石段の硬さと冷たさを足の裏に感じて緑の隙間から深呼吸
僕の肺が少し喜んでいる
規則的に並んだ石段の真ん中を避けて足早に駆け上った
息が切れた
勝手に空気が身体を廻る
不思議だなと思った
フラットな空間では僕の身体もフラットになるんだなと安心した
朱の隙間から肉付きの良い猫が僕にお腹みせて寝転がってる
規則的な歩行を中断することに躊躇したけどれど僕は猫好きだしな
そして
落ち葉と猫としばらく遊んでいて
朱の輪郭が夕日に照らされてに激しく緑の中に差し込んできた
計算されたような完璧なその景観に僕は時を忘れて見入ってしまった
振り返るとさっきの猫は居なくなっていた
朱の独壇場はあっという間ですぐに大きな暗闇が嘘のように全部飲み込んだ
いつもの君の仕業だ
仕方ないよな
欲しがるだけの僕にそろそろ愛想尽きてるかな
僕は与える事が出来ない
与えるものがない
だから僕はひたすらに欲するんだ
∞ ∞ ∞
僕はわりとマテリアルな人間だと自覚しているんだけど
それをずれていると言う人間がとても多いんだ
憑かれる
狐のあの目、また僕は忘れられない
