に慣れちゃっているもんだから
たまにそんな事実を知っただけでも
「おっ!凄いぜぃ!」
と感心してしまう。

思えば私達は
文明の進歩に乗っ掛かって
いつしか楽な方へ楽な方へ流されちゃっているんだよネ。
寒い時には温かいもので暖を取って
寒い時には風鈴などで涼を感じ取って
そんなことで快適に過ごす術を知っていたのに
いつしかコストの掛かる生活を覚えてしまい
徐々に体も季節に順応出来なくなっちゃって。
“低ければ高く飛べ!”
じゃないんだけど
寒ければ温かくなる方法を考えるってのが
人間の人間たる
叡智あるイキモノの証拠だよネ。
暖房作ることは出来ないにしても
暖房で温まることは動物でも出来るんだし
温かく過ごせる術を考えないと
段々脳味が動物並みに噌退化しちゃいますよ
なんてネ。

調子が悪ければ悪いなりの過ごし方を
環境が悪ければ悪いなりの過ごし方を
それを創造するのがヒトの価値ってものかもしれない。
状況を嘆いて
安易な道を模索することは
それはそれは快適なんだけど
もう一捻り知恵を働かせること
それがヒトの価値なのかもしれない。
仕事でもそうだよネ。
余りに安易な発想をするのではなく
ちょっとした発想の転換で大きなヴァリューを生むこと
それこそがホントに意味ある大事なことなんだよネ。

ただ
それにしても
この部屋が余りにも寒いもんだから
しばしば近所のティーサロンやファーストフードで作業したりなんかしている。
これもヒトの知恵だよネ
なぁんて
ちょっと違う気もするけど。(笑)

仕事がモリモリですっかり連日遅上がり。
しかも色んな人との調整に時間を割かれて
神経ピリピリ胃がキリリ。
企画作ったりプレゼンしたりってのは全然苦痛じゃないんだけど
ほかの部門との調整にはホトホト手を焼いてしまう。
「あー!もうやめた!」
だなんて言って
全てを投げ出したくなる時もあるけど
そんなこと言ったら元も子もなし。
今仕事があることすら幸せに感じないとネ。
やりたくても出来ない人もいる訳だから。

こんな日は直帰もしたくないけど
こんな時間に呼び出す相手も居ない。
独りで飲みに行くには小腹も減っているから
前から行きたかったカフェに寄った。
幸い待たされることなくスンナリ席に案内され
よっこらしょ。
コロナなんぞ頼んでメニューをペラペラ見ていたら
隣の方から女の猫撫で声が耳に這って来た。
「ねぇ、ホントに私のこと好きぃ?」
顔を動かさないような感じで視線だけ右の方に寄せると
男にベッタリ凭れかかったメス猫が一匹。
シャム猫のフリしてスマした三毛猫だ。
オス猫の方はといえば
今時の小汚い格好したヒップホップな野良猫だった。

キャッツかアンタらは。

「当たり前だろって。」
「じゃあ何でメール返事いつもくれないの。」
「忙しいんだからしょうがないじゃん。」
「忙しいって言いながらいつも飲みに行ったりしてんじゃん。私も誘ってよ。」
「男同士なんだからしょうがないじゃん。」
「そんなことばかり言って信用できないんだから。」
「そんなに疑うってのは自分が怪しい証拠だぞ。」
「私なんにも怪しくないもん。」
「そうかな?この前もナンパされたんだろ?」
「アレは声掛けられただけだよ。」
「そうかなぁ。その後ついてったんじゃない?」
「そんなことないよぉ。」
「心配だなぁ。」
「やだぁ。大丈夫だって。こっちこそ心配してるんだから。」
「大丈夫だよ。愛してるから。」
「ホントにぃ?嬉しい。」
「ばーか。」

みゃあミャアみゃあミャアみゃあミャア
みゃあミャアみゃあミャアみゃあミャア

あーーーうざーーーい!
テメーら野良猫連中は公園ででも愛をほぞいてろ!
そのサカリついた猫撫で声で月夜に吼えるがいい!

「ご注文お決まりですか?」
店員の子がオーダーを取りに来た。

「この『ロミオとジュリット』ってプレート1つ。」

「あちらのお客様にですか?」
「そう。」

さして疲れてた覚えもないんだけど
家に着くなりベッドでゴロリ
そのまますっかり寝込んだ明け方
ブルルと体震わせて目が覚めた。

折角帰ったらとっておきのお酒飲もうと思っていたのに
こんな明け方から酔っ払う訳にはいかない。
でもエアコンで喉が乾燥しているもんだから
冷蔵庫の中のコントレックス飲んで喉を癒した。
ゴクゴクと飲んでいると
遠くで電車の音が聞こえた。
そっか
5時も回ればもう始発も出る時間。
思えばこんな時間に電車乗ったことあったけなって
思い出しては妙に疲れを感じちゃう。

生あくびをして
クシャクシャの髪をかきあげながら
メンソールに火をつけた。
ふぅ。
カーテン少しだけそっと開けて
まだ明るんでも居ない外を眺めた。
街がすっかり寝込んでいる。
折しも季節が冬なもんだから
都会とはいえ
こんな時間はすっかり息を潜めている。
不器用で尖った顔した都会の街並みも
こうしてみると少し可愛い感じがする。
マフィアも寝顔は可愛いんだろうネ
なんてサ。

もうすぐ朝になって
人々が這い出てきて
また昨日によく似た今日が始まるのかな。
みんな飽きもせずによくやるよ。
もっとも
私なんかでもそうなんだけどサ。
それにしても
ここのところ遊び足りないよなぁ。
ホントはハデに遊びに行きたいところなのに
コレという所がなかったり
仕事が中途半端に溜まっちゃったり
痛快な刺激が欲しいよネ
たまには。

そんなこと思っていると
すこーしずつ夜が明らんできた。
もうすぐ雀がチュンチュン鳴く時間かな。
どうしよっかな。
今から寝ても寝つけないだろうし。
神経質なのか
一回起きるとダメなんだ。
目が冴えちゃってサ。

もうすぐここにも朝がやってくる。
光に照らされて朝がやってくる。
今日が楽しい日だとイイな。
それなら早起きした価値があるってものだから。

もうすぐここにも朝がやってくる。
新しい一日が街を包もうとしている。
今日がイイ一日でありますように。


今日も熱い日が続く大都会@東京。
こんな日に限って外出の用事。
喫茶店でもあれば茶羽のようにホイホイ入るんだけど
あいにく灰色と緑色に囲まれたこの都心の真ん中には
自然の織り成すオアシスしか見当たらない。
そんなでもせめて涼もうと思ったんだけど
何処の暇人たち
木陰のベンチは全て埋め尽くされている。
しょうがないから
照り返して白い光を放つ熱いベンチに腰を下ろした。

“よっこらしょ!”

イイのイイの。
いちいち歳を感じない感じない。
日本人のメンタリティーなのよ。ヾ(--;)

しかし公園には鳩が多いもの。
真向かいのベンチでは鳩に餌やっている老人あり。

鳩はイイねぇ~
何もしなくてもあぁやって食事もらえてサ。
でも案外
鳩界でも過当競争が行われているのかもネ。
必死なのかもしれない。
私はバッグからペットのお茶とオヤツのチョコを取り出して
鳩の餌やりをぼぅっと見ていた。

“ポッポー”

ん?なによ?

真っ白な鳩が1羽
私の許に寄ってきた。

“ポッポー”(笑)

え?なに?チョコレート欲しいの?

“ポッポー”(頷)

ダメだよ。これは私のだから。

“ポッポー”(怒)

怒ったってだめだよ。大体あんたチョコなんて食べたことないでしょう?

“ポッポー”(肯)

チョコ食べたら虫歯になって痛いよ。

“ポッポー”(驚)

歯磨きも出来ないんでしょう?

“ポッポー”(困)

だからダメだよ。

“ポッポー”(泣)

チョコって甘くて美味しいんだよ~。

“ポッポー”(羨)

残念ねぇ~。

“ポッポー”(哀)

そんなに落ち込まなくてもイイよ。

“ポッポー”(腐)

わッわかったよ~。

“ポッポー”(疑)

じゃあ上げるよ。

“ポッポー”(♪)

でも少しだけだよ。

“ポッポー”(懇)

はい。ひとかけだけぇ。

“ポッポー”(感)

ありがとうは?

“ポッポー”(礼)

鳩はチョコを啄ばむと
一瞬瞼を閉じた。
そして
再び瞼を開けた時には
潤った瞳を輝かせた。

“ポッポー”(歓)

そうでしょうそうでしょう。

気のせいか私まで少し胸が少し熱くなってきた。

鳩はしばらく又瞼を閉じて
チョコの味を噛み締めていたようだった。
そして食べ終わると背中を向けた。
そして2、3歩トットッと跳び跳ねていった。
そして頭だけ私の方に少し振り返った。
そして軽く頭を下げた。
そして凛とした表情をして
そして飛び立っていった。

“ポッポーーー”(!)

雲一つない青い真夏の空。
とけてゆくように
白い鳩が消えて行った。


炎天下の中
そんな妄想に駆られていた私の指には
とけたチョコが茶色くベトついていた。

友達から「お昼一緒にしない?」と誘われたので
忙しかったんだけど人のイイ私は
いつものようにヒョイヒョイ誘いに乗って出掛けた。

青山辺りの少し小洒落たイタメシ屋で
エビが寝転がるパスタなんぞ頬張り
ソースが跳ねないよう神経尖らせながら
友達の話に集中しているフリをする。

「・・・それでさぁ。。。」
「ン?なぁに?」
「実はさぁ、デキちゃったのね。」
「デキた?え?まさかコドモ?」

これは驚いた。
バリバリの仕事シタガリ屋さんの彼女。
OL時代もバリキャリで
出世の望み立たれたからとサッサと自立し
結婚はしたけど家庭を顧みなかった彼女にコドモだなんて
目の前に居てもその絵面が想像しにくい。

「で、産むの?」
「当たり前でしょが!(苦笑)」

そりゃそうだ。
キチンとしたダンナのコドモなんだし。(笑)

それにしても不思議だ。
何が彼女を家庭に走らせたのか?
仕事がうまく行ってなかったのか?

「もちろんつくる気はなかったんだけどね。
 なんか、デキちゃったのよ。」
「避妊失敗?」
「うん、まぁ、ダンナの勢いに押されたってか。」
「ダンナに押し倒されたってか?」
「そうそう。(笑)」

う~ん
そっかぁ。
でも彼女もそんなに満更でもなさそうで。
案外いざデキてしまえば母になる喜びを感じてしまったのか。
ある意味
コレまで一本線だった彼女の人生が2本になった訳で
そのこと自体は彼女の人生を豊かにもするだろうし
彼女のことだ
妊娠ですら
何か新しいビジネスを始めるキッカケに過ぎないかもしれない。(笑)

「まぁ、デキちゃった妊娠って感じぃ?」
「おめでたい人ね。」
「うん、まぁ、いろんな意味で。」
最近周囲で風邪が流行っていて
中にインフルエンザで倒れた人もバタバタ居る中
生来の頑丈さでなかなか伝染りもしない。
たまに少し喉が痛いなぁと思っても
翌日にはケロッと治っていたりして。

ところが遂に風邪引いた。

昨晩から喉が痛くて
喉が引っ付くような感覚があって
今朝起きた時から全身どんより。
鼻水は花粉症のこと故あたりまえとして
頭痛はするは
咳は出るは
ダケど不思議と熱は無い。
でもコレは今に始まったことじゃない。

「あなたは丈夫だから熱が出るには至らない」

それが以前に診てもらった医者の診たて。

それにしてもやはり健康第一。
仕事の最中
普段は打たれ強い私も
体調が悪いと妙に粘れない。
気力は切れて
とっくにどこかにブラ下がっている。
普段
どんなに試練に遭っても
心が折れないように言い聞かせている私も
今日ばかりはすっかり萎えてしまった。

ダメだ。
私はダメな人間だ。。。

つくづく
人間健康第一です。
少々どんなに金があろうが
少々どんなに地位があろうが
人間健康第一です。
それがあれば基本的には何でも出来ます。
日本一周だって
世界制覇だって
宇宙探検だって
健康ならば何でも出来ます。(?)
でも
不健康だと何にも出来ません。

ここ最近の不摂生のせいだなぁ。
でもコレも大病前の警告だと思って
一つ自制しましょう。

明日は健康回復していますように。。。